音楽ジャンル解説

【音楽ジャンル】ファンク(Funk)とは?どんな音楽?【1980年代後半〜2000年代編】

今回は英語版wikipediaの「ファンクミュージック」をまとめました。

この記事ではPart12(最終回)として、1980年代後半〜2000年代のファンクについて解説していきます。

ファンクは音楽的にも歴史的にもとてもおもしろいため、このシリーズは長編になっていますが、読み進めれば必ずどこかで面白さがわかってきます!

他ジャンルに圧倒されるファンク

この頃になると、ヒップホップやコンテンポラリーR&B・ニュージャックスイングが台頭したことにより、ファンクはラジオ業界から追い出されてしまうこととなります。

Steve ArringtonやCameoなどのアーティストたちはなおラジオで流されることはあり、世界的にもファンを維持し続けていました。

ロックとの融合

また、ロックバンドがファンクの要素をコピーし始めたことにより、「ファンクロック」「ファンクメタル」などの新しい組み合わせが誕生しました。

特にRed Hot Chili Peppersなどを筆頭とする以下のアーティストたちは、ファンクの先駆者たちから得たスタイルを取り入れ、1980年代中盤〜後半にかけて人気を集めました。

Red Hot Chili Peppers

Red Hot Chili Peppers - Give It Away [Official Music Video]

Living Colour

Living Colour - Cult Of Personality (Official Video)

Jane's Addiction

Jane's Addiction - Mountain Song (Official Video)

Prince

Prince and the Revolution - Raspberry Beret (Official Music Video)

Primus

Primus - Jerry Was A Race Car Driver (Official Music Video)

Urban Dance Squad

Urban Dance Squad - Fast Lane (Pinkpop 4 juni 1990)

Fishbone

Fishbone - Sunless Saturday

Faith No More

Faith No More - Epic (Official Music Video)

Rage Against the Machine

Rage Against The Machine - Killing In the Name (Official HD Video)

Infectious Grooves

Infectious Grooves - Punk It Up

Incubus

Incubus - Drive

これらのバンドは、1990年代中盤のアンダーグラウンドにおけるファンクコアのムーヴメントや、下記のような当時のファンクにインスパイアされたアーティストたちに影響を与えました。

OutKast

Outkast - Hey Ya! (Official HD Video)

Malina Moye

Malina Moye - K-yotic ft. Bootsy Collins

Van Hunt

Van Hunt - Dust

Gnarls Barkley

Gnarls Barkley - Crazy (Official Video) [4K Remaster]

Jamiroquaiの成功

1990年代になると、Me'shell NdegeocelloやBrooklyn Funk Essentialsなどのアーテイストや、Jamiroquai、Incognito、Galliano、Omar、Los Tetas、the Brand New Heavies などのアシッドジャズのムーブメントを起こしたアーティスたちが、ファンクの要素を強く用いたスタイルを最小していきます。

Meshell Ndegeocello - Waterfalls (Official Video)
Brooklyn Funk Essentials - The Creator Has a Master Plan
Incognito - Don't You Worry 'Bout A Thing
galliano - prince of peace
Omar - There's Nothing Like This
Los Tetas - Papi donde esta el Funk
THE BRAND NEW HEAVIES - Never Stop

特にJamiroquaiはアルバム「Travelling Without Moving」で1,150万枚を売り上げ、世界的に成功を収めます。

Jamiroquai - Virtual Insanity (Official Video)

しかし、他のアーティストたちは全盛期ほど商業的な成功には至りませんでした。

一方、オーストラリアやニュージーランドでは、SupergrooveやSkunkhour、the Truthなどのバンドがパブを回って演奏し、インストゥルメンタルなファンクのスタイルを続けていきます。

G-FunkとDr.Dre

1980年代終わり頃になると、ヒップホップのアーティストたちが、昔のファンクの曲をサンプリングして曲を作るようになります。

このサンプリングのうち、P-Funk(Part9で解説)は2番目に最もサンプルされる音楽スタイルでした。

また、昔のParliamentやFunkadelicの楽曲は、西海岸のG-Funkの基礎を形成することとなります。

Parliament - Give Up The Funk (Tear The Roof Off The Sucker)
Funkadelic - Maggot Brain (full album)

