【音楽ジャンル】ファンク(Funk)とは?どんな音楽?【1980年代・シンセファンク・電子楽器編】

【音楽ジャンル】ファンク(Funk)とは?どんな音楽?【1980年代・シンセファンク・電子楽器編】
ファンクって名前は聞いたことあるけど、「どんな音楽か」と聞かれると、ちゃんと答えられないな…
ファンクにはどんな歴史があるの?

このような疑問にお答えする内容です。

今回はPart11として、1980年代のファンクとシンセファンク、この頃使われていた電子楽器について解説していきます。

ファンクは音楽的にも歴史的にもとてもおもしろいため、このシリーズは長編になっていますが、読み進めれば必ずどこかで面白さがわかってきます!

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生楽器から電子楽器に置き換えられていく

1980年代になると、前回のPart11でご紹介した「P-Funk」の基礎を築いてきた構成・要素が、だんだんと電子楽器やドラムマシン、シンセサイザーなどに置き換えられていきます。

サックスやトランペットなどのホーンセクションはシンセキーボードに置き換わりはじめ、フレーズはシンプルなラインのまま、ソリストにソロが少し与えられるぐらいになってしまいました。

ファンクにおけるデジタルシンセ

初期のファンクで使われていた電子キーボード(Hammond B3やHohner Clavinet、Fender Rhodesなど)は、以下のような新しいデシタルシンセサイザーに置き換わっていきます。

Prophet-5

Prophet 5: Famous Preset Sounds

Oberheim OB-X

Oberheim OB-X Classic Analog Synthesizer Sounds (1979)

Yamaha DX7

The Original Yamaha DX7 Vintage Synthesizer

ファンクで使われている鍵盤楽器については、Part5で詳しく解説しています↓
 
Part5: ファンクにおけるギターと鍵盤楽器の特徴

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ファンクにおけるドラムマシンとベース

Roland TR-808やLinn LM-1、Oberheim DMXなどの電子ドラムマシンは、過去の「ファンキードラマーたち」に取って代わります。

TR-808

Roland TR-808 (1980) – Famous Drum Beats

Linn LM-1

Linn LM-1 Demo (Highest quality on Youtube) (UAD FX AND Interface) HQ***

Oberheim DMX

Ten classic Oberheim DMX patterns

また、スラップベースやポップスタイルのベースもシンセキーボード・シンセベースに置き換えられていきます。

歌詞の変化

Part6でも解説した歌詞も、この時代にはダブル・エンテンダーから、よりはっきりと性的表現をするような内容に変わっていきました。

ダブル・エンテンダー(ダブル・ミーニング):一般的な言葉の意味と、やや下品・性的な意味の両方を持つ言葉を使う手法

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伝説の日本のバンド「YMO(イエローマジックオーケストラ)」

「ライディーン」で有名な日本のエレクトロニックミュージックバンド「イエローマジックオーケストラ(YMO)」は、世界でも注目を集めます。

Rydeen – YMO

あの有名なEric ClaptonとMichael Jacksonは、のYMOの「Behind the Mask」をカバーしています。

Behind The Mask – YMO
ERIC CLAPTON – "Behind The Mask" (HD) 1987
Michael Jackson – Behind the Mask (Official Video)

1980年になると、YMOはプログラム可能なドラムマシン「TR-808」を最初に使ったバンドとして有名になり、同じく人気のKraftwerkとYMOのサウンドは、Afrika Bambaataaや Mantronixなど、のちのエレクトロファンクアーティストに大きく影響を与えていきます。

Kraftwerk – Das Model
Afrika Bambaataa & The Soulsonic Force – Planet Rock (Official Music Video) [HD]
Mantronix w/ MC Tee – Fresh Is The Word (12" Version)

Rick James

Rick Jamesは、1980年代のファンクミュージシャンとして初めて、1970年代に大流行したP-Funk(Part9で解説しています)を受け継いだヒットメーカーです。

1981年のアルバム「Street Songs」とシングル「Give It to Me Baby」「Super Freak」は、Jamesが大スターとなるきっかけの作品となります。

(Super Freakは、日本でも非常に認知度が高い楽曲です)

Rick James – Super Freak (Official Music Video)
Rick James – Give It To Me Baby

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Prince

1970年代後半になるとPrinceが現れ、James Brownのようなダイナミックな楽器編成が話題を呼びます。

PrinceはBrownの時代に活躍したアーティストと同じぐらい、ファンクのサウンドに大きな影響を与えていきます。

彼は、エロティシズム・テクノロジー・より複雑な音楽性・風変わりなイメージとステージパフォーマンスを持ち合わせたアーティスト。

P-Funkと同じような、野心的で創造性豊かな音楽を繰り広げました。

Prince & The Revolution – Let's Go Crazy (Official Music Video)
Prince – Purple Rain (Official Video)

また、Princeは音楽グループ「the Time」を結成します。

元々はオープニングアクトのために結成したバンドで、彼の「ミネアポリスサウンド(ミネアポリスは彼の出身地)」をベースとした、ファンク・R&B・ロック・ポップ・ニューウェーブ(New Wave)をミックスしたサウンドが特徴的です。

のちに、このバンドはタイトなミュージシャンシップと性的なテーマをベースとした独自のスタイルに発展していきます。

Prince & The Revolution – Kiss (Official Music Video)
Prince & The Revolution – When Doves Cry (Official Music Video)

この時代に活躍したアーティストたち

Princeの他にも、このP-Funkの時代に注目を集め、セクシュアリティを大胆に表現したり、ダンス系のテーマ、シンセや他の電子テクノロジーを使ってヒットを出していたアーティストはたくさんいます。

彼らはいずれも、1980年代はじめに非常に大きなヒット作を生み出しました。

Cameo – Word Up (Relaid Audio) (Official Music Video)
Zapp – I Can Make You Dance (Official Music Video)
The Gap Band – You Dropped A Bomb On Me (Official Music Video)
The Bar-Kays – Freakshow On The Dance Floor
The Dazz Band-JOYSTICK

1980年代後半からはピュアファンク(Pure Funk)も商業的な成功を収めていましたが、Michael JacksonやDuran Duranなどのポップアーティストも、ファンクのビートを用いるようになりました。

エレクトロファンク

YMOとKraftwerkに影響され、アメリカのミュージシャンAfrika Bambaataaは「エレクトロファンク」を発展させていきます。

これはマシーンを主導としたミニマルなスタイルで、1982年に彼のシングル「Planet Rock」や、1983年の「Renegades of Funk」で見ることができます。

エレクトロファンクは、シンセサイザーやTR-808などのドラムマシンによってどんどん勢いを増していきました。

Afrika Bambaataa & Soulsonic Force – Planet Rock
Afrika Bambaataa & The Soulsonic Force – Renegades of Funk (Official Music Video)

以上で今回の解説は終了です。

↓ファンク解説最終回「ファンクの歴史(1980年代後半〜2000年代)」

【音楽史】ファンク(Funk)って、どんな音楽?【1980年代後半〜2000年代編】