【音楽史】ドラムの歴史 Part13【ロカビリーのはじまり】

【音楽史】ドラムの歴史 Part13【ロカビリーのはじまり】
ドラムってどんな歴史があるの?
昔のドラムってどんな感じだったんだろう?

このような疑問にお答えする内容です。

ドラムスティック・マレットを開発している世界的なメーカーVic Firthが解説する「ドラムの歴史」をまとめました。

今回はPart13として、ロカビリーとドラムの歴史を振り返ります。

History of the Drumset – Part 1, 1865 – Double Drumming

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1954年はロックンロール誕生の年

1954年は、人々にとっての「音楽」の概念が大きく変わる年となります。

そう、ロックンロールの誕生です。

ロックンロールのキーとなるのが「ロカビリー」なのですが、この言葉をあまりご存知ない方が多いでしょう。

今回は、このロカビリーについて解説していきます。

音楽ジャンル「ロカビリー」とは?

ロカビリーはアメリカのテネシーやテキサスなど、アメリカ南部に関わる音楽です。

基本的にはカントリーミュージックをベースにしており、これにドラムなどの「ビート」を加えているのが特徴です。

ロカビリーの進化において、ドラムは非常に重要な役割を果たしています。

Blue Suede Shoes
Elvis Presley – That's All Right (Official Audio)
Johnny Todd Pink Cadillac

カントリーは、もとはヨーロッパから来た、アコースティック楽器をベースにした音楽です。

ドラムは使われておらず、アコギやバンジョーなどの弦楽器を中心に使っています。

しかし、1950年代になると他の音楽ジャンルがドラムを使い始めたため「よし、カントリーでもドラムを使ってみるか」と、新しい風潮が生まれます。

カントリー+ドラムという組み合わせは、ロカビリーというジャンルにおいて多く見られました。

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レーベル「SUN STUDIO(Sun Recordings)」

ロカビリーは、SUN STUDIOというレーベルで誕生しました。

Johnny Powers – Be Mine, All Mine – 1959 Rockabilly – SUN 327

ここは、Elvis PresleyやJohnny Cash、Jerry Lee LewisCarl PerkinsRoy Orbisonなどがレコーディングを行ったレーベルとして有名です。

彼らはいずれも、クールなロカビリーサウンドを追求していました。

ロカビリーのサウンド

ロカビリーにおいて、ドラムはそこまで目立つ役割ではありません。

ときおり「チッキ・チッキ・チッキ・チッキ」というクリック音が聞こえますが、これはドラムではなく、スラップベースによるものです。

コントラバスを弾いて演奏する「スラップベース」がリズムを刻んでいるので、そのような音が聞こえるのです。

Elvis Presley – Baby Let's Play House
GENE VINCENT – RACE WITH THE DEVIL
Danny Mcvey – One In a Million (ROLLIN' RECORDS)

「デッドストリングギター」というサウンドも、ロカビリーの特徴の一つです。

デッドストリングギターとは、コード音を鳴らさず、弦のパーカッシブなアタック音を鳴らす奏法です。

https://www.youtube.com/watch?v=IQ2ABL0dNH8

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「静かなドラム」再び

ロカビリーにおけるドラムは「控えめ」で、ブラシを使っていました。

ドラムにブラシを使う具体的な理由は、以前のPart4でお伝えした通りです。

初期ロカビリーのヒット曲は、Carl Perkinsの「Blue Suede Shoes」です。

この曲でも、前述のブラシ、デッドストリングギター、「チッキ・チッキ」のリズム、スラップベースが使われています。

Blue Suede Shoes

聞いてみると、カントリーでもリズムアンドブルースでもなければ、ロックンロールでもない…どちらかと言うと、全てを混ぜ合わせたようなサウンドであることがわかります。

これが「ロカビリー」の大きな特徴です。


つづきのPart14はコチラ

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