【音楽史】サックス(サクソフォーン)の歴史を見てみよう
- 2020.02.17
- 2024.09.10
- 用語解説・音楽ジャンル
どういう曲やジャンルで、どういう立ち位置で使われてきたの?
このような疑問にお答えする内容です。
およそ200年に渡るサックスの歴史を、当時人気だった曲の演奏とともに解説します。
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1840年代:Adolphe Saxがサックスを開発
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最初にサックスを発明したのは、ベルギーの発明家・ミュージシャンのAdolphe Saxです。
Georges Bizetというフランスの作曲家がサックスを使った曲を最初に作った人物とされています。
Bizetのサックスを使った作曲法は、その後の作曲家たちの新しい作曲の道を切り開いていったのです。
1920年代:スイングと”ジャズの時代”
0:30~0:49
サックスは音が非常に遠くまで飛んでいくので、軍隊の音楽隊で人気を集めていきます。
「狂騒の20年代」ともよばれたアメリカの1920年代は、ジャズの時代が先導していました。
その中で、サックスの「スイング」は、注目の的となっていきます。
0:49~1:22
最初の偉大なサックス奏者は、アメリカのSIDNEY BECHETです。
彼はソプラノサックスを使い、あのLuis Armstrong(ルイ・アームストロング)ともよく共演していました。
素晴らしいサックス奏者たちは、この時代のシーンでノリに乗っているバンドで演奏していました。
Duke EllingtonはJohnny Hodgesと共に演奏したり…
1:23~1:38
Ben Websterとテナーサックスで演奏することもありました。
1:38~
Count BasieはLester Youngとも演奏。
1:50~2:07
Fletcher Henderson’s Orchestraに所属したColeman Hawkinsは、のちの「ビーバップ」のヒントとなる、美しいバラードを演奏していました。
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1940年代:ビーバップ誕生
そして1940年には、アメリカの歴史においてもっとも重要な人物の1人とともに「ビーバップ」が誕生します。
2:07~2:23
そう、Charlie Parkerです!
彼は、新しいハーモニーやリズムの複雑さを用いて、この新しい音楽を作りました。
2:23~2:40
またGerry Mulliganは、最初のバリトンサックスソリストとして有名になりました。
彼は奏者としてだけでなく、作曲家・アレンジャーとしても活躍しました。
1950年代:止まらないビーバップの人気
2:40~3:00
この時代、ジャズ以外では、R&Bやロックンロールが新しい風を吹かせていました。
アメリカのシンガーソングライターRay CharlesのサックスプレイヤーであるDavid Fathead Newmanは、この大きな動きをけん引します。
しかしビーバップはいまだ人気があり、より多くの素晴らしい演奏者がいた1950年代になっても勢いがありました。
3:00~3:05
たとえば、Sonny Rollins。
彼のソロのクリエイティビティに匹敵する奏者はいませんでした。
3:05~3:18
また、Julian Cannonball Adderlyは、ブルージーなバップをMiles Davisと共に奏でていました。
3:18~3:33
アメリカ西海岸の方では、Paul Desmondがクールで歌詞的な演奏を取り入れます。
Desmondは、彼自身のサウンドを「ドライマティーニみたいだ」と話しています。
※ドライマティーニは、ジンをベースにした「カクテルの王様」と呼ばれるカクテル。
画像:ドライマティーニ(https://www.liquor.com/recipes/dry-martini/)
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1950年代終わり:ジャズが別の道へ走り出す
3:33~3:53
1950年代終わり頃になると、ジャズがまた違った方向性へ進化し始めます。
Ornette Colemanは、ハーモニーやリズムの限界を取り壊し、「フリージャズ」のスタイルを取り入れます。
1960年代:新しいスタイル、ジャズ以外のジャンルへの進出
1960年代になると、歴史上最も重要なジャズレコードが、偉大なテナーサックスによって作られます。
ここからは、この時代に活躍したアーティストをどんどん紹介していきます。
3:53~4:09
まずはJohn Coltraneの「Giant Steps」。
