【DTM】音源・プラグインをたくさん買っている人ほど作曲やMIXが上達しない8つの理由
- 2025.01.16
- 2025.01.17
- ソフト・プラグイン・機材
今回は、Big Zが解説する「なぜたくさんプラグインを買うことはあなたの音楽をダメにするのか」をまとめました。
最近では、たくさんのDTM音源・プラグインメーカーからたくさんの最新製品がリリースされています。
新作プラグインのニュースを聞くと、つい欲しくなったり買ってしまう方も多いのではないでしょうか?
特に大手プラグインメーカーから販売された製品に関しては「大手の製品だからきっといいものだろう」と思って買ってしまうかもしれません。
しかし、実はたくさんプラグインを買えば買うほど自分の音楽がどんどんダメになっていくケースがあります。
この記事では、なぜたくさんプラグインを買うほど音楽のクオリティが下がってしまうのか、その理由を8つご紹介します。
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- 1. 本当に最先端のプラグインは1年にいくつリリースされている?
- 2. 音源・プラグインをたくさん買っている人ほど作曲やMIXが上達しない8つの理由
- 3. DTMが上達しない理由1.切れ味のいいナイフを使えていないから
- 4. DTMが上達しない理由2.制作の流れが悪くなるから
- 5. DTMが上達しない理由3.選択のパラドックスに陥るから
- 6. DTMが上達しない理由4.オリジナリティのあるサウンドを作れなくなるから
- 7. DTMが上達しない理由5.他の人とシェアしにくくなるから
- 8. DTMが上達しない理由6.ムダな時間が増えるから
- 9. DTMが上達しない理由7.昔のファイルが開けなくなるから
- 10. DTMが上達しない理由8.節約できなくなるから
- 11. 「お気に入りプラグインリスト」を作ろう
- 12. 音源・プラグインをたくさん買っている人ほどDTMが上達しない8つの理由
本当に最先端のプラグインは1年にいくつリリースされている?
毎年さまざまなDTMプラグインがリリースされていますが、このうち「これまではできなかったけど、このプラグインのおかげで初めてできるようになった」というプラグインは一体いくつあるでしょうか?
僕(Big Z)は15年以上音楽制作をしており、これまで数え切れないほどのプラグインを購入してきました。
しかし残念ながらこのような「今でできなかったことができるようになったプラグイン」は、ほぼありません。
少なくとも「自分がこれまで購入した膨大な量のプラグインの数」に対しては、非常に少ないです。
そのため、何百個もプラグインを持っていますが、使っていないプラグインの方が多いです。
音源・プラグインをたくさん買っている人ほど作曲やMIXが上達しない8つの理由
今回のテーマである「音源・プラグインをたくさん買っている人ほど作曲やMIXが上達しない理由」は、こちらの8つです。
2.制作の流れが悪くなるから
3.選択のパラドックスに陥るから
4.オリジナリティのあるサウンドを作れなくなるから
5.他の人とシェアしにくくなるから
6.ムダな時間が増えるから
7.昔のファイルが開けなくなるから
8.節約できなくなるから
それでは、1つずつ解説していきます。
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DTMが上達しない理由1.切れ味のいいナイフを使えていないから
例えば料理でナイフを使おうとしたとき、キッチンに20本のナイフがあったとします。
そのとき、しっかり研がれていて切れ味のいいナイフが1本もなかったらどうしますか?
さらに言えば、ナイフはナイフでもバターナイフだけが20本あって、じゃがいもが切れるような料理包丁が1本もなかったらどうしますか?
DTMプラグインも同じで、たくさんあること=いいことなのではなく、使いこなせなければ・使えるものでなければ意味がありません。
例えばコンプレッサーを20個持つのではなく、使い方を熟知しているコンプレッサーが1つあった方が役に立ちます。
確かに、コンプレッサーはそれぞれ異なる魅力があり、製品によって音のキャラクターも変わります。
だからこそ「コンプレッサーはたくさん持っておいた方がいい」と思ってしまいがちですが、使い方がよくわからないままなんとなく使っていても、理想の音にすることはできません。
そのため、新しいコンプレッサーを買い足す前に、まず「いま持っているプラグインのエキスパート」になってから新しい製品を購入することをおすすめします。
当サイトではコンプレッサーをはじめとするプラグイン使い方をまとめていますので、ぜひ参考にしてください↓
FabFilter「Pro-L2」の4つの魅力と使い方【DTM】
Wavesのリミッター&マキシマイザー「L1・L2・L3」の違いとそれぞれの使い方を解説【Ultra・Multi・LL・16の意味とは?】
【DTM】1176コンプレッサーはなぜおすすめ?魅力と使い方を解説!
