【音楽ジャンル】ファンク(Funk)とは?どんな音楽?【James Brown編】

【音楽ジャンル】ファンク(Funk)とは?どんな音楽?【James Brown編】
ファンクって名前は聞いたことあるけど、「どんな音楽か」と聞かれると、ちゃんと答えられないな…
ファンクにはどんな歴史があるの?

このような疑問にお答えする内容です。

今回はPart8として、ファンクにおける重要人物「James Brown」の活躍について解説していきます。

ファンクは音楽的にも歴史的にもとてもおもしろいため、このシリーズは長編になっていますが、読み進めれば必ずどこかで面白さがわかってきます!

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初めてファンクのリズムを取り入れたロックバンド

James Brownは、ニューオリンズ発祥のLittle Richardの1950年代のR&B路線のバンドに対し、「初めてファンクのリズムを取り入れたロックバンド」という評価をしています。

Little Richard – Whole Lotta Shakin' Going On – It's Little Richard 1963

しかし彼はのちに1957年にエヴァンジェリスト(巡回説教者、福音を説く人)になるために一般音楽から撤退し、Little Richardのバンドメンバーの中にはBrownとthe Famosu Flamesに加わる人もおり、1958年にはヒット曲をリリースします。

James Brown & The Famous Flames Try Me 1958 Federal 12337

James Brownならではのグルーヴ

1960年代中盤までには、James Brownはダウンビートを強調したグルーヴを開発します。

これは、アフリカ系アメリカ音楽のようにバックビートを強調するのではなく、各小節の最初のビートを強調するもので、彼のサウンドを特徴付けるものでした。

Brownはよく「On the one!」の号令でバンドに合図を送り、パーカッションの強調する箇所を変えていました。

これは、ソウルの伝統的なバックビートの乗せ方である「2拍目・4拍目のバックビート」から、1拍目だけのバックビートに変える手法です。

しかしこれには、積極的・反復的なスイングの雰囲気を出している、イーブンノートシンコペーションを使ったギターのリズムが使われています。

イーブンノートシンコペーション:4/4拍子の楽曲なら、偶数拍の2・4拍目にアクセントを入れたシンコペーション

この1-3ビートはBrownの楽曲の大きな特徴で、1964年のヒット曲「Out of Sight」や、1965年のヒット曲「Papa’s Got a Brand New Bag」や「I Got You (I Feel Good)」のころから使われ始めました。

Out Of Sight – James Brown (1964)
James Brown ~ Papa's Got A Brand New Bag (1965)
I Got You (I Feel Good)

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James Brownの音楽スタイルの特徴

Brownのファンクスタイルは、内部で絡み合う、対位法的な要素が特徴的です。

たとえばシンコペーションをしているベースラインやギターリフ、16ビートのドラムなどです。

「Ain’t it Funky」で見られるメインギターのオスティナートは、ニューオリンズファンクを改良し洗練した良い例でしょう。

ダンサブルなリフ、リズムの本質だけを扱っていることがわかります。

オスティナート:同じフレーズを繰り返す手法

James Brown – Ain't it funky now (parts 1 and 2)

このような彼のイノベーションは、やがて彼と彼自身のバンドを、ファンクにおいて将来性の高いものへと導いていきます。

彼らは「Cold Sweat」「Mother Popcorn」「Get Up (I Feel Like Being A) Sex Machine)」などの楽曲で、ファンクの音楽スタイルをさらに前面へと押し出していきます。

James Brown – "Cold Sweat" (part 1 & 2)
Mother Popcorn – James Brown
Get Up I Feel Like Being A Sex Machine

ちなみにこの頃は、すでに彼の初期の音楽で使っていた「12小節ブルース」の構成は使っていませんでした。

代わりに、Brownの音楽では多様な伴奏をベースに「キャッチーで、アンセム(聖歌)を思わせるようなボーカル」を使っていきます。

このボーカルは「西アフリカ音楽のポリリズムと同じような、リズムセクションのパターンを用いた、頻繁に使われるぶつぶつ言うようなパーカッシブな楽器」として使われています。

この「西アフリカ音楽のポリリズム」というのは、アフリカ系アメリカ人のワークソング(Work Song)やチャント(Chants)などを指しています。


以上で今回の解説は終了です。

↓つづき「ファンクの歴史(1960年代後半〜1970年代前半)」

【音楽ジャンル】ファンク(Funk)とは?どんな音楽?【1960年代後半〜1970年代前半編】