のちに「コルトレーン・チェンジ」と呼ばれる、新しいハーモニーのコンセプトが使われています。
4:09~4:27
次はRahsaan Roland Kirk。
一度に複数のサックスを使って演奏した、最初の人物です。
(動画を見てのとおり、一度にサックスを2本くわえて演奏しています)
4:27~4:35
Dexter Gordonは、Charlie Parkerのビーバップを、アルトサックスからテナーサックスへと変換させました。
そしてサックスは、ジャズの世界を飛び超えていきます…
4:35~4:42
Henry Manciniは、サックスを映画音楽に取り込み始めます。
この曲は「泥棒の曲」として非常に有名です。
4:42~4:53
Boots Randolphは、サックスの音を「ナッシュビルサウンド」にした人物です。
Elvis PresleyやRoy Orbisonなどと共にレコードを作ったこともあります。
4:53~5:09
Stan Getzは、「ボサノヴァ・ジャズ」という新しいスタイルに火をつけます。
彼のフルートのように空気感のあるサウンドは、世界の音楽チャートを独占しました。
5:09~5:15
Maceo Parkerは、James Brown、Parliament Funkadelicの主要ファンク・サクソフォーン奏者として活躍しました。
5:15~5:22
Eddie Harrisのジャズは、よりグルーヴィーでソウルフル。
新しいファンをどんどん獲得していくサウンドでした。
5:22~5:29
Stanley Turrentineは、彼の深い感情ともに、さらに一歩進んだサウンドを奏でました。
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1970年代:ポップのヒットソングでも活躍
1970年代になると、多くのポップヒットソングにサックスが使われ始めます。
5:29~5:46
たとえば、みなさんおなじみの「The Rolling Stones」。
5:46~5:58
そして、Bob Seger。
5:58~6:17
さらに、David Sanborn。
6:17~6:25
Clarence Clemonsも見逃せません!
6:25~6:35
一方、アフリカのガーナでは、Fela Kutiによって「Afro Beat」と呼ばれる新しいジャンルが人気を博します。
6:35~6:49
まじめなサックス奏者たちも、より商業的な音楽に参加するようになります。
Miles Davisのクインテットで演奏していた有名なサックス奏者Wayne Shorterは、ジャズ・フュージョンにおいて強い影響力を持つようになりました。
6:49~7:10
しかし80年代におけるサックスの大流行においては、Gerry Raffertyの「Baker Street」ぐらいしか、世界で話題になりませんでした。
7:10~7:23
ポップソングヒットにおいては、もっとたくさんの曲があります…
7:23~7:35
Kenny Gも、その代表の一人と言えるでしょう。
7:35~7:49
SNLの終わりのテーマも、一躍有名になりました。
SNL:「Saturday Night Live」、アメリカのコメディ・バラエティ番組。
7:49~8:00
そしてついに、サックスは80年代における「頂点」に達します…
「The Sexy Sax Man」と呼ばれたアメリカのサックス奏者George Michaelは、この時代に人気となりました。
8:00~8:08
一方で、ジャズではまだすごいことが起きていました。
Michael Breackerの存在があったからです。
8:08~8:18
Joshua Redmanの存在も大きいでしょう。
8:18~8:30
ENUR Feat. Natasjaの「Calabria 2007」。
このヒットソングを忘れる人はいないでしょう…
2000年代:サックスはポップミュージックでメジャーな楽器に
8:30~8:37
2000年代でもなお、サックスはポップ・ミュージックにおいてメジャーな楽器として扱われています。
さきほど紹介したKenny Gは、現代のポップで人気のKaty Perryとともに音楽を作りました。
Katy Perry “Last Friday Night”
8:37~
また、サックスはヒップホップでも活躍します。
MACKLEMORE & RYAN LEWIS “THRIFT SHOP FEAT. WANZ”
Jason Derulo “Talk Dirty”も有名です。
以上がサックスの歴史でした。
当サイトでは、今回の解説に出てきた音楽ジャンルや人物についてもまとめています↓
また、解説者・collectivecadenzaは他にも楽器の歴史を紹介していますので、ぜひこちらもご覧ください↓
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