【DTM】Xfer Records社のシンセ「Serum」の使い方 コンプリートガイド #1 オシレーター(OSC)
DTMが上達しない理由2.制作の流れが悪くなるから
たくさんプラグインを買うとDTMが上達しない理由2つ目は「制作の流れが悪くなるから」です。
作曲やミックスなどの音楽制作では、自分の頭の中にあるアイデアを実際にDAW上で再現していきます。
このときできるだけ早くパソコンを操作できないと、はじめに思いついたアイデアを忘れてしまったり、うまく再現できずにストレスが溜まってしまいます。
例えば「ドラムにリバーブを加えよう」と思ったとき、「どのプラグインを使ってリバーブをかけるか」「リバーブの各パラメーターをどのように設定するか」「プリセットを使うとしたら、どのプリセットを使うか」などを決める必要があります。
使い方がわかっているプラグインなら、これらの作業を1分もかからずに行えるでしょう。
それどころか、一度も音を聞かずに画面だけを見てすべての設定をやり終えて、理想の音を作ることもできます。
極端に言えば、リバーブの設定に10分かかる人と1分で終わる人では制作スピードが10倍違うので、作れる曲の量も10倍の差になります。
「この音を作るためには、どのプラグインを使って、どのパラメーターをどう設定すればいいのか」を手間をかけずにできることで、ストレスなく音楽制作を進めることができます。
先ほどの「切れ味のいいナイフを使えていないから」にも共通しますが、たくさんプラグインを持っているとイマイチ使い方がわかっていないプラグインも増えてしまうので、1つ1つのプラグインを集中して学習しにくくなります。
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DTMが上達しない理由3.選択のパラドックスに陥るから
たくさんプラグインを買うとDTMが上達しない理由3つ目は「選択のパラドックスに陥るから」です。
「選択」に関する有名な研究で「選択肢が多すぎるとデメリットが増えてしまう」という結果が出ています。
・選択できなくなる
・頭が疲れやすくなる
・正しい判断ができなくなる
持っているプラグインが多いということは、選択肢を不必要に増やしてしまうことになります。
上記の画像では、「選択肢の数」と「利益・コスト」を表しています。
縦軸:利益(上にいくと有益、下に行くと不利益)
オレンジの線:実際に実行できる行動の数や使える能力
このグラフを見ると、選択肢が程よくあれば利益が期待でき、適切な判断が行えることがわかります。
しかし選択肢が多くなればなるほど、実行できるアクションの数が減ります。
つまり、選べるものの数が多いからと言って、いい結果が出るとは限らないのです。
DTMによるプラグインも同じで、例えばコンプレッサープラグインがたくさんあると「あれも使ってみよう。これも使ってみよう。いや、もしかしたらあっちの方がいいかも…」を永遠に繰り返してしまい、他の作業で使える時間や頭のリソースを費やしてしまいます。
DTMが上達しない理由4.オリジナリティのあるサウンドを作れなくなるから
たくさんプラグインを買うとDTMが上達しない理由4つ目は「自分らしいオリジナリティのあるサウンドを作れなくなるから」です。
いつも同じプラグインを使っていると、ある程度は似ているサウンドに仕上がります。
「いつも同じサウンド」というのは、決して悪いことではありません。
例えばSpotifyでみなさんの曲をいくつか聞いたとき、「この人はこういうサウンドをいつも使っているな」と気づいてもらうことができ、「この人はこういうテイストの音楽をするこういうアーティストなんだ」と認識してもらいやすくなります。
つまり、いつも同じプラグインを使っているからこそ、それがあなたのオリジナリティになるのです。
例えばEDMなどのダンスミュージックを作っている人はXferRecords社「OTT」を多用していたりします。
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DTMが上達しない理由5.他の人とシェアしにくくなるから
たくさんプラグインを買うとDTMが上達しない理由5つ目は「他の人とシェアしにくくなるから」です。
使っている人を見たことがないようなニッチなプラグインは、「自分だけが使っているプラグイン」と価値を置きやすく、自分らしさを表現するために使う人もいます。
しかし使っている人が少ないということは、他の人とDAWプロジェクトをシェアしても相手がそのプラグインを起動できない可能性も高くなります。
1つのプロジェクトで20個の異なるプラグインを使っていたら、共通で持っているプラグインはそのうちの10個しかないかもしれません。
そうすると相手はそのプラグインを操作できませんので、「どちらか一方しか操作・調整できない」というストレスになります。
「これは誰でも持っているよね」という人気のプラグインをいくつか使うだけに留めておけば、誰とでもプロジェクトファイルをシェアできるでしょう。
例えばシンセサイザープラグインを使うなら「Serum」や「Massive」などがいいでしょう。
ファイルをシェアしやすい=フィードバックがもらいやすくなる=上達しやすくなる
DAWのプロジェクトファイルを手軽にシェアできれば、DTM上達に必要な「フィードバックをもらう」ということもやりやすくなります。
DAWのプロジェクトファイルをそのまま相手に送るだけで、相手がすぐに手直ししてくれるからです。
また、DTMレッスンにも同じことが言えます。
DTMレッスンの先生が持っているプラグインを使って作曲すれば、その先生が直接DAWのプロジェクトファイルやプラグインを開いて、みなさんにより細かいアドバイスをしてくれやすくなります。
DTMレッスンの重要性とおすすめのDTMスクールについてはこちらの記事でまとめています↓
DTMが上達しない理由6.ムダな時間が増えるから
たくさんプラグインを買うとDTMが上達しない理由6つ目は「ムダな時間が増えるから」です。
例えば、パソコンを買い換えるとDTMプラグインを新しいパソコンへ移行しなくてはいけません。
このとき、持っているプラグインの数が多ければ多いほど、この移行作業でトラブルが発生しやすくなります。
音源ライブラリのフォルダはどこだっけ?
