【音楽ジャンル】メキシコの音楽とは?【概要編】
どういう特徴があるの?
今回はこのような疑問にお答えする内容です。
今回はPart1として、メキシコの伝統音楽の特徴、音楽の種類、メキシコの音楽史、有名なクラシック音楽をまとめてご紹介していきます!
2.各メキシコ音楽の具体的な特徴(ソン、マリアッチ、バンダ、コリード、ドゥランゲンセ、グルペラ、クンビア)
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メキシコはどんな国?
メキシコは、アメリカのすぐ下にある国です。
かつてはスペイン領だったため、スペイン語が公用語で、スペインの音楽の影響も受けています。
メキシコの音楽には、幅広いジャンル・パフォーマンススタイルの音楽があります。
様々な文化から影響を受けていますが、特にネイティブ・メキシカン(先住民族)やヨーロッパから大きな影響を受けています。
メキシコの伝統音楽のタイプ分け
メキシコの伝統音楽は、主に「音楽形式やスタイル」で分けられたジャンルと「アンサンブル形態(楽器編成)」で分けられたジャンルの、2つのタイプに分けられます。
ここでは一覧をご紹介しますが、特に有名なジャンルについては次回Part2で解説します。
(以下、ジャンル名をクリックすると参考曲のYouTubeリンクに飛びます)
1.音楽形式やスタイルで分けられたジャンル
・corrido(コリード、次回Part2で詳しくご紹介)
・canción Ranchera
・Yucatecan trova
・Son Huasteco(”ソン”の一種、ソンについては次回Part2で詳しくご紹介)
・Yucatecan jarana
・Son Jarocho
・Mexican Danzón
・Mexican Bolero
・Son istmeño
・Son Jaliscience
・Chilena
・Son calentano
・Son Planeco
・Canto cardenche
2.アンサンブルの形態で分けられたジャンル
banda(バンダ、次回Part2で詳しくご紹介)
Yucatecan trio
conjunto calentano
conjunto huasteco
conjunto jarocho
conjunto norteño
Yucatecan jarana ensemble
mariachi(マリアッチ、次回Part2で詳しくご紹介)
Marimba
このMarimbaはいわゆるみなさんご存知の「マリンバ」で、16世紀・17世紀にアフリカからやってきたアフリカ人奴隷たちがラテンアメリカへ来たのちに、メキシコで現在の姿で発展していきます。
昔は一つのマリンバを複数人で叩くスタイルが一般的でしたが、のちにソロで演奏するスタイルが主流になっていきました。
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メキシコ音楽の特徴
メキシコの伝統音楽では、楽器のセクションの交代があり、コプラ(Copla)と呼ばれる短い詩のボーカルパートがあるのが特徴です。
キーは基本的にメジャーキーで、I、IV、II7、V、V5など限られたコード進行を使って作られることが多いです。
拍子は3拍子ベース(6/8や3/4など)が多いですが、2拍子の楽曲も数多くあります。
スペイン系ギター音楽の特徴
メキシコはスペイン音楽の影響を強く受けていますが、スペインらしい・メキシコらしいコード進行はいくつかあります。
王道コード進行は「Am G F E7」「Em B7」です。
ここにテンションなどを入れる場合もあります。
スペインの音楽歴史
ここからは、スペインの音楽の歴史を解説します。
メキシコ音楽のはじまり
メキシコ音楽は愛国心を表現するため、19世紀に始まりました。
先住民たちは、ドラム(Teponaztliなど)、フルート、ラトル(Rattle)、コンチェ(ホラ貝、Conche)などをトランペットや自身の「声」として使い、音楽やダンスを作っていました。
このような昔の音楽は今でもメキシコ音楽の一部として使われています。
しかし、メキシコの伝統的な現代音楽の多くはスペイン植民地時代とその後に、旧世界(東半球、主にヨーロッパ大陸)から影響を受けた楽器を使って書かれています。
