メロディー・構成

再生回数10億以上の曲に共通する7つのポイント【メロディーのコツ】

What Every Song With 1 BILLION STREAMS Has In Common!

今回は、音楽プロデューサーのBig Zが解説する「10億回以上再生されている曲に共通しているポイント」をまとめました。

特に、メロディー作りに悩んでいる方には必見の内容です!

ヒット曲の共通ポイント1.口ずさめるキャッチーなメロディー

Wikipediaでヒット曲の再生回数のリストを見てみると、曲名を見た瞬間に口ずさめる曲ばかりが並んでいます。

https://en.wikipedia.org/wiki/List_of_most-streamed_songs_on_Spotify

例えばEd Sheeranの「Shape Of You」は30億回以上再生されていますが、曲名を聞いただけでイントロやサビをすぐに口ずさめる人が多いでしょう。

Ed Sheeran - Shape of You (Official Music Video)

同様に、The Weekndの「The Blinding Lights」も、あのシンセのメロディーがすぐに思い浮かびます。

The Weeknd - Blinding Lights (Official Video)

つまり、このレベルのヒット作には「ものすごく覚えやすく、キャッチーで、注目を引くメロディー」があるのです。

作曲をするときのポイント

曲名を見た瞬間に、曲中で流れるメロディーがすぐに浮かんでくるのが理想で、これができれば作曲家は「いい仕事をした」と言えるでしょう。

曲を作るときは「この中で、すぐに覚えてもらえるようなキャッチーなメロディーはあるだろうか?」を考えながら作るベターです。

これはボーカルのメロディーでも良いですし、シンセのメロディーでも構いません。

さてここからは、上記のようなメロディーを作るにはどうしたらいいか、さらにコツを紹介していきます。

ヒット曲の共通ポイント2.「フレーズ」としてメロディーを作る

まずは、メロディーがしっかりと「フレーズ」になっているかが重要です。

言い換えると、「クエスチョン」と「アンサー」になっているかどうかを確認しましょう。

Shape Of Youのサビのメロディーの例

例えば、Shape Of Youのサビのメロディーを聞いてみましょう。

1:37~1:46

What Every Song With 1 BILLION STREAMS Has In Common!

このメロディーは4つの違うフレーズから構成されており、「クエスチョン」と「アンサー」が交互に来ています。

最初の1フレーズ(1小節)は、聞いた後に続きが気になるような、少し余韻を残すような終わり方をしています。

1:51~1:55

What Every Song With 1 BILLION STREAMS Has In Common!

次のフレーズはこれに対するアンサーのような形で、一旦落ち着くようなフレーズになっています。

このフレーズの終わりはC#ですが、この曲のキーはC#マイナーですので、C#はトニック(ルート音)です。

どのキーであっても、フレーズをルート音で終わらせると「終わった感」が出ますので、これは「アンサー」のフレーズとして有効です。

2:01~2:03

What Every Song With 1 BILLION STREAMS Has In Common!

ヒット曲の共通ポイント3.メロディ=音程+リズム

良いメロディーを作るには、メロディーは音程とリズムで構成されているということをしっかり理解する必要があります。

多くのプロデューサーは、メロディーを「音程の並び」だと考えています。

しかし、メロディーにはリズムも重要です。

例えばShape Of Youでも、覚えやすい繰り返しのリズムが使われています。

2:45~2:50

What Every Song With 1 BILLION STREAMS Has In Common!

ヒット曲の共通ポイント4.他の楽器と一緒に魅了する

メロディーは、バックグラウンドミュージック(インスト)と一緒に魅了するものであることが大切です。

そのため、僕(Big Z)の場合ははじめにシンプルなピアノの音を使ってメロディーはコード進行を書き、この時点で良いメロディーだと思えたら、ベースやドラムなどの他の楽器を付け足しています。

シンプルなピアノの音だけでも「いい曲だ」と思えたら、あとはそのメロディーやコード進行をおめかしするようにして、インストを付け足していくのです。

3:18~3:26

What Every Song With 1 BILLION STREAMS Has In Common!

ヒット曲の共通ポイント5.ベースラインとの絡みを考える

前述3でリズムにフォーカスしたあとは、音程についてフォーカスしましょう。

前述4でお話した通り、メロディーは他の楽器とのコンビネーションをよく考える必要があります。

特にベースラインとの兼ね合いは重要ですので、ここではメロディーとベースにフォーカスして考えてみます。

まず、ピアノで作ったフレーズ(メロディー+コード)のうち、ベースラインを別トラックにコピペします。

今回はBマイナーキーで作っているので、全ての音を一旦Bに直します。

※動画中ではBに直すと発言していますが、実際にはAを打ち込んでいます

3:40~3:50

What Every Song With 1 BILLION STREAMS Has In Common!

このようにメロディーをベースと全く同じにしてしまうと、つまらないですね。

しかし、リズムを少し変えてみると、キャッチーなメロディーが出来上がります。

まず音程はそのままで、ベースラインとマッチするリズムを探してみましょう。

4:11~4:18

What Every Song With 1 BILLION STREAMS Has In Common!

さて、次はここに「クエスチョン」と「アンサー」ができるように、音程を変えていきます。

小説の世界では、最初にエンディング(終わり方・結末)を決めてから、そこに合うように中盤の内容を考えていくということがあります。

音楽でも同様に、最初に終わり方や終わりの音を決めてから、そこに向かっていくように作ってみましょう。

今回は最初の2小節を「クエスチョン」、次の2小節を「アンサー」にして作ってみます。

さらに、繰り返しの回数は頻度を適切に調整しながら、キャッチーなメロディーになるように調整します。

4:58~5:07

What Every Song With 1 BILLION STREAMS Has In Common!