インストールするには専用にアプリが必要なんだっけ?
このプラグインはどうやってパソコン移行作業をするんだっけ?
プラグインメーカーの公式サイトにログインするためのパスワードはなんだっけ?
1つのプラグインに対して、このような問題が何個も出てきます。
たくさんプラグインを持っていれば持っているほど、異なるメーカーの製品が多ければ多いほど、このような移行作業が大きなストレスになります。
バージョンの問題も発生しやすい
たくさんのプラグインを持っていると、それぞれアップデートしなければいけないプラグインも増えます。
アップデートを確認すること自体もストレスですし、自分が使っているパソコンのOSに対応していなかったりします。
人気プラグインはWindowsやMacのOSアップデートにもすぐに対応する傾向にあるのでその点は安心できますが、中小企業や個人開発のプラグインだと、OSアップデートによってプラグインが使えなくなることもあります。
たくさんプラグインを持っていると、OSやプラグインのバージョンの互換性などを考慮しなくてはいけずストレスが大きくなります。
DTMが上達しない理由7.昔のファイルが開けなくなるから
たくさんプラグインを買うとDTMが上達しない理由7つ目は「昔のファイルが開けなくなるから」です。
いま自分が使っているパソコンのOSのバージョンと、昔作った曲のプロジェクトファイルで使ったプラグインに互換性がなくなることがあります。
そうすると、ファイルが開けなかったり、もう同じ音を作ったり聞いたりできなくなることがあります。
そのため、例えば「5年前に作った曲のリミックスを作って欲しい」と頼まれたときに1から作り直さなければいけなくなったり、「3年前に作った曲のあの音をもう一回使いたい」というときにかなり苦労します。
前述の「ムダな時間が増えるから」にも通じますが、もう二度と同じデータを開けない・再現できないというのは大きな損失になります。
DTMが上達しない理由8.節約できなくなるから
たくさんプラグインを買うとDTMが上達しない理由8つ目は「節約できなくなるから」です。
当たり前ですが、プラグインを買わなければお金が節約できます。
さらに言えば、お金だけでなく「何のプラグインを買おうか迷っている時間」も「たくさんあるプラグインの中から目的のプラグインを探す時間」も節約できます。
自分のDTMが上達しない理由は、プラグインのせいではないかもしれません。
もしかしたらソングライティング(作曲)の問題かもしれないし、人とコミュニケーションを取って新しいアイデアに触れることかもしれません。
大切なのは、「プラグインを買うこと」に集中するのではなく「いまの自分に本当に必要なこと」に集中することです。
DTM音源・プラグインを購入するときは「手放すこと」もセットにする
DTM用の音源やプラグインを購入するときは、手放すこともセットにして考えるとよいでしょう。
買い足すだけではプラグインが増えていくだけなので、しばらく使っていないプラグインは非表示にしたりするのがおすすめです。
※アンインストールしてしまうと、過去に1度でも使ったことのあるプラグインだった場合は過去のプロジェクトファイルが開けなくなってしまうので、慎重に行ってください
「お気に入りプラグインリスト」を作ろう
よりDTMの作業効率を上げるなら「選抜プラグインリスト」「お気に入りプラグインリスト」を作るのもおすすめです。
DAWによっては、プラグインをメーカー別やカテゴリ別で表示するだけでなく、自分が作ったグループ別に表示することもできます。
例えばEDMに使えるシンセサイザーだけをまとめた「EDM Synths」という名前のフォルダーを作っておくと便利です。
「よく使うプラグイン」「ジャンル別」「エフェクトの種類別」などに分けて、目的のプラグインをすぐ探せるようにするといいでしょう。
音源・プラグインをたくさん買っている人ほどDTMが上達しない8つの理由
以上が「音源・プラグインをたくさん買っている人ほどDTMが上達しない8つの理由」でした。
解説者・Big Zの最大のアドバイスは「長く使えるいいプラグインだけを買うこと」でした。
下記の記事では、「これさえあれば他にはいらない」と言えるほどの超定番&超高品質の音源やプラグインをご紹介していますので、「長く使えるいい製品だけを買いたい」という方はぜひ参考にしてください↓
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