【音楽史】ドラムの歴史 Part5【ジャズとフィルインのはじまり】
- 2020.03.07
- 2024.08.18
- 用語解説・音楽ジャンル
昔のドラムってどんな感じだったんだろう?
このような疑問にお答えする内容です。
今回はPart5として、ジャズとフィルインのはじまり、そしてドラムセットに使われている楽器の歴史を振り返ります。
Part1:ドラムの歴史のはじまり(1865年ごろ)
Part2:ラグタイムの時代
Part3:ドラムペダルの進化
Part4:ドラムブラシの誕生
Part5:ジャズとフィルインのはじまり
Part6:フィルインとシカゴスタイルのドラム
Part7:フォリーとシアタードラマー
Part8:ビッグバンドの時代
Part9:Gene Krupaと「Sing Sing Sing」
Part10:ビーバップとライドシンバル
Part11:リズム&ブルース・シャッフル・バックビート
Part12:ツーバス・ダブルバスドラムの誕生
Part13:ロカビリーのはじまり
Part14:ロックンロールのはじまり
Part15:ビートルズとマッチドグリップの誕生
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ジャズのはじまり
ニューオリンズ出身の「オリジナル・ディキシーランド・ジャズ・バンド」は、ニューヨークに渡り、のちに世界的なヒット曲となる曲のレコーディングを行います。
これが今私たちが「ジャズ」と呼ぶスタイルのはじまりとなります。
「最初に正式にレコーディングされたジャズ」と呼べるでしょう。
当時のニューオリンズにはたくさんのバンドが存在しており、このスタイルの音楽をやっているバンドは非常に多かったのです。
ルーディメンツとスイング
みなさんがご存知のドラマーには、たとえばBABY DODDS やZutty Singleton、Tony Sbarbaro(オリジナル・ディキシーランド・ジャズ・バンドのドラマー)がいるでしょう。
彼らがやっていたのは、以前のシリーズでもお伝えした、マーチングバンドアイデアを利用していたということです。
しかし、このときにはすでにバスドラムやスネアドラム、そして移民達がもたらしたシンバルやタム、ウッドブロックやカウベルなどの数々の民族楽器を合体させ、「ドラムセット」として同時に演奏していました。
このスタイルは当時人気だったラグタイムで用いられ、「ルーディメンツをベースとした楽器」から「ジャズで使われる楽器」に映り変わりつつありました。
当時のニューオリンズのドラマー達は、マーチングで用いられていたルーディメンツに加え、スイングのスタイルも取り入れていきます。
たとえば、オープンロールや押し込むようなロールなどです。
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ドラムでフィルインを使い始める
この頃から、ドラマー達はフィル(フィルイン)を使い始めます。
当時は、このような演奏でした。
3:21~4:17
当時のドラムセットに使われていた楽器
ここからは、当時のドラムセットに使われていた楽器を紹介します。
ウッドブロック
画像:https://en.wikipedia.org/wiki/Jam_block
ウッドブロックは、中国や韓国から渡ってきた楽器です。
(写真はプラスチック製の製品です)
カウベル
画像:https://www.thomann.de/gb/meinl_stb625_cowbell.htm
カウベルは様々な国・文化間で使われていました。
シンバル
画像:動画より
上の画像のうち左のシンバルはトルコで使われていたタイプのシンバルで、有名なシンバルメーカー「Zildjian」のシンバルです。
Zildjianは20世紀初期にアメリカに渡ったトルコのメーカーで、これまでお伝えしてきた移民グループの1つでした。
(ちなみにZildjianの会社自体は1623年にトルコで誕生しています)
一方、右側のシンバルはチャイナシンバルで、中国で使われていたシンバルです。
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