【DTM】ゲインステージ・ゲインステージングとは?

【DTM】ゲインステージ・ゲインステージングとは?
ゲインステージ・ゲインステージングって、何?
ミックスで使うらしいけど…

今回はこのようなお悩みにお答えする内容です。

Transverse Audioによる「ゲインステージングとは何か、その使い方は?」をまとめました。

特にDTMを始めたばかりの方は、この言葉すら聞いたことがないかもしれません。

この機会にマスターして、よりよい音楽制作ができるようになりましょう!

What Is Gain Staging And How To Do It (Mixing Tutorial)

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はじめに:ゲインステージは難しいものではありません

はじめにざっくりゲインステージについてお話しておくと、これは単純に音量レベルの設定のことで、これ自体についてはこれといって難しいことではありません。

これはミキサーにおいて音量レベルを調節しやすくするために行うものです。

それではここから、具体的に解説していきます。

ゲインステージ(ゲインステージング)とは?

ゲインステージ・ゲインステージングって何?

かんたんに言うと「クリッピングされていないかどうか確かめるために行うこと」です。

つまり、デシベルレベルが0dBもしくはそれを超えていないかどうかを確かめるものです。

プラグインでも確認できる


画像:動画より

たとえば人気シンセ「Sylenth1」にも、クリッピングされていないか確かめるメーターがあります。

上の画像だと、右下のメーター2本のうち、左側のメーターが赤くなっています。

これは0dBを超えているという証拠になります。

ただ常に0dBを超えているというわけではなく、一瞬だけだけ0dBを超えたりすることもあります。

このような場合は、音が歪んでしまうレベルで音量が超えているわけではありません。

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フェーダーで音量調整するときのコツ

ゲインステージ・ゲインステージングって何?

画像:動画より

トラックのフェーダーを0dBより上にしていてもいいのですが、実際に出ている音量レベルは0dBを超えないようにしましょう。

上の画像だと、下にある緑色のフェーダーは0dBを超えてもOKです。

ただし上の黄緑〜黄色のメーターは実際の信号レベルですので、0dBを超えてはいけません。

全体で聞くと音割れしやすい

ゲインステージ・ゲインステージングって何?

Bus(グループトラック)を含め、たくさんのトラックやソースをまとめて扱うときは、全体に音量レベルが上がりがちです。

そしてこれにより、単体で聞いたときには気づかないような音の歪みが生じてしまうのです。

特に、すべての音がマスタートラックに集約されたときにこれが起こりやすいです。

音割れで曲が台無しになる

歪み・音割れがあると、いいミックス・いい曲が台無しになってしまいます。

しかし、後から「なぜミックスがよく聞こえないのか」ということを把握するのは難しいのです。

特に何十・何百トラックも使うような曲だと、ミックスがよく聞こえない原因を探すのが非常に困難になります。

直しても意味がないことも

このようなときは、何かしらの調整を加えたりエフェクトを加えたりすると思います。

しかしこれでは、ゲインステージ後に全く同じようには聞こえません。

これは、ミキサーに到達する前にクリッピングした信号が、エフェクトプラグインを通ってしまうからです。

つまり、ダメな音のままエフェクトをかけてしまうことになります。

そして、結果的に歪み・音割れが生じてしまいます。

もしこれがライブレコーディングなら、レコーディングしてしまったらもうやり直しがききません。

打ち込みなど、DTMなどでデジタルのデータを扱っている環境なら修正できますが、一発録り・再レコーディングできない場合は注意が必要です。

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どれぐらいの音量にしておけばいいの?

ゲインステージ・ゲインステージングって何?

各トラック、0dBより下であれば大丈夫ですが、一般的に-10dBから-18dB程度にしている人が多いです。

これはよりヘッドルーム(音割れするまでの余白)があった方が、マスターに音が集まったときにも安心だという理由があります。

マスターは何dBぐらいにしておけばいいの?

マスター(Stereo Out)は、-3dBより下にしておくとよいでしょう。

できるのであれば、-6dBぐらいが望ましいです。

なぜ余白(ヘッドルーム)を残す必要があるの?

これは、マスタリングのためです。

オンラインマスタリングツールの「LANDR」にも記載されていますが、マスタリングのためにある程度マスタートラックの余白を残しておくと、マスタリングエンジニアがマスタリングしやすくなります。

シンセで音作りをしたときの例

人気シンセSylenth1で音づくりをしたときの例をご紹介します。

Sylenth1の画面を見ると、右側にミキサーがあります。

このようにプラグインにミキサーやボリュームメーターがある時は、ここで0dB以下にしておけば、Sylenth1の音がマスタートラックに送られた時も0dBを超えることはありません。

先ほどのヘッドルームの話も考慮し、-10db~-18dBぐらいにしておくとよいでしょう。

Pre GainとClip Gainを見よう

先ほども少しお話しましたが、各トラックのフェーダーは、プラグインの信号がエフェクト類を通った後の音に対して音量調整を加えます。

そのため、Pre Gain(プリゲイン)Clip Gain(クリップゲイン)に注意する必要がでてきます。

(DAWによっては「チャンネルボリューム」などの名称になっています)

これらのパラメータは、音がエフェクト類を通る前の音量を調整するものです。

トラックのフェーダーを調整するのではなく、Pre GainやClip Gainで0dBを超えていないか確認すれば、エフェクト類を通しても安心です。

Pre Gainはどれぐらいに設定しておけばいいの?

Pre GainやClip Gainは、こちらも同様-10dB~-18dBぐらいにしておくとよいです。

これより低いと、あまりいいサウンドにならない可能性があります。

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トラックのフェーダーを使うときの注意点

ゲインステージ・ゲインステージングって何?

もしトラックのフェーダーを大きく下げるようなときは、ゲインプラグインを挿して調整した方がよいでしょう。

ゲインプラグインとは、ただ音量を上げ下げするために使うプラグインです。

たとえばトラックのフェーダーで-20dBぐらい下げるなら、ゲインプラグインで音量を-20dBにし、トラックのフェーダーは0dBのままにした方が、のちのち扱いやすいです。

ミキサーのフェーダーは0dBにしていた方が吉

ミキサーやトラックのフェーダーは、0dBかそれに近い状態にしておいた方が、のちのちミキシングがやりやすくなります。

これは、レベルがどれだけ調節できるか(フェーダーがどれだけ動かせるか)が関係してくるからです。

たとえば作曲・編曲の時点で-20dBにしていたときよりも、0dBにしておいたときの方が、ミキシングのときに音量を下げられる幅は広がります。

音が聞きづらいときにマスターの音量をいじらないで!

ゲインステージ・ゲインステージングって何?

これらを踏まえると、クリッピングしていないかどうかを確かめるベストな方法は、音量を低い状態にしておくということになります。

しかし、だからといって聞きづらくなるほど音量を低くし、音が聞こえないからと言ってマスター(Stereo Out)の音量を上げることは避けてください!

DAWの音が聞きづらいときには、ヘッドフォンやスピーカー、オーディオインターフェースの音量をあげてください。

関連記事:Tranverse Audioのミキシング・マスタリングチュートリアル

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