【音楽ジャンル】ファンク(Funk)とは?どんな音楽?【ギター&鍵盤楽器編】
ファンクにはどんな歴史があるの?
このような疑問にお答えする内容です。
今回はPart5として、ファンクにおけるギターとキーボードの特徴ついて解説していきます。
Part6: ファンクにおけるボーカル・歌詞・ホーンセクションの特徴
Part8: ファンクの歴史(1960年代、James Brownの活躍)
Part9: ファンクの歴史(1960年代後半〜1970年代前半)
Part10: ファンクの歴史(1970年代、ジャズファンク)
ファンクは音楽的にも歴史的にもとてもおもしろいため、このシリーズは長編になっていますが、読み進めれば必ずどこかで面白さがわかってきます!
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ファンクにおけるギターの特徴とは?
ファンクにおいて、ギタリストは短い音価(音の長さ)でコードを弾くのが一般的です。
これは「スタブ(Stabs)」と呼ばれ、より早いリズムやリフで用いられることが多いです。
ギタリストはリズミカルなパートを、16分音符やパーカッシブなサウンドを出すゴーストノートを使って演奏します。
コードは9thコードなど、いわゆる「味付け」されたコードを多用します。
ファンクでは2つのギターが絡み合う
基本的に、ファンクでは「2つの連動したギター」が用いられ、これは「リズムギター」と「テナーギター」の2つで構成されています。
テナーギターは、シングルノートで弾くパートです。
参考↓
この2つのパートはいわゆる「コールアンドレスポンス」のスタイルになっており、2つがうまく絡み合っているのです。
もしバンドにギタリストが一人しかいない場合は、スタジオでオーバーダビングするか(多重録音)、ライブで1人2役で演奏するなどし、可能な限り2人プレイに近づくような演奏スタイルに持ち込みます。
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ファンクにおけるパーカッシブなギター
ファンクにおいて、ギターはパーカッシブなスタイルで演奏されることが多いです。
例えば、「チャンク」や「チキンスクラッチ」と呼ばれるピッキングスタイルを使います。
これは弦を軽く弾きつつ、その反対の手ではブリッジ付近に手を置き、弦をミュートする奏法です。
このテクニックが最初に使われたのは、1957年のJohnny OtisのR&Bの楽曲「Willie and the Hand Jive」。
のちにFunkでも有名になるJames Brownのバンドでギターを担当しているJimmy Nolenが使っていました。
この奏法が誕生してから、リズムギターのサウンドは、エレキベースのローエンドのドシンとした音と、スネアやハイハットなどのカッティングトーンの間にいるようなサウンドになっていきました。
James Brownのバンドで長年ギタリストとして活躍していたJimmy Nolenがこの奏法を生み出したわけですが、1969年の「Give It Up or Turnit a Loose」では、「細め」のギターサウンドを使います。
ここではピッチではなくアタックに重点が置かれ、アフリカンドラムやイディオフォン(体鳴楽器)のような使われ方をしています。
ファンクにおけるキーボード(鍵盤楽器)の特徴とは?
ファンクにおいて、鍵盤楽器では様々な種類が使われます。
たとえばEarth Wind & Fireによる有名な楽曲「September」や、Billy Prestonによる「Will It Go ‘Round in Circles」ではアコースティックピアノが使われています。
エレクトリックピアノだと、Herbie Hancockの「Chameleon」ではFender Rhodesが、Joe Zawinulによる「Mercy, Mercy, Mercy」ではWurlitzerが使われています。
Fender Rhodes
Wurlitzer
クラビネット(Clavinet)はパーカッシブなサウンドを得るために使われていることが多く、Stevie Wonderの「Use Me」などに見られます。
ハモンドB-3(Hammond B-3 organ)は、The Metersの「Cissy Strut」やAretha Franklinの「Love the One You’re With」で使われています。
ちなみにStevie Wonderのクラビネットが有名な楽曲「Superstition」では「Hohner Clavinet model C」を使っています↓
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ファンクにおけるシンセ
キーボード奏者であるBernie Worrellが参加した楽曲を見てみると、ファンクにおいて非常に多くのタイプのキーボードが使われていることがわかります。
ハモンドオルガン、RMIエレクトリックピアノ、アコースティックピアノ、クラビネット、Minimoog(シンセ)、ARPストリングアンサンブルシンセなどが使われています。
ちなみにファンクにおけるシンセは、エレクトリックベースの深みのある低音を足すために使われることもあれば、エレキベースの代わりに使われることもあります。
ファンクのシンセベースの多くはMinimoogが使われます。
エレキベースではできない「新しいエレクトリックサウンド」を作ることができ、音をレイヤーすることができるからです。
以上で今回の解説は終了です。
↓つづき「ファンクにおけるボーカル・歌詞・ホーンセクションの特徴」
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