【DTM・MIX】リバーブをキレイでクリアに使うための3つのコツ

【DTM・MIX】リバーブをキレイでクリアに使うための3つのコツ

今回は、Big Zが解説する「リバーブをかける前に見てほしい動画」をまとめました。

リバーブは音に残響を加えるエフェクトで、楽曲制作ではとてもよく使われるエフェクトの1つです。

しかし、よりよい楽曲づくりやキレイなミックスのためには、よく使い方を考える必要のあるエフェクトでもあります。

この記事では、リバーブを適切に・効果的に使うために必要なコツを3つご紹介します。

Watch This Before Adding Reverb To Your Mix

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いいリバーブと悪いリバーブの違いとは?

まずはじめに、こちらの2パターンのリバーブを聞き比べてみましょう。

具体的に、何が違うでしょうか?

0:00~0:11

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実は、この2つのリバーブはどちらもリバーブの音量(MIX)や長さ(Decay)は全く同じです。

つまり、同じような設定にしていても、たったの一部分で間違った設定にしてしまうと「悪いリバーブ」になってしまうのです。

次は、オートメーションでドラムにリバーブをかけたときのサウンドを2パターンお聞きいただきます。

0:23~0:55

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最初の方は、MIXが50%になったところですでに他の音が聞こえづらくなるような「悪いリバーブ」でした。

対して、2パターン目のリバーブは100%近くになっても他の音がしっかり聞こえ、ドラムにも広がりが出ています。

今回は、このように「悪いリバーブ」にしないための「正しいリバーブの設定の仕方」をご紹介します。

DTM・MIXでリバーブをキレイに正しく使うための3つのコツ

1.アタックを調整する
2.フィルタースロープを調整する
3.MIX(Wet)100%を試してみる

それでは、順に解説していきます。
※今回はドラムにリバーブをかける例をご紹介していますが、ドラムに対してリバーブを上手に使えるようになれば、他の楽器にリバーブを加えるときも上手に使えるようになります。

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リバーブを使うコツ1.アタックを調整する

リバーブを使うコツ1つ目は「アタックを調整する」です。

リバーブプラグインには、リバーブ音が最大音量になるまでにかかる時間を表す「アタック(Attack)」というパラメーターが付いていることが多いです。

https://youtu.be/rGk8iMimYQs?si=wdtaKz4FOJwoc7wb

例えばこちらのリバーブプラグイン「ValhallaVintageVerb」のアタックを100%にすると、「グォングォン」という重たくグシャグシャとしたリバーブになります。

1:33~2:06

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アタックを0%にすると、音が鳴った後すぐにリバーブの音量がMAXになるので、サウンド全体にパンチが残ります。

そのため、ドラムのようにアタック感やパンチが重視される楽器には非常に重要なパラメーターになります。

リバーブによる「トランジェントマスキング」を避けよう

トランジェントマスキングとは、トランジェント(音の立ち上がり、アタック)がマスキング(邪魔される、被る)されることです。

間違ったリバーブの使い方をしてしまうと、トランジェントが目立って欲しい楽器に対してトランジェントマスキングが起こってしまいます。

https://youtu.be/rGk8iMimYQs?si=wdtaKz4FOJwoc7wb

※リバーブをかける前のドラムの波形

https://youtu.be/rGk8iMimYQs?si=wdtaKz4FOJwoc7wb

※リバーブをかけた後のドラムの波形

例えば上記画像のように、リバーブをかける前はとがったような波形になっていたドラムも、リバーブによってトランジェントマスキングが起こってしまうと2枚目の画像のようにはっきりしない波形になってしまいます。

