【音楽ジャンル】ファンク(Funk)とは?どんな音楽?【ベース編】

【音楽ジャンル】ファンク(Funk)とは?どんな音楽?【ベース編】
ファンクって名前は聞いたことあるけど、「どんな音楽か」と聞かれると、ちゃんと答えられないな…
ファンクにはどんな歴史があるの?

このような疑問にお答えする内容です。

今回はPart3として、ファンクにおけるベースの特徴ついて解説していきます。

ファンクは音楽的にも歴史的にもとてもおもしろいため、このシリーズは長編になっていますが、読み進めれば必ずどこかで面白さがわかってきます!

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ファンクにおけるベースの基本的な特徴

強めのギターリフとベースライン(エレキベース)を使うことによって、ファンクでは強烈なグルーヴ感を生み出しています。

ファンクの楽曲では、ベースは曲の中心として使われており、「フック(Hook)」も担当しているため「最もベースラインが目立つスタイル」とも呼ばれているほどです。

初期のファンクの特徴

ファンクとは?

初期のファンクのベースラインはシンコペーション(8分音符のシンコペーション)が使われていますが、ニューオリンズファンクよりも「より前に行くような感覚」があり、ルート音に対する長3度の音に加え、ブルーススケールの音が使われていました。

(ブルーススケールは「1 b3 4 b5 5 b7」ですので、これにメジャー3rdを足して「1 b3 3 4 b5 5 b7」となります。)

以降のファンクでは、16分音符のシンコペーション、ブルーススケール、繰り返しのパターン(オクターブの移動やより広いインターバルを利用したものが多い)がよく使われています。

ファンクのベースラインは、「繰り返しのパターン」「変わらないグルーヴ感」「休みなく続けて演奏」「スラップベース・ポッピングベース」が強調されています。

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ファンクにおけるスラップベース・ポッピングベース

スラップは親指で弦を強く叩く奏法で、親指を意味する”サム(Thumb)”と呼ばれています。

ポッピングは指に弦をひっかけ、そのまま引っ張ることで弦をフレットに叩きつける奏法で、「プラック(Plucked)」とも言います↓

Slap & Pop Bass – Bad vs Good Technique (Beginner/Intermediate)

スラップでは主に低い音を鳴らし、ポップでは高い音を鳴らすことが多いです。

この2つの奏法を組み合わせることで、ドラムのようなリズミカルな演奏ができるのです。

そしてこれが、ファンクの中でも最も特徴的な要素となります。

Funky Slap Bass Solo 🎸

「ファンクらしさ」を使わないアーティストもいる

スラップや「ファンキーなサウンド」がファンクにおいて重要である一方、Rocco Prestia(Tower of Powerのメンバー)などのファンクのベーシストの中には、このアプローチを使わない人もいました。

彼らは代わりに、James Jamersonの「Motownプレイングスタイル」をベースとした、フィンガースタイルメソッドを使っていたのです。

Rocco Prestia of Tower of Power: Oakland Stroke

奏法の例(1:56~)

The James Jamerson Motown Bass Sound | Reverb Bass Tricks

ファンクベースは、粗く、パーカッシブな感じのサウンドが特徴的です。

ミュート奏法を使うことでゴーストノート(デッドノート)を取り入れているのも、この要因の一つです。

ファンクのベースに使われるエフェクト

ファンクベーシストの中には、エフェクト類を使ってサウンドに変化を加えることもあります。

たとえば「エンベロープフィルター(Envelope Filter)」を使い、オートワウ(Auto Wah)でベタベタとした感じの音にしたり、ベースの音でキーボードシンセの音を模倣したりすることがあります(Mutron エンベロープフィルター)。

Mu-Tron Micro-Tron III Envelope Filter Demo
The Original Funk box Mu Tron III
Bootsy Collins & Envelope Filter – Sirvandez

また、オーバードライブファズ(Overdriven fuzz)のエフェクトを使い、「オールドスクールスタイルのファンクのサウンド」のようにしたりすることもあります。

Voodoo Child (FRETLESS FUZZ BASS)

他にも、フランジャーやコーラスなどが使われます。

ファンクベーシストとして有名なBoosty Collins(後述)は、Mutron Octave Dividerを使っていました。

これはジミ・ヘンドリクスによって名前が知られた「オクタヴィアペダル(Octavia Pedal)」のようなオクターブペダルで、1オクターブ上下の音を2倍にし、未来感があり、低音がより厚みを増す音にできるエフェクトです。

Mu-Tron Octave Divider Flashback Review | MikesGigTV

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有名なファンクのベーシスト

ファンキーベースで有名なベーシストには、こちらのアーティストが挙げられます。

(みなさんもよくご存知の楽曲にも参加していますので、ぜひ一度聞いてみてください)

Bernard Edwards(”Chick”のメンバー)

Chic – Good Times (Atlantic Records 1979)
Chic / Everybody Dance

Robert “Kool” Bell(Kool & The Gangの元メンバー)

Kool & The Gang – Celebration
FINAL LADIES NIGHT BASS LINE/ ROBERT"KOOL"BELL

Mark Adams (Slaveのメンバー)

Slave – Slide (1977)

Johnny Flippin(Fatbackのメンバー)

Fatback – Backstrokin' (Official Audio)
Fatback Band – I Found Lovin' (12" Version)

Boosty Collins

Bootsy Collins – I'd Rather Be With You
Bootsy Collins – Bootzilla (1978)

以上で今回の解説は終了です。

↓つづき「ファンクにおけるドラムの特徴」

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