【バンド】デスメタル系ドラムのミックステクニック【スネア編】
- 2023.03.05
- 2024.11.17
- ミキシングのコツ
今回は、Kohlekeller Studioが解説する「メタルドラムのミキシングテクニック」をまとめてみました。
こちらでは「スネア編」として、スネアのミキシングテクニックを解説しています。
動画内では、オーストラリア系フランス人によるデスメタルバンド「Monument Of Misanthrophy」の楽曲「Exeptionally Sandistic」で実際に使われたミキシングテクニックを、ミックスを担当した本人が惜しみなく公開しています。
楽曲はこちら↓
スポンサードサーチ
ドラムサウンドをチェック
この楽曲のドラムをソロで聞くと、このようになります↓
それでは、スネアのミックスについて詳しく解説していきます。
メインのスネアトラックのミックスの仕方
こちらは、メインのスネアの音です。
エフェクトプラグインの一番はじめには、Sound Radix社「DRUM LEVELER」を使っています。
このプラグインはオートフェーダーのような形で、ボリュームを均一にする効果があります。
画面下にあるサイドチェインフィルターも使っており、これでスネアだけにフィルターをかけることもできます。
画面上でオレンジ色になっている音は、このプラグインによって音が大きくなった部分(=もともとは音が小さかった部分)を表しています。
グレーの部分は、このプラグインによるエフェクトがかかっていない部分です。
今回のように生演奏をレコーディングした場合は少し小さくヒットしてしまったりすることがありますが、このプラグインのおかげで、どのヒットも同じぐらいの音量にすることができるため、とても便利なプラグインです。
次は、Fabfilter社の「Pro-MB」を使って帯域ごとに処理を行っています。
画面右のピンク色の部分では、スネアのアタックを強調するために9dBほどブーストしています。
ドラム全体に同じような処理をしてしまうとシンバル類の高音域までブーストされてしまうため、スネアのみにこのような処理を行っています。
また画面中央の緑の部分では、500hz付近が暴れないように抑えています。
画面左の青い部分は、スネアのパンチを出すための音域部分です。
それでは、ON/OFFで聞き比べてみましょう↓
最後に、Fabfilter社の「Pro-C2」でコンプレッションをかけています。
全体的にあまり強すぎず、アタックは遅め(42ms)でアタック感は強めています。
※プリセットの「Snare Snap 01 bM」を使用
こちらもON/OFFをそれぞれ聞き比べてみましょう↓
スポンサードサーチ
スネア ロー(Low)のミックスの仕方
メインのスネアトラックの他にも、スネアのトラックを使っています。
まずはボトムスネアを担当する「スネア ロー」のトラックです。
こちらのトラックには、EQのみを使っています。
メインのスネアと同時に聞くと、このようになります↓
オリジナルのスネアサンプルを作ろう
実は、ドラマーとのレコーディングではサンプルを作る時間も設けました。
ドラマーに演奏してもらった後、ベストな音の部分を切りとり、左右の手でもそれぞれ分けて、5~6段階ぐらいのベロシティーに分けています。
これらはクローズマイク、オーバーヘッドマイク、ルームマイク用にそれぞれ行っています。
2時間やそれ以上かかる作業ではありますが、これができれば、実際の演奏とサンプリングした音を上手くブレンドして、よりよいサウンドにすることができます。
スポンサードサーチ
オリジナルサンプルを作れば必要に応じて細かい調整ができる
クローズマイク、オーバーヘッドマイク、ルームマイクの3種類のサンプルがあるため、例えばパンチを出したいときはクローズマイクのサンプルを少し足したり、広がりを出したいときはオーバーヘッドやルームマイクの音を足すなどの工夫ができます。
もし元のルームマイクの音の音量を上げてしまうと、全てのシンバル類の音量が上がってしまってごちゃごちゃしてしまうことがあります。
例えば、こちらのサンプルを聞いてみましょう。
こちらの音は、サンプルをサンプラーに取り込み、MIDIで打ち込んだものです。
音は2種類あり、それぞれ違う音が鳴ります。
そしてこちらが、クローズマイク・オーバーヘッドマイク・ルームマイクそれぞれの音です。
クローズマイクのサンプルでは、パンチを出すためにEQで186hz付近を少し足しています。
それ以外のプラグインは使っていません。
オーバーヘッドマイクのサンプルには、Cubase付属のディストーションを使っています。
これにより、全体的に少し音量が上がり、前に来るような印象になります。
ルームマイクのサンプルには、Drumforge社の「DF-COMP」と、EQで高音域を少しブーストしています。
それでは、これらのスネアサンプルと、メインのスネアの音を同時に聞いてみましょう。
スネアのバストラックのミックスの仕方
それでは、生演奏のトラックとサンプルのトラックをまとめたバスの処理を見ていきましょう。
まずはEQで、ローカット+200hz付近を少し削る+4700hz付近を少しブーストしています。
次はFabfilter社のPro-C2で、コンプレッションをかけています。
最初のメインのスネアに使っていたPro-C2と全く同じ設定で、これによりスネア全体にまとまりを出すことができます。
さて、今回のスネア編はここで終わりです。
次回は「リバーブ編」として、ドラムのリバーブに関するミックステクニックを解説していきます↓
-
前の記事
【バンド】デスメタル系ドラムのミックステクニック【ルームマイク編】 2023.03.05
-
次の記事
【バンド】デスメタル系ドラムのミックステクニック【キック編】 2023.03.05