【ラテン音楽】ロックステディ(Rocksteady)とは?
どういう特徴や歴史があるの?
今回はこのような疑問にお答えする内容です。
1.概要編(カリビアンミュージックの定義、歴史、主な音楽スタイル)
2.メント(Mento)
3.カリプソ(Calypso)
4.スカ(Ska)
5.ロックステディ(Rocksteady)
6.レゲエ(Reggae)の概要・歴史
7.レゲエ(Reggae)の音楽的特徴
こちらのシリーズを読むと作曲の引き出しが増えますので、ぜひ最後までご覧ください!
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ロックステディ(Rocksteady)とは?
ロックステディは、1966年ごろにジャマイカで生まれた音楽です。
スカの後継であり、レゲエの前身であるロックステディは、ジャマイカで2年ほど音楽業界を独占していました。
ロックステディという名前は、当時人気であったAlton Ellisの楽曲「Rocksteady」から来ています。
ロックステディの音楽的特徴
ロックステディを製作しているジャマイカのミュージシャンやプロデューサーはジャズに精通しており、他のジャンル(特にR&B)に影響を受けているだけでなく、キューバや他のカリビアンミュージックやアフリカンドラムからも影響を受けています。
同じくカリビアンミュージックの一つである「スカ」とは本質的には同じですが、それでもやや違いがあります。
ロックステディのリズム・アクセントの置き方
画像:ロックステディとスカのリズム(wikipediaより)
ロックステディの中でわかりやすい要素は、その風変わりなリズムにあります。
たとえば、ギターやピアノで、スタッカートでオフビートにコードが演奏される」などがあります。
ギターやピアノのプレイヤーは、この基本のオフビートのパターンに所々アクセントを入れていきます。
ロックステディの後に出てくるレゲエの初期段階に比べて、「ワンドロップ(One Drop)」のドラムビート、各小節の3拍目に重いアクセントを置いているところも特徴です。
このビートの置き方は、R&Bやロックンロールなど、各小節の2拍目・4拍目にアクセントを置く音楽との違いをさらに顕著にしています。
ロックステディにおけるテンポ・ベース・ギター
ロックステディは、スカに比べてテンポは遅めです。
テンポがゆっくりなため、ベーシストはより「くだけた」リズムや、シンコペーションを使ったリズム、ギターやキーボードの繰り返しパターンに対する廃位法的なプレイができるようになります。
これらの特徴は、のちにスカに多く見られるウォーキングベースのパターンに取って代わっていきます。
ロックステディにおけるテンポと編成による効果
また、ロックステディはよりゆっくりで編成も小さいため、一般的にベーシストに焦点が当たりやすく、このような特徴はゆくゆくジャマイカ音楽で最も特徴的な要素の一つとなります。
ギターに関して言うと、リードギターはミュートのピッキングギターでベースラインを「倍増させる」という奏法がよく使われます。
さらに、これらの特徴によりホーンパートの変化がよく使われます。
スカにおけるホーンセクションは、ギターやピアノと一緒にオフビートで演奏されることが多いのに対し、ロックステディではリズムパターンを繰り返し演奏するか、シンプルにリードラインが出てくるまで演奏しないというスタイルが多いです。
ロックステディにおける歌詞
アメリカにおけるソウルミュージックから強く影響を受けていることもあり、多くのロックステディの楽曲はラブソングです。
また歴史的に困難なシチュエーションを乗り越えてきたことから、「泣く(Cry)」という言葉がテーマになっている楽曲もあります。
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おまけ:スカ・レゲエ・ロックステディの違いは?
ちなみにこちらの動画では、レゲエで有名なボブ・マーリーが「スカ」「レゲエ」「ロックステディ」の違いをとてもわかりやすく表現しています。
0:50~
ロックステディ:チャー・ン・チャー・ン
レゲエ:チャッタ・タッタ・チャッタ・タッタ
次はカリビアンミュージックシリーズ最後、ボブマーリーで有名な「レゲエ」についての解説です↓
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