G-Funkは「Gangsta Funk(ギャングスタ・ファンク)」の略で、西海岸の「ギャングスタ・ラップ」をもとに、1990年代初期に作られたヒップホップのサブジャンルです。
ギャングスタ(Gangsta):社会の底辺層の人々で、麻薬売人など違法な商売を生業としている人のこと

Angel Dust
Donny Hathaway - 'The Ghetto'

ヒップホップにおいて、ファンクスタイルのベースやリズムギターのリフを目立たせるスタイルは、実は珍しくありません。

G-Funkの元祖としても有名なDr.Dreは、George Clinton(Part9で解説)のサイケデリックファンクに強く影響を受けています。

Dr. Dre - Still D.R.E. ft. Snoop Dogg

Digital Underground

アメリカのオルタナティブヒップホップグループ「Digital Underground」は、1990年のファンクの再興に大きく貢献しています。

彼らは自身のリスナーたちに、ファンクやファンクアーティストたちの歴史を伝えていたのです。

Digital Underground - Same Song (feat. 2Pac) [Official Music Video]

Geroge Clintonは、彼らをClintonのセカンドフルアルバムのタイトルにちなんで「Sons of the P」と名付けました。

Digital Undergroundは、ファンクのサンプルをふんだんに使ったデビューアルバム「Sex Packets」をリリース。

特にParliamentの楽曲「Let’s Play House」をサンプリングして作った「The Humpty Dance」は非常に有名になりました。

Let's Play House
Digital Underground - The Humpty Dance (Official Music Video)

特にファンク要素の強かったアルバムは「Future Rhythm」ですが、こちらはクラブダンスミュージックの要素もより多く取り入れており、ヘビーなファンクドラムのブレイクをサンプリングしています。

Digital Underground - Future Rhythm
Walk Real Kool

ジャムバンド(Jam Band)とファンク

ファンクは1990年代終わりから2000年代のジャムバンドシーンにおいて、アーティストを特徴付ける要素としても使われていました。
ジャムバンド:即興をするロックグループ

たとえはPhiishは、1996年ごろからファンキーなジャムを取り入れるようになり、1998年の「The Story of the Ghost」では、ファンクに強く影響を受けた様子がうかがえます。

Ghost
Guyute

他にも、以下のアーティストはファンクから強く影響を受けています。

Medeski Martin & Wood

The Lover
Shine It

Robert Randolph & the Family Band

Ain't Nothing Wrong With That [Official Video]

Galactic

Galactic - "Hey Na Na"

Widespread Panic

Porch Song

Jam Underground

The Jam - Going Underground

Diazpora

Breathe

Soulive

Soulive - Hurry Up... and Wait

Karl Denson's Tiny Universe

Karl Denson's Tiny Universe - Can You Feel It

Lettuce

バークリー音楽大学の卒業生で結成されたバンド「Lettuce」は1990年代終わりに結成され、これらのジャムバンドシーンに「ピュアファンク」が出現したような感覚をもたらしました。

バンドメンバーの多くは、前述のSouliveやthe Sam Kininger Bandのように、他のバンドにも参加しています。

https://www.youtube.com/watch?v=dw5FnUWRMLc

Dumpstaphunkはニューオリンズの昔のファンクに基づいた音楽を制作しており、少しザラついた、重みがあり魂のこもった4パート編成のボーカルを採用しています。

このグループは「the New Orleans Jazz & Heritage Festival」の出演のために2003年に結成され、キーボーディストのIvan Nevilleとギタリストのlan Neville(yuumeinaNeville家出身)をフィーチャーしています。

またベースプレイヤーは2人おり、2011年には女性ファンクドラマーのNikki Glaspie(以前はビヨンセのツアーバンドメンバー)を迎えています。

Rare Funk 45s

1990年代中盤になると、ディープファンクコレクターズのシーンを中心とした「nu-funk」や「ファンク・リビバレスト(Funk Revivalist)」のシーンになり、「Rare Funk 45s」のサウンドの影響を受けた、新しい要素を取り入れた楽曲をプロデュースしていくようになります。
(Revivalistは「信仰復興論者」の意味があります)

