【音楽史】ドラムの歴史 Part1【ドラムのはじまり】
- 2020.03.03
- 2024.08.18
- 用語解説・音楽ジャンル
昔のドラムってどんな感じだったんだろう?
このような疑問にお答えする内容です。
今回はPart1として、ドラムの歴史がスタートした1865年ごろを振り返ります。
(当時の再現演奏もあります!)
Part1:ドラムの歴史のはじまり(1865年ごろ)
Part2:ラグタイムの時代
Part3:ドラムペダルの進化
Part4:ドラムブラシの誕生
Part5:ジャズとフィルインのはじまり
Part6:フィルインとシカゴスタイルのドラム
Part7:フォリーとシアタードラマー
Part8:ビッグバンドの時代
Part9:Gene Krupaと「Sing Sing Sing」
Part10:ビーバップとライドシンバル
Part11:リズム&ブルース・シャッフル・バックビート
Part12:ツーバス・ダブルバスドラムの誕生
Part13:ロカビリーのはじまり
Part14:ロックンロールのはじまり
Part15:ビートルズとマッチドグリップの誕生
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ドラムのはじまりは1865年
ドラムの歴史のはじまりは、1865年ごろです。
なぜ「1865年」とはっきり言えるかというと、この年はアメリカの南北戦争が終わった年だからです。
南北戦争が終わり奴隷制度が崩壊したことで、奴隷として扱われていたアフリカ系の人々とその子孫たちは自由の身になり、アメリカ社会で新しい人生をスタートさせ、アメリカ音楽に大きく貢献することになります。
後ほどのドラムの歴史シリーズでも解説しますが、このアフリカ系アメリカ人たちが、ドラムセットと演奏法の発展に大きく貢献することになります。
寄席とドラム
1865年に、もう一つ大きな出来事が起こります。
それは、「1個以上の楽器を同時に演奏する」という奏法を、ドラマーたちがはじめたことです。
画像:マーチングバンド(https://ae.vicfirth.com/wp-content/uploads/27.webp)
もともとはマーチングバンドやオーケストラスタイルの演奏法が主流で、バスドラム担当・スネアドラム担当・シンバル担当、といったように、各個人が1つの楽器を担当していました。
しかしこの年になると寄席がさかんになり、ドラマー達が「1人の人間が複数の役割をこなすにはどうしたらいいだろうか?」と考えるようになります。
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1865年に流行っていた音楽
画像:ダブルドラミング(https://ae.vicfirth.com/wp-content/uploads/09.webp)
1865年に流行っていた音楽は、マーチングバンド音楽でした。
当時はまだジャズもロックもブルースもなかった時代です。
マーチングバンドでは、ルーディメンツやバスドラムやスネアドラムなどの楽器、そして「ドンチャ・ドンチャ」というリズムが使われています。
ドラマー達は、このマーチングバンドで使われていたアイデアを「同時に1個以上の楽器で演奏しよう」と考え、バスドラムとスネアドラムを同時に演奏する方法を編み出したのです。
(しかし、このころはまだバスドラムにペダルがありませんでした)
これは「ダブルドラミング」と呼ばれています。
再現演奏↓(2:11~2:45)
この演奏を見てお分かりの通り、バスドラムはダウンビートに体重がかかるような演奏をしています。
マーチングバンド音楽は道いっぱいにいる兵士の軍隊を行進させるために使われていたものです。
そのため、非常にシンプルでわかりやすいスタイルである必要がありました。
Part2でご紹介する「ラグタイム」という音楽では、このマーチングの基本的なアイデアをベースに、シンコペーションを用いたスタイルが使われています。
こちらはよりダンスミュージックに近い形になります。
Part2はコチラ↓
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