【音楽ジャンル】ウェスタンミュージックとは?【概要・リズム・カントリーとの違い】
どんな歴史があるの?
このような疑問にお答えする内容です。
今回はPart1として、ウェスタンミュージックの定義やリズム、カントリーミュージックとの違いについて解説します。
※この記事の「ウェスタンミュージック」は、北アメリカ発祥の伝統音楽のことを指します。「洋楽」という意味のウェスタンではありませんので、ご注意ください。
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ウェスタンミュージックとは?
ウェスタンミュージックは、カントリーミュージックやヒルビリーミュージックをもとに、西アメリカや西カナダで働く・暮らす人たちによって作られた音楽のことです。
放牧地やロッキー山脈のカウボーイ、北西アメリカの大草原を褒め称える音楽を指します。
(ヒルビリーミュージックについてはこちらの記事で解説しています)
ウェスタンミュージックはどんな音楽に影響を受けた?
昔のイギリス、アイルランド、スコットランド、フォークバラッドから直接影響を受けています。
アパラチアンミュージックとは同様のルーツを持っており、こちらはアパラチア地域やアパラチアン山脈で広まりました。
(アパラチアンミュージックについてはこちらの記事で詳しくまとめています)
ウェスタンミュージックは、のちに北メキシコのフォークミュージックや、南西アメリカの音楽、特にコリード(Corrido)やランチェラ(ranchera)、ニューメキシコ(New Mexico)やテハノ(Tejano)に影響を与えます。
コリード
ランチェラ
ニューメキシコ
テハノ
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「カントリーミュージック」と「ウェスタンミュージック」は何が違う?
カントリーミュージックは歌詞やボーカルを重視し、アパラチアンミュージックで使われるようなアコースティック楽器を使用する傾向にあります。
一方、ウェスタンミュージックは前述のようなランチェラやコリードなどの要素を取り入れる傾向にあります。
しかし、20世紀中頃にこの2つのジャンルは「カントリー・アンド・ウェスタンミュージック」というジャンルにまとめられました。
そしてのちに「カントリーミュージック」という名前になります。
そのため、現代では「カントリーミュージック」「ウェスタンミュージック」は同じ音楽として捉えられることがあります。
ウェスタンミュージックのリズム
Otto Grayという初期のカウボーイのバンドリーダーは、馬の足取りをもとに、「ウェスタンミュージックには3つのリズムしかない」と定義していきます。
この3つのリズムは「walk」「trot」「lope」の3種類を指しています。
馬の歩き方とウェスタンミュージック
馬の歩き方には「常歩(なみあし)」「速歩(はやあし)」「駆歩(かけあし)」「襲歩(しゅうほ)」の4種類があります。
常歩が一番遅く、襲歩が一番速い歩き方です。
Grayは、これらの歩き方のうち「常歩」「速歩」「襲歩」の3つをウェスタンミュージックのリズムとして定義しました。
walk(常足)
walkは足が順番に地面につくので、4つ打ち(4分音符)のようなリズムになります。
trot(速歩)
trotはwalkに比べて速いので、8分音符で刻んでいるようなリズムになります。
lope(駆歩の一種)
lopeは「駆歩」の一種で、駆歩の中でもゆったりとした歩き方です。
「タタタン・タタタン」と鳴っているように聞こえます。
(ちなみにlopeの方が、通常の駆歩よりも長距離に向いた歩き方です)
2:15~
こちらの動画は通常の駆歩で、速い16分音符が「タタタタン・タタタタン」と鳴っているような歩き方になります。
以上でPart1の解説は終了です。
Part2はこちら↓
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