【音楽史】ドラムの歴史 Part13【ロカビリーのはじまり】
- 2020.03.15
- 2024.08.18
- 用語解説・音楽ジャンル
昔のドラムってどんな感じだったんだろう?
このような疑問にお答えする内容です。
今回はPart13として、ロカビリーとドラムの歴史を振り返ります。
Part1:ドラムの歴史のはじまり(1865年ごろ)
Part2:ラグタイムの時代
Part3:ドラムペダルの進化
Part4:ドラムブラシの誕生
Part5:ジャズとフィルインのはじまり
Part6:フィルインとシカゴスタイルのドラム
Part7:フォリーとシアタードラマー
Part8:ビッグバンドの時代
Part9:Gene Krupaと「Sing Sing Sing」
Part10:ビーバップとライドシンバル
Part11:リズム&ブルース・シャッフル・バックビート
Part12:ツーバス・ダブルバスドラムの誕生
Part13:ロカビリーのはじまり
Part14:ロックンロールのはじまり
Part15:ビートルズとマッチドグリップの誕生
スポンサードサーチ
1954年はロックンロール誕生の年
1954年は、人々にとっての「音楽」の概念が大きく変わる年となります。
そう、ロックンロールの誕生です。
ロックンロールのキーとなるのが「ロカビリー」なのですが、この言葉をあまりご存知ない方が多いでしょう。
今回は、このロカビリーについて解説していきます。
音楽ジャンル「ロカビリー」とは?
ロカビリーはアメリカのテネシーやテキサスなど、アメリカ南部に関わる音楽です。
基本的にはカントリーミュージックをベースにしており、これにドラムなどの「ビート」を加えているのが特徴です。
ロカビリーの進化において、ドラムは非常に重要な役割を果たしています。
カントリーは、もとはヨーロッパから来た、アコースティック楽器をベースにした音楽です。
ドラムは使われておらず、アコギやバンジョーなどの弦楽器を中心に使っています。
しかし、1950年代になると他の音楽ジャンルがドラムを使い始めたため「よし、カントリーでもドラムを使ってみるか」と、新しい風潮が生まれます。
カントリー+ドラムという組み合わせは、ロカビリーというジャンルにおいて多く見られました。
スポンサードサーチ
レーベル「SUN STUDIO(Sun Recordings)」
ロカビリーは、SUN STUDIOというレーベルで誕生しました。
ここは、Elvis PresleyやJohnny Cash、Jerry Lee LewisCarl PerkinsRoy Orbisonなどがレコーディングを行ったレーベルとして有名です。
彼らはいずれも、クールなロカビリーサウンドを追求していました。
ロカビリーのサウンド
ロカビリーにおいて、ドラムはそこまで目立つ役割ではありません。
ときおり「チッキ・チッキ・チッキ・チッキ」というクリック音が聞こえますが、これはドラムではなく、スラップベースによるものです。
コントラバスを弾いて演奏する「スラップベース」がリズムを刻んでいるので、そのような音が聞こえるのです。
「デッドストリングギター」というサウンドも、ロカビリーの特徴の一つです。
デッドストリングギターとは、コード音を鳴らさず、弦のパーカッシブなアタック音を鳴らす奏法です。
https://www.youtube.com/watch?v=IQ2ABL0dNH8
スポンサードサーチ
「静かなドラム」再び
ロカビリーにおけるドラムは「控えめ」で、ブラシを使っていました。
ドラムにブラシを使う具体的な理由は、以前のPart4でお伝えした通りです。
初期ロカビリーのヒット曲は、Carl Perkinsの「Blue Suede Shoes」です。
この曲でも、前述のブラシ、デッドストリングギター、「チッキ・チッキ」のリズム、スラップベースが使われています。
聞いてみると、カントリーでもリズムアンドブルースでもなければ、ロックンロールでもない…どちらかと言うと、全てを混ぜ合わせたようなサウンドであることがわかります。
これが「ロカビリー」の大きな特徴です。
つづきのPart14はコチラ
-
前の記事
【音楽史】ドラムの歴史 Part12【ツーバス・ダブルバスドラムの誕生】 2020.03.14
-
次の記事
【音楽史】ドラムの歴史 Part14【ロックンロールのはじまり】 2020.03.16