なぜあなたは朝起きられないのか?【音楽的に解説してみる】
- 2019.12.29
- 2024.10.06
- レコーディング
このような疑問にお答えする内容です。
この記事では、2012年にペンシルベニア州立大学のCrfeu Buxton教授が行なった実験の内容も紹介しています。
この記事を読めば、「朝アラームが鳴っているのに起きられない理由」と「水の音が心地いい理由」がわかります!
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結論:なぜあなたは朝起きられないのか?
多くの人が朝起きられない理由は、この3つがポイントになります。
・突然鳴った音は、脳の「脅威・警戒作動システム」が作動するトリガーになる
・波の音のようにゆったりと持ち上がっていくようなサウンドは、だんだん音が大きく鳴っていっても不快にならない
・これらの音は、電話の着信音のようなショックを与えるようなノイズをカバーしてしまう
このことから、朝起きられない理由はこれらが原因と考えられます。
朝アラームが鳴っているのに起きられない理由
「アラームがずっと鳴っているから」
「音量がだんだん上がるように設定しているから」
水の音が心地いい理由
「ずっと一定で鳴っているから」
「突然鳴るわけではないから」
「音量の変化があったとしても、その変化はゆったりとしているから」
それでは詳しく解説してきます。
「脅威・警戒作動システム」の役割
「脅威・警戒作動システム」は、突然音が鳴った時に脳内で作動します。
たとえば、このような場面です。
・静かな教室で、机が倒れて「バーン」と大きな音が鳴った
・静かな道路で、急にクラクションを鳴らされる
・ホラー映画で、病院で急に幽霊が出てきた場面で「ドン」と効果音が鳴った
このように、急に大きな音が鳴ると人間は目を覚まします。
脅威・警戒作動システムは狩りに重要な機能
大昔、人間がまだ狩りをしていた頃のことを考えてみましょう。
森の中で水や草木の音が心地よく一定に聞こえる中、突然「ガオーッ」と大きな獣の声が聞こえたときのこと想像してください。
この声を聞いて警戒心を持たなければ、人間は獣にあっという間に食べられてしまうでしょう。
警戒心を持ち「今は危ない状況だ」と判断できれば、その場ですぐ逃げたり、戦いの構えをすることができます。
突然の大きな音は、人間の身を守るために昔から必要だったのです。
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人間はどのような音で目を覚ますのか?を実験
次に、Crfeu Buxton教授の実験をご紹介します。
これはとある病院で行われたもので、「人間はどのような音で目を覚ますのか?」を検証したものです。
実験内容はこのようなものでした。
①アラームを40dbぐらいの音量に設定した場合
40dB = 聞こえる会話に支障がない、ささやき声、図書館の中ぐらいの静かさ
浅い眠りについていた被験者のうち、90%が目を覚ました
(深い眠りの場合は、半分ぐらいの数になるでしょう)
②アラーム音をだんだん大きくし、最終的に70dBぐらいに設定した場合
70dB = かなりうるさい、ヘリコプターの音、うるさい街頭
突然音が鳴ったときよりも、目を覚ました被験者の数は少なかった
研究者の見解
実験を行なったCrfeu Buxton教授は、次のように述べています。
「我々は哺乳類ですが、その中でも霊長類に当てはまります。霊長類は、脅威が迫ってきたことを群れに警告します。もし悲鳴が聞こえたら、部族の誰かが食べられているかもしれません」
目覚ましのアラームに最適な音の条件とは?
これらを踏まえると、「急に聞こえる大きな音」が、目覚ましのアラームに最適と言えます。
どんなに音量が大きくても、だんだん音を大きくしても意味がないというのが結論です。
不規則な間隔で(=意図しないタイミングで、急に)大きな音が鳴るような設定にするとよいでしょう。
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なぜ水の音は心地いいのか?
次は、水の音はなぜ心地いいのか?について考えてみましょう。
YouTubeを検索すると、睡眠用や作業用BGM、ASMR動画としてこのような動画がアップされています。
確かに心地いい音です。
実はこのような水の音は、脳が脅威だと認識するような音を遮る性質があります。
プラス、先ほどご紹介した目覚ましアラームの条件「突然の大きな音」とは正反対の音です。
たとえば川のせせらぎは、ずっと絶えず鳴っているため突然聞こえるわけではありませんし、音量も比較的静かです。
海の波の音は音の大小はあるものの、だんだん大きくなっていくので「突然」ではありません。
また、最大音量もさほど大きくありません。
ちなみに水の音の心地よさについては、こちらでもまとめています↓
なぜ人間は朝起きられないのか?まとめ
今回の内容をざっくりまとめると、このようになります。
脅威を感じる音(突然+大きな音)
脅威と感じる音を遮るから、音量がほぼ一定で静かだから
身近にある音をこのように考えると、ちょっとおもしろいですね。
この知識は映画やCMなどの映像音楽でも役立ちますので、ぜひご活用ください。
当サイトでは他にも身近な音の現象についてまとめていますので、ぜひこちらもご覧ください↓
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