【音楽ジャンル】ファンク(Funk)とは?どんな音楽?【ギター&鍵盤楽器編】

【音楽ジャンル】ファンク(Funk)とは?どんな音楽?【ギター&鍵盤楽器編】
ファンクって名前は聞いたことあるけど、「どんな音楽か」と聞かれると、ちゃんと答えられないな…
ファンクにはどんな歴史があるの?

このような疑問にお答えする内容です。

今回はPart5として、ファンクにおけるギターとキーボードの特徴ついて解説していきます。

ファンクは音楽的にも歴史的にもとてもおもしろいため、このシリーズは長編になっていますが、読み進めれば必ずどこかで面白さがわかってきます!

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ファンクにおけるギターの特徴とは?

ファンクにおいて、ギタリストは短い音価(音の長さ)でコードを弾くのが一般的です。

これは「スタブ(Stabs)」と呼ばれ、より早いリズムやリフで用いられることが多いです。

ギタリストはリズミカルなパートを、16分音符やパーカッシブなサウンドを出すゴーストノートを使って演奏します。

コードは9thコードなど、いわゆる「味付け」されたコードを多用します。

ファンクでは2つのギターが絡み合う

基本的に、ファンクでは「2つの連動したギター」が用いられ、これは「リズムギター」と「テナーギター」の2つで構成されています。

テナーギターは、シングルノートで弾くパートです。

参考↓

Play That Funky Music White Boy [TABS in video guitar cover]

この2つのパートはいわゆる「コールアンドレスポンス」のスタイルになっており、2つがうまく絡み合っているのです。

もしバンドにギタリストが一人しかいない場合は、スタジオでオーバーダビングするか(多重録音)、ライブで1人2役で演奏するなどし、可能な限り2人プレイに近づくような演奏スタイルに持ち込みます。

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ファンクにおけるパーカッシブなギター

ファンクにおいて、ギターはパーカッシブなスタイルで演奏されることが多いです。

例えば、「チャンク」や「チキンスクラッチ」と呼ばれるピッキングスタイルを使います。

これは弦を軽く弾きつつ、その反対の手ではブリッジ付近に手を置き、弦をミュートする奏法です。

MAXimum Chicken Scratch!!! (Funky Jam #722)-Max Washington
Funk Guitar with DJ Phillips Jimmy Nolen Lick
Funkie Blues – Chicken Scratch Raw
Funk Guitar Lesson: James Brown Style Strumming

このテクニックが最初に使われたのは、1957年のJohnny OtisのR&Bの楽曲「Willie and the Hand Jive」。

のちにFunkでも有名になるJames Brownのバンドでギターを担当しているJimmy Nolenが使っていました。

Johnny Otis – Willie and the Hand Jive (1958)

この奏法が誕生してから、リズムギターのサウンドは、エレキベースのローエンドのドシンとした音と、スネアやハイハットなどのカッティングトーンの間にいるようなサウンドになっていきました。

James Brownのバンドで長年ギタリストとして活躍していたJimmy Nolenがこの奏法を生み出したわけですが、1969年の「Give It Up or Turnit a Loose」では、「細め」のギターサウンドを使います。

ここではピッチではなくアタックに重点が置かれ、アフリカンドラムやイディオフォン(体鳴楽器)のような使われ方をしています。

James Brown- Give It Up Or Turn It a Loose

ファンクにおけるキーボード(鍵盤楽器)の特徴とは?

ファンクにおいて、鍵盤楽器では様々な種類が使われます。

たとえばEarth Wind & Fireによる有名な楽曲「September」や、Billy Prestonによる「Will It Go ‘Round in Circles」ではアコースティックピアノが使われています。

Earth, Wind & Fire – September (Official HD Video)
Billy Preston – Will It Go Round in Circles

エレクトリックピアノだと、Herbie Hancockの「Chameleon」ではFender Rhodesが、Joe Zawinulによる「Mercy, Mercy, Mercy」ではWurlitzerが使われています。

Herbie Hancock – Chameleon (FULL VERSION)
Joe Zawinul — Mercy, Mercy, Mercy.

Fender Rhodes

Fender-Rhodes Mark 1 Stage Piano | Reverb Demo Video

Wurlitzer

Wurlitzer 214 A Electric Piano | Reverb Demo Video

クラビネット(Clavinet)はパーカッシブなサウンドを得るために使われていることが多く、Stevie Wonderの「Use Me」などに見られます。

Bill Withers, Stevie Wonder & John Legend – "Use Me" | 2015 Induction

ハモンドB-3(Hammond B-3 organ)は、The Metersの「Cissy Strut」やAretha Franklinの「Love the One You’re With」で使われています。

METERS Cissy Strut
Aretha Franklin – Love The One You're With – 3/6/1971 – Fillmore West (Official)

ちなみにStevie Wonderのクラビネットが有名な楽曲「Superstition」では「Hohner Clavinet model C」を使っています↓

Stevie Wonder Superstition
Hohner Clavinet C model circa 1971 demonstration vintage keyboard

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ファンクにおけるシンセ

キーボード奏者であるBernie Worrellが参加した楽曲を見てみると、ファンクにおいて非常に多くのタイプのキーボードが使われていることがわかります。

ハモンドオルガン、RMIエレクトリックピアノ、アコースティックピアノ、クラビネット、Minimoog(シンセ)、ARPストリングアンサンブルシンセなどが使われています。

ちなみにファンクにおけるシンセは、エレクトリックベースの深みのある低音を足すために使われることもあれば、エレキベースの代わりに使われることもあります。

ファンクのシンセベースの多くはMinimoogが使われます。

エレキベースではできない「新しいエレクトリックサウンド」を作ることができ、音をレイヤーすることができるからです。

Ep20: Synth Sounds of Minimoog: Parliament, Pink Floyd, Dr. Dre & More | Reverb

以上で今回の解説は終了です。

↓つづき「ファンクにおけるボーカル・歌詞・ホーンセクションの特徴」

【音楽ジャンル】ファンク(Funk)とは?どんな音楽?【ボーカル・歌詞・ホーンセクション編】