時間をかけて試行錯誤しよう

メロディーを作るのには、時間がかかります。

そのため、我慢強くいろいろなパターンを試しながら、ベストなメロディーを作りましょう。

おすすめのメロディーの作り方

メロディーを作るときにおすすめなのは、インストの音を流しながら、スマホで思いついたメロディーを鼻歌で歌ってみることです。

自然に出てきたメロディーを録音しておけば、あとで聞き返してどのパターンが一番合いそうか確認したり組み合わせながら、ベストなメロディーを作ることができます。

ヒット曲の共通ポイント6.「繰り返し」と「バリエーション」のバランスを取る

メロディーを作るときには、「繰り返し(Repetition)」と「バリエーション(Variation)」のバランスをよく考えましょう。

1小節ごとに全く違うリズムや音程を使ったフレーズが続いてしまうと、誰も覚えることができません。

例えばShape Of Youのサビのメロディーの中で、繰り返し(同じフレーズ)になっている部分だけを抜き出すと、このようになります。

5:56~6:03

What Every Song With 1 BILLION STREAMS Has In Common!

上記の部分を除くと7音しかありませんが、これだけでも単純でつまらないメロディーにさせないようになっており、さらに「クエスチョン」と「アンサー」を位置付ける要素になっています。

繰り返しの間にバリエーションを入れる例

繰り返し部分を作ることを恐れず、適度にバリエーションを加えればOKです。

試しに今回作ってみたメロディーでも、1小節目と2小節目の最初は同じにしました。

この間に別のフレーズを入れていけば、単なる繰り返しにならず、適度にバリエーションを加えられます。

6:28~6:32

What Every Song With 1 BILLION STREAMS Has In Common!

ヒット曲の共通ポイント7.ラージナンバーの法則(The Law of Large Numbers)

もしあなたが20個のメロディーを考えて、そのうちの1つを選んだとしたら、そのメロディーはとても良いメロディーになっているでしょう。

しかし2,3個のメロディーを考えて、そのうちの1つを選んだとしたら、20個考えたうちの1つを選んだときよりも、良いメロディーにはならないでしょう。

たくさん作って試行錯誤すればするほど、あなたのメロディーや楽曲は素晴らしいものになります。

まず異なるメロディーパターンをたくさん作り、そのあと少し休憩してから作ったメロディーを聞きなおし、最もキャッチーだと思ったメロディーを選びましょう。

メロディーを完成させたら、メロディーを演奏する楽器のサウンドデザインを変えてみたり、ピッチベンドやエフェクト類を追加してみても良いでしょう、


以上で解説は終了です。

当サイトでは他にも世界的ヒット曲を作る方法を解説していますので、ぜひこちらもご覧ください↓


人気記事

1

今回は、アメリカのプロデューサーNathan James Larsenが解説する「僕のお気に入りのボーカルチェイン」をまとめました。「どんな曲であっても、ミックスの83%はこのボーカルチェインを使っている」というぐらい汎用性が高い内容ですので、ぜひお試しください。

2

今回は、Doctor Mixが解説する「歴代のシンセサイザーTOP10」をご紹介します。みなさんがよく耳にする「あの音」は、実はこれらのシンセサイザーの音かも…!?「聞いたことある!」「あの音って、このシンセの音だったんだ!」と驚くこと間違いなしです!

3

今回は、これからDTMをはじめたいという方向けに「Amazonで買えるDTM初心者セット」を3つご紹介します。「これからDTMをはじめたいけど、何を買ったらいいかわからない」「とりあえずこれさえ買っておけばOKみたいなセットはない?」このような方のための記事ですので、ぜひ参考にしてください。

4

今回は、音楽で使うスピーカーに付いている「謎の穴」について解説します。いろいろなスピーカーを見てみると、前面下側に細長く穴が空いていたり、側面に丸い穴が空いてあったり、中には背面に穴が空いていることがあります。この謎の穴は、いったいどのような役割があるのでしょうか?

5

K-POPっぽい曲って、どうやったら作れる?K-POPの特徴って何?今回はこのような疑問にお答えします!海外プロデューサーが教える「K-POPの全体的な特徴」について徹底解説!これを前提に作曲していけば、よりK-POPっぽい曲が作れるようになります。

6

今回は、Big Zが解説する「SKRILLEX(スクリレックス)レベルでミックス・マスタリングする方法」をまとめました。SKRILLEXのように「音にパンチ・厚み・パワー」がありながら音圧を上げるには一体どのようにすればいいのでしょうか?DTMをしている全ての方、必見の内容です!

7

今回は、LANDRが解説する「DIベースとは?」をまとめました。音楽に親しんでいる方でも、「DIベース」とは何か、DIベースのレコーディングで使われる「DIボックス」とは何か、自分はDIボックスが必要なのかどうかが分からない方も多いでしょう。この記事では、これらについて詳しく解説していきます。

8

当サイトのnoteアカウントにて「楽曲のサビ・Aメロ・Bメロ・Cメロ・ポストコーラス・イントロ&アウトロの作り方」をそれぞれアップしました。 「曲を作るときに何から始めたらいいかわからない」「 ...

9

今回は、Audio Universityが解説する「音響心理学を活かしたミキシングテクニック」をまとめました。この記事ではそのうち、多くの人がミキシングで悩む「マスキング問題」とは何か?について解説しています。

10

今回は、さまざまなジャズのジャンル・種類をまとめました。「ジャズ」と言ってもいろいろなスタイルがあり、それぞれ特徴が異なります。この記事では18種類のジャズスタイルをご紹介しますので、ぜひお気に入りのスタイルを見つけてみてください。

-メロディー・構成