リバーブの「Pre Delay」もしっかり設定しよう

https://youtu.be/rGk8iMimYQs?si=wdtaKz4FOJwoc7wb

さらに、青い縦線は4分音符のグリッドを示していますが、そこからも少し右側にズレてしまっています。

これは、このときのPre Delayの設定が少し遅めになってしまっているためです。

リバーブにおけるPre Delayとは、リバーブ音をスタートするタイミングを調整するパラメーターです。

最速にすると音が鳴ってからすぐにリバーブがスタートしますが、遅くすると少し時間が経ってからリバーブがスタートするので、遅すぎるとタイミングがズレてしまいます。

2:23~2:40

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こうすると「元の音のトランジェント」と「リバーブ音のトランジェント」がズレてしまうので、両者のタイミングが一致せず、グシャっとした音に聞こえてしまいます。

そのため、特にドラムなどのパンチを重視したい楽器に関しては、PreDelayを上手に調節して、両者のトランジェントの音が一致するように設定することが大切です。

2:43~3:09

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効果的なPreDelayの使い方はこちらの記事でまとめています↓

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リバーブを使うコツ2.フィルタースロープを調整する

リバーブを使うコツ2つ目は「フィルタースロープを調整する」です。

リバーブプラグインにはEQもしくはフィルターが付いていることが多く、リバーブ音に含まれる不要な音を取り除くことができます。

例えば、4000Hz以上の高音域と、500Hz以下の低音域をカットしたリバーブ音を聞いてみましょう。

3:22~3:45

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このリバーブ音をスペクトラムで見てみると、リバーブプラグイン内で500Hz以下をカットしたにも関わらず、500Hz以下の音が鳴っていることがわかります。

