【音楽ジャンル】ビバップ(Bebop)とは?【音楽的特徴】
どんな歴史があるの?
今回はこのような疑問にお答えする内容です。
今回はPart5として、ビバップの音楽的な特徴を解説をしていきます。
Part1:概要編
Part2:ビバップの歴史(初期〜1940年ごろ)
Part3:ビバップの歴史(各ビバップスターの活躍)
Part4:ビバップの歴史(1950年以降)
Part5:音楽的特徴
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ビバップのざっくりとした音楽的な特徴
Part1でも少し触れましたが、ざっくりとした音楽的な特徴をもう一度振り返ってみましょう。
ビバップは、スイング時代の「とても簡潔な作曲」とは違い、以下の特徴があります。
・アシンメトリーなフレージング
・複雑なメロディー
・テンポキーパー以外の役割を持つリズムセクションがある
実際の曲を聞いてみると、これらの特徴が強く感じられます↓
ビバップ時代とスイング時代の違い
Benny GoodmanやGlen Millerなどのスイング時代の楽曲は、跳ねるようで、しっかり整っていて、ダンサブルなものがほとんどでした。
一方、ビバップは競い合うような雰囲気や緊張感があり、不安定で断片化されています。
そのため、ビバップの楽曲はスイングに聞き慣れた人々には受け入れがたい特徴を持った音楽でした。
しかしジャズミュージシャンやジャズ愛好家の人にとって、ビバップはとてもエキサイティングで、芸術としてのジャズにおいて「美しい革命」という立ち位置でした。
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ビッグバンド vs 即興
スイングがオーケストレーションされたビッグバンドのアレンジがされているのに対し、ビバップは即興を中心とした音楽であるのも違いの一つです。
通常、テーマ(ヘッド(head)とも呼ばれる。スイング時代のジャズスタンダードやポップスなどではメインメロディーにあたる)を楽曲と最初の最後に全員で演奏し、その間にコードを伴った即興ソロを入れるのがビバップの特徴です。
そのため、多くのビバップの楽曲では即興があり、楽曲全体をまとめている・一緒に演奏しているのは、リズムセクションによって演奏される基本ハーモニーのラインだけです。
時折即興ではオリジナルのメロディーや、よく知られているメロディーライン(クオート、リック、リフなどと呼ばれる)を演奏することもあります。
また、楽曲全体を通してオリジナル(即興ではなくすでに作曲されているフレーズ)があったり、最初から最後まで任意のフレーズを演奏することもあります。
ビバップで使われるコード進行
ビバップのコード進行は、スイング時代に作曲された人気の楽曲から持ってきていることが多く、そこに新しく複雑なメロディーや、新しい作曲法(コントラファクト)を取り入れているのが特徴です。
「コントラファクト」は前述の通り、スイング時代に流行った楽曲のコード進行を拝借したり、ベートーベンやショパンの楽曲からフレーズを拝借したりする作曲法です。
12小節ブルースを含め、ブルースについてはこちらの記事で解説しています
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ブルースとビバップ
ビバップのミュージシャンたちはそれまでのジャズとは違うハーモニーの使い方をしており、よりベーシックなコードを複雑なハーモニーに変える(代理コード)のが一般的でした。
これにより、フラット5thやフラット9th、#9thや911th、トライトーンなどの不協和音が目立つようになります。
ビバップミュージシャンたちはウェスタンスタイルの機能和声を使わず、元は様々なアフリカ音楽から来ている、ブルースの強い調性中心のスタイルをベースとして楽曲を作っていました。
Samuel Floydは、ブルースはビバップの基盤であり推進力であったと言及しており、ビバップの主な3つの発展をもたらしたとしています。
2.シンコペーションの発展と利用。直線的なリズムの複雑さと、5thのブルーノートを使ってメロディック・ハーモニックなサウンドにしている。
3.音楽の主要な組織化・機能原理としてのブルースを再確立している。
折衷主義とは正反対のジャンル
たとえばDebussyは、Bix Beiderbeckeのピアノなど、ジャズから影響を受けているところがあります。
また、Duke Ellingtonがヨーロッパの現代音楽に使われるハーモニー趣向を採用し、再解釈・演奏しているのも事実です。
ウェストコーストジャズも、クールジャズのように恩恵を受けているところがあります。
しかしビバップはそのように「他のジャンルからダイレクトに何かを受け継いでいる」というものはありません。
逆に、ビバップは折衷主義を拒絶しているところがあるジャンルで、自分の奥深くに埋もれている何かを動かそうとする気持ちから生まれている音楽です。
折衷主義:あるものとあるもののいいところを組み合わせ、調和させて新しいものを作ろうとすること
その後、ビバップは調性音楽のアイデアをブルースを通して復活させ、基本的には非西洋和声のアプローチで再構築・拡大していきます。
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ビバップにおける編成
クラシックビバップの編成は、基本的にこのようになっています。
・トランペット
・ダブルベース(コントラバス)
・ドラム
・ピアノ
このフォーマットは、Charlie Parker(アルトサックス)とDizzy Gillespie(トランペット)によって作られ、普及したスタイルです。
1940年に行われた彼らのレコーディングで実際に利用された編成で、ときおりサックスやギター(エレキ・アコギ)が追加されたり、ホーンセクション(主にトロンボーン)やストリングス(主にバイオリン)が追加されることもあります。
逆に、人を減らしてカルテットの編成にすることもあります。
リッチジャズの一つとして捕らえられているとはいえ、ビバップは今でも演奏され続けています。
以上でビバップの解説は終了です。
ここまで読んだ方なら、ビバップのさらに奥深い解説本が理解でき、楽譜の読み方も変わってきているはずです。
以下のような書籍を読んでみるとビバップへの理解がさらに深まり、楽譜を読みながら打ち込みをすれば、ビバップの楽曲を作れるようになるでしょう↓
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