「nu-funk」とは1970年代のディープファンクバンドのサウンドを再現しよう・マネしようとしたスタイルで、「Rare Funk 45s」は「1945年ごろのサウンドっぽく聞かせたファンクのことです。

Nu-Funk

Leven Kali - Sleepwalking (Visualizer)
Alibi
Old Skool Funk

Rare Funk

Hot Funky And Sweaty
Prepositions - Something Different
Ain't No Other Way

これらのうち有名なレーベルには、Desco, Soul Fire、Daptone、Timmion、Neapolitan、Bananarama、Kay-Dee、Trampが挙げられます。

いずれのレーベルも、楽曲は主に45 RPMレコード(いわゆるアナログレコード)でリリースしています。

また、彼らはレアファンクのDJたちに特化していながらもメインストリームの音楽業界にも参戦しており、Sharon Janeの「Late Night with Conan O’Brien」のように、テレビ番組のホストとしても活躍している人物もいます。

他ジャンルとファンクを融合させたアーティストたち

アシッドジャズ・アシッドハウス・トリップホップ(Trip Hop)や他のジャンルとファンクを融合させたアーティストとしては、Tom Tom Club、Brainticket、Groove Armadaなどが有名です。

Tom Tom Club - Genius Of Love (Official Music Video) [4K]
Brainticket - Psychonaut
Groove Armada - Superstylin' (Official Music Video)

女性シンガーを用いたモダンR&Bと融合したファンクもあり、これにはBeyoncéやMariah Carey、Jennifer Lopez、AmerieやTamar Braxtonなどが挙げられます。

Beyoncéの「Crazy in Love」はthe Chi-Liesの楽曲「Are You My Woman」をサンプリングしています。

Beyoncé - Crazy In Love
The Chi-Lites - Are You My Woman (Tell Me So)

Mariah Careyの「Get Your Number」はImaginationの楽曲「Just an Illusion」をサンプリングしています。

Mariah Carey - Get Your Number (Official Music Video) ft. Jermaine Dupri
Imagination - Just An Illusion (Official Video)

Jennifer Lopezの「Get Right」はMaceo Parkerの楽曲「Soul Power '74」のホーンサウンドをサンプリングしています。

Jennifer Lopez - Get Right (Official Video)
Maceo and the Macks - Soul Power '74 - HQ

Amerieの「1 Thing」はthe Metersの楽曲「Oh, Calcutta」をサンプリングしています。

Amerie - 1 Thing (Official Video)
Oh, Calcutta!

Tamar Braxtonの「The One」はMtumeの楽曲「Juicy Fruit」をサンプリングしています。

Tamar Braxton - The One
Mtume - Juicy Fruit

ファンクの再興とパンク・ラップトロニカ(Punk Laptronica)

2000年代から2010年代初期にかけて、Out HudやMongolian MonkFishなどのパンク・ファンクバンドは、インディーロックのシーンで活躍するようになります。

Out Hud - Its For You (Official Video)
Mongolian Monkfish - Stud Muffin

インディーバンドのRilo Kileyはロックっぽい様々なスタイルを採用し、「The Moneymaker」ではファンクと融合させたスタイルで制作しています。

Rilo Kiley - The Moneymaker

また、Prince(Part11で解説)はのちのアルバム「The Everlasting Now」や「Musicology」「Ol' Skool Company」「Black Sweat」などでファンクの再興を促していきます。

The Everlasting Now
Prince - Musicology (Official Music Video)
Ol' Skool Company
Prince - Black Sweat

Particleはコンピューターやシンセサイザー、アナログ楽器のサンプル、ファンクの即興性や構成要素などを使用したデジタルミュージックを合体させたサウンドで活躍します。

ちなみに「Laptronica」はノートパソコンを意味する「Laptop」から来ている言葉で、パソコンを楽器として扱うスタイルをとった音楽のことです。

PARTICLE - Launchpad

以上でファンクの特徴・歴史の解説は終わりです。

当サイトでは他にも音楽ジャンルについて解説していますので、ぜひこちらもご覧ください。


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