https://youtu.be/rGk8iMimYQs?si=wdtaKz4FOJwoc7wb

高音域においても、4000Hz以上はカットしたにも関わらず、4000Hzどころか10kHzの高音域も残っています。

https://youtu.be/rGk8iMimYQs?si=wdtaKz4FOJwoc7wb

なぜ設定した通りにカットされていないかと言うと、これはリバーブプラグインに内蔵されているEQやフィルターのスロープの設定が、非常にゆるやかだからです。

リバーブプラグインの内蔵EQ・フィルターのスロープは非常にゆるやか

リバーブプラグイン内のEQやフィルターを使って余分な周波数帯域をカットするとき、みなさんはこのようなカットの仕方を想像するでしょう。

https://youtu.be/rGk8iMimYQs?si=wdtaKz4FOJwoc7wb

例えば「400Hz以下の低音域をカットしたい」というときは、上記画像のように400Hz付近から下を急角度で減らすようなイメージです。

しかしプラグインの説明書をよく見ると、プラグインの内蔵EQ・フィルターのスロープが6dB程度の非常にゆるやかな設定にされていることがあります。

「スロープが6dB」だと、これぐらいのゆるやかさです。

https://youtu.be/rGk8iMimYQs?si=wdtaKz4FOJwoc7wb

これでは、「500Hz以下の低音域をカット」するためにEQバンドを500Hzに置いても、500Hz以下の低音域がしっかりカットされません。

もし本当に500Hz以下の音をカットしたいのであれば、「200Hz」ぐらいに設定しなくてはいけません。

リバーブプラグインの内蔵EQ・フィルターを使うときの2つのコツ

よほどのマニアでない限り、プラグインの説明書をしっかり読み込むことはないでしょう。

そのため、このようにフィルターを使うときは以下の2点を心がけてみましょう。

コツ1.自分が思っている以上の「多め」の数値に設定する

先ほどお伝えしたお取り、リバーブプラグイン内で使われるEQやフィルターのスロープは非常にゆるやかである可能性があります。

そのため、自分が思っているよりも”気持ち多めに”設定することをおすすめします。

例えば「500Hz以下の低音域をカットしたい」と思ったら「300Hz」ぐらいまで低く設定してみましょう。

また「1000Hz」「500Hz」などの数字だけを見たり考えたりして判断せず、実際に出てきた音をしっかり音を聞いて判断することも大切です。

コツ2.ダンピングを使う

もう1つのコツは、ダンピング(Damping)を使うことです。

ダンピング(Damping)とは、リバーブにおける低音と高音の減衰時間をズラすことができるパラメーターです。

現実世界では、低音域よりも高音域の方が早く吸収されやすい(消えるのが早い)という性質があります。

プラグインなどのデジタルの世界では、このダンピングの時間を周波数帯域ごとに自由に設定することができます。

https://youtu.be/rGk8iMimYQs?si=wdtaKz4FOJwoc7wb

例えばドラムにリバーブを使っていると、ハイハットの高音域が常に鳴り続けているように聞こえ、音全体がキツく聞こえます。

Decay(リバーブの長さ)は同じ設定してあるにも関わらず、キックの低音域よりもハイハットの高音域の方が長く聞こえるので、このような周波数帯域によるズレをDampingで調整します。

5:17~

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低音域も同様に調整してみましょう。

また、シンセリードなどにもこのダンピングが有効です。

高音域を少し抑えるように設定すると、リバーブの広がりはキープしながら「サーッ」というキツさの原因になる音の減衰が早くなり、ナチュラルなリバーブを作ることができます。

6:20~6:32

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リバーブを使うコツ3.MIX(Wet)100%を試してみる

リバーブを使うコツ3つ目は「MIX(Wet)100%を試してみる」です。

リバーブプラグインにはMIX(Dry/Wet)というパラメーターがあり、元の音とリバーブ音の割合を自由に調整できます。

例えば、MIX(Wet)を100%にするとリバーブ音しか鳴らなくなります。

https://youtu.be/rGk8iMimYQs?si=wdtaKz4FOJwoc7wb

なぜMIX(Wet)100%を試してみることが大切かというと、リバーブ音だけを聞いた方が、リバーブ音をより正確に聞くことができるからです。

逆に言えば、100%にしないと自分が今どのようなリバーブを使っているのかを理解することができません。

例えば、リバーブプラグインでは「Hall」「Room」「Chamber」などいくつかのリバーブの種類を選択できます。

それぞれリバーブの特徴を知るには、MIX(Wet)を100%にするのが最も効果的です。

7:19~7:36

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どのスタイルのリバーブが最もよさそうかを判断した後は、一度0%に戻し、あとは徐々に数値を上げて必要な分だけリバーブを増やします。

このように調整すれば、自分が本当に欲しいと思っているリバーブのスタイル・キャラクターを選択し、必要な分だけリバーブ量を増やすことができます。

ちなみに、冒頭で聞き比べたリバーブの「いいリバーブの例」は、この方法で作ったものです。

7:49~8:09

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おすすめリバーブプラグイン

ここからは、おすすめリバーブプラグインをいくつかご紹介します。

Valhalla DSP社「Valhalla Vinage Verb」

今回の解説に登場したリバーブプラグインです。

Sonnox社「Oxford Reverb」

Oxford Reverb tutorial

オールジャンルOKの万能リバーブです。

Eventide社「Blackhole」

TMT | Spring Reverb Effect with Blackhole by Eventide

「ブラックホール」という名前の通り、非現実世界を感じるようなユニークなリバーブを作るのにおすすめのリバーブです。

W.A.Production社「KSHMR Reverb」

KSHMR Reverb | Next-level Reverb Plugin (VST / AU / AAX)

人気EDM・ヒップホップ&EDMプロデューサー「KSHMR」が開発に携わったプラグインです。

特にダンスミュージックに合うリバーブを作るのにおすすめです。

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DTM・MIXでリバーブをキレイに正しく使うための3つのコツまとめ

以上が「リバーブをキレイに正しく使うための3つのコツ」でした。

1.アタックを調整する
トランジェントをキレイに残そう

2.フィルタースロープを調整する
数値は気持ち多めの設定にしてみよう

3.MIX(Wet)100%を試してみる
リバーブ音をしっかり確認しよう

当サイトでは他にもリバーブの使い方についてまとめていますので、ぜひこちらもご覧ください↓

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