「ビット深度」「サンプルレート」とは?【DTM】
DTMのプロジェクトファイルの設定とかオーディオインターフェースのスペック欄に書いてるけど、意味がよくわからない…
今回はこのような疑問にお答えする内容です。
これがわかると、適切なフォーマットで音源を書き出せるようになったり、今後買う機材の基準もわかるようになります。
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ビット深度(bit-deapth)とは?
ビット深度とは、音のダイナミクス(抑揚)を処理できる範囲のことを指します。
画像:動画より
たとえばビット深度が「16bit」なら、無音の状態から最大96dBの範囲を再現・処理できます。
96dBは、ライブ会場で観客が盛り上がっている時ぐらいの音量です。
対してビット深度が「24bit」だと、144dB分のダイナミクスを再現・処理できます。
144dBは、ジェット機ぐらいの音量です。
画像:動画より
ストリーミング時代におけるダイナミクス
少し前までは、今のYouTubeやSpotifyなどのストリーミングサービスのようにラウドネスに制限がありませんでした。
音が大きく聞こえればそれだけ音楽自体がよく聞こえますから、プロデューサーたちは常に「どの音楽よりも大きく・ビッグに聞かせたい」という思いで曲を作っていました。
今は音楽が聞ける多くのプラットフォームでラウドネス制限がありますので、「大きい音が再現できる音楽であればあるほどいい」という考えは変わり、時代も変化しています。
そのため、今の時代では16bitでも24bitでも、そこまで大きな差が出てくるわけではないかもしれません。
ビット深度が高いとデータ量も増える
画像:動画より
ビット深度が高いと、データの容量が増えます。
大量にレコーディングする時などは、こちらについて少し考慮しておく方がいいかもしれません。
サンプルレート(Sample Rate)とは?
次は、サンプルレートについて解説していきます。
画像:動画より
サンプルレートとはオーディオにおける「解像度」のようなものです。
サンプルレートが高ければ高いほど、1秒あたりのサンプルが多い=より高いクオリティで聞けるようになります。
その音の周波数の2倍のサンプルレートが必要
ここで一つ覚えておいて欲しいのが、その周波数の音を聞くには、その2倍のサンプルレートが必要になるということです。
たとえば1000hz(1kHz)の音を正確に綺麗に聞きたいのであれば、サンプルレートは最低限2000hz(2kHz)はないといけません。
サンプルレートが聞きたい音の2倍の数値に満たないと「エイリアス」が発生し、音が割れたり雑音が入ったりするなど、正確に音を処理できなくなります。
ナイキスト周波数
ちなみに少し専門的な言葉を使うと、「ナイキスト周波数(Nyquist Frequency)」を超えないようにするということにもなります。
ナイキスト周波数とは、対応しているサンプルレートのちょうど半分にあたる周波数を指します。
たとえばサンプリングレートが44.1kHzの場合、ナイキスト周波数は22.05kHzになります。
この22.05kHzを超える高い音を扱おうとすると、先ほどの「エイリアス」が発生し、正しく音を再現することができなくなります。
人間が認識できる音域は20kHzなので40kHzのサンプルレートがあればOK
人間の耳で認識できる最高音は20kHzと言われていますから、20kHzの音を聞くためには最低限40kHzのサンプルレートがあればいいわけです。
あとはエイリアスの発生を防ぐために、ナイキスト周波数に到達するまでの間(Transition Band)アンチ・エイリアスフィルターをかけます。
44.1kHzの場合は2050サンプルx2必要になります。
画像:動画より
言い換えると、人間の耳に聞こえる限界の音(20kHz)を最低限聞こえるようにするためには、44.1kHzのサンプルレートがあればOKです。
サンプルレートは高ければいい?(96kHz、192kHz)
最近では、96kHzや192kHzなど、高いサンプルレートで設定されている場合もあります。
しかし、残念ながらここまで高いサンプルレートであっても、違いを聞き取ることは難しいです。
画像:動画より
上の画像のように、人間以外の動物は20kHzより高い周波数の音を聞き取ることができます。
ただし人間の耳には全く聞こえない領域になりますので、僕ら人間は気にしなくてもいいレベルです。
ちなみに多くのオーディオインターフェースでは、192kHzまでカバーしています。
サンプルレートに関する論争
実は1970年代、サンプルレートに関して多くのメディア媒体は論争を繰り広げていました。
当時は、ラジオやテレビ、映像作品などで使われるオーディオは48kHzがスタンダード。
しかし放送局ではあえて互換性をなくすことで(or 変換しにくくすることで)、消費者(視聴者)にデータをコピーされるのを防ごうと、44.1kHzを基準とすることに決めました。
データを44.8kHzから44.1kHzにするのは難しいので、一般視聴者が家で使うデバイスに利用するサンプルレートに変換するのを防いだわけですね。
ちなみに、ビットレート・サンプルレートの視点でも解説している「プロ仕様vs最安オーディオインターフェース比較」の記事はこちらにまとめています。
この記事を読んだ方はスムーズに読めますので、ぜひこちらもご覧ください!
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