(1492年にコロンブスがアメリカ大陸に到達→16世紀にスペイン人の侵略に遭い、植民地時代が始まる→1821年に独立)
マリアッチ音楽で使われていたメキシカン・ビウエラ(vihuela、vihuelaはもともとイタリアの一部と中南米で使われていた弦楽器)などの伝統的な楽器の多くが旧世界の前任者に採用され、現在は非常に「メキシカンである(メキシコらしい)」と考えられています。
スペイン植民地時代やその前からすでに伝統音楽やローカル音楽はありましたが、国民的音楽は19世紀に発展が始まり、多くは国防や外国の侵略者に対する愛国的なテーマがありました。
メキシコの国歌が作られる
保守的であった将軍・大統領のAntonio López de Santa Annaは、近隣国であるキューバからカタロニア音楽マスターであるJaime Nunóを連れ、全国規模の軍楽隊のネットワークを作りました。
そして、彼は1854年にメキシコの国歌を作曲します。
フランス干渉戦争の間、多くのミュージシャンたちが彼の側近に同行し、1866年には国立音楽院を設立します。
多岐にわたるメキシコの音楽
自由党のBenito Juárez大統領は軍楽隊の創設が必要だと考え、19世紀後半には村のブラスバンドの数は急増し、町の広場で多くのコンサートが開かれました。
Porfiriato Diazがメキシコを支配している間は、メキシコでの音楽スタイルは多岐にわたり、国民的な音楽は海外のエリートやヨーロッパの地元音楽(ポルカ、マズルカ、ワルツ)などからきている音楽などがありました。
この頃、ミュージシャンたちは楽譜も手にすることができたため、音楽に関するリテラシーも身についていました。
先住民地域の中には、こういった新しい音楽やバンドが統一のレベルを引き上げるのに役立っていた場所もありました。
他の地域から来ている様々な音楽スタイルは、19世紀の間にメキシコのポピュラー音楽にも取り入れられ、たとえばキューバやハイチから来たアフロ・カリビアンのリズムなどが挙げられます。
そして前述のメキシコの国立音楽は、20世紀の変わり目にフランスの影響力に取って代わったイタリアの巨匠に強く影響を受けていきます。
若くして活躍したメキシコの作曲家たち
1910年から1917年にかけて起きたメキシコ革命の後は、 Carlos ChávezやSilvestre Revueltas、Luis Sandiなど、芸術としてのメキシコ音楽を発展させた若い作曲家たちが現れます。
メキシコの作曲家:Carlos Chávez
Chávezは多作な作曲家で、革命的なコリードを利用してメキシコのオーケストラ音楽を作っていました。
コリード:メキシコもしくはメキシコ系アメリカ人によるバラードやフォークソング
また、彼はアステカをテーマにしたバレエ音楽も作曲しています。
アステカ・アズテク族:メキシコ原住民族で、16世紀初めに滅亡している
https://www.youtube.com/watch?v=tUicbw8zThE
のちに彼は、教育省に所属し、国立音楽院の所長となります。
メキシコの作曲家:Silvestre RevueltasとLuis Sandi
Revueltasは新しいメキシコの映画音楽を作り、Sandiは合唱作品や市民活動のための音楽を作曲し、ヤキ族やマヤ地方の先住民の音楽を自身の作品の中に取り入れていきました。
前述のChávezは芸術としてのメキシコ音楽と伝統的なスタイルを分けた人物とされており、彼はアートとしての音楽を重視していました。
しかし、フォーク音楽や伝統的な音楽はその後も人気を維持し続け、1952年にはBallet Folklórico de Méxicoが設立され、Bellas Artesでは定期的にパフォーマンスが行われています。
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有名なメキシコのクラシック系音楽
ちなみに、クラシック音楽でもメキシコの音楽は世界的にも知られており、以下のような有名な作品があります。
以上でPart1の解説は終了です。
Part2「各メキシコ音楽のジャンルの特徴編」はこちら↓
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