【音楽理論】ドリアンモードを使ったゲーム音楽を解説!後編【映像音楽】

【音楽理論】ドリアンモードを使ったゲーム音楽を解説!後編【映像音楽】

今回は、8-bit Music Theoryが解説する「ドリアンモードの使い方」をまとめました。

この記事では後編として「ドリアンモードを使った明るい&ファンキーなゲーム音楽の例」をご紹介します。

前編:ドリアンモードの基礎、ドリアンモードを使ったシリアス&ダークなゲーム音楽の例
後編:ドリアンモードを使った明るい&ファンキーなゲーム音楽の例(当記事)

ゼルダの伝説シリーズや星のカービィシリーズ、スーパーマリオシリーズをはじめ、ゲーム音楽にはドリアンモードを使った楽曲が数多くあります。

「モードを使った作曲にチャレンジしたい」「ドリアンモードの効果的な使い方が知りたい」という方には必見の内容です!

The DORIAN Mode Feels MYSTERIOUS (among other things)

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ドリアンモードのゲーム音楽:ペルソナ 5「Last Surprise」

ドリアンモードを使ったゲーム音楽

次にご紹介するのは、「ペルソナ 5」より「Last Surprise」です。

Last Surprise

この曲は、ドリアンモードを使ってオシャレでファンキーなサウンドを作り上げているところが特徴的です。

ドリアンモードでファンキーな楽曲を作る方法

「ファンキーな曲を作ろう」と思った時、「まずは1つのドミナントコードを、20分間ぶっ通しで引き続けよう…」と思う方もいるかもしれません。

しかし、それ以外にもファンキーな曲を作る方法があります。

その方法で使うのが、ドリアンモードです。

ドリアンモードを使ったゲーム音楽

1.シンプルなマイナーコードを作る(例:Dmコード)
2.b7thの音を足す(例:Dm7コード)
3.b7thの音を半音下げる(例:C→B)
4.このフレーズを繰り返す

この4つの手順を順番に追うと、このようなファンキーなフレーズを作ることができます↓

The DORIAN Mode Feels MYSTERIOUS (among other things)

6thの不安定さを利用してファンキーなサウンドを作る

これまでの解説で、6thの音は不安定さを持つため、5thの音に行きたくなる(解決したくなる)とお伝えしました。

例えばDドリアンモードでDmコードを使った場合、6thの音(B)を鳴らすと、5thの音(A)に行きたくなります。

ドリアンモードを使ったゲーム音楽

この通りに演奏すると、強い解決感があります。

ドリアンモードを使ったゲーム音楽

しかし、ここであえて「6th→5th」ではなく「6th→7th」と移動すると、ファンクのような軽快さが出ます。

そしてこのテクニックが、「Last Surprise」でも使われています。

ドリアンモードを使ったゲーム音楽

この曲はDm9(i)とG7(IV)を行き来しているコード進行で、非常にファンキーなサウンドになっています。

それでは、楽譜を見ながら聞いてみましょう。

The DORIAN Mode Feels MYSTERIOUS (among other things)

ドリアンモードのゲーム音楽:星のカービィ スーパーデラックス 「マシュマロ城」

ドリアンモードを使ったゲーム音楽

次にご紹介するのは、「星のカービィ スーパーデラックス 」より「マシュマロ城」です。

[SFC] 星のカービィ スーパーデラックス – STAGE 2 マシュマロ城 (白き翼 ダイナブレイド BGM)

こちらも先ほどの「Last Surprise」と同様に、ファンキーなハーモニーが特徴的な楽曲です。

ドリアンモードを使ったゲーム音楽

Cm7(i)とF(IV)を行き来するコード進行です。

それでは、楽譜を見ながら聞いてみましょう。

The DORIAN Mode Feels MYSTERIOUS (among other things)

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ドリアンモードのゲーム音楽:スーパーマリオ オデッセイ「スチームガーデン」

ドリアンモードを使ったゲーム音楽

次にご紹介するのは、「スーパーマリオ オデッセイ」より「スチームガーデン」です。

Steam Gardens – Super Mario Odyssey OST

こちらも先ほどの「Last Surprise」と「マシュマロ城」と同様に、ファンキーな「i – IV」のコード進行が特徴的な楽曲です。

ドリアンモードを使ったゲーム音楽

それでは、楽譜を見ながら聞いてみましょう。

The DORIAN Mode Feels MYSTERIOUS (among other things)

ドリアンモードのゲーム音楽:カービィのブロックボール「ステージ4」

ドリアンモードを使ったゲーム音楽

次にご紹介するのは、「カービィのブロックボール」より「ステージ4」のBGMです。

[GB] カービィのブロックボール – ステージ4 BGM

この曲は、「5-6-b7-6」というドリアンモードならではのボイスリーディングが特徴的です。

ドリアンモードで「5-6-b7-6」のボイスリーディング

ドリアンモードで使えるボイスリーディングの一つに、「5-6-b7-6」があります。

ドリアンモードを使ったゲーム音楽

上の画像のように、トップノートが「5th-6th-b7th-6th」と動くフレーズを繰り返すのも、ドリアンモードで使えるフレーズテクニックです。

ドリアンモードを使ったゲーム音楽

実際に「ステージ4」の楽譜を見てみると、「5-6-b7-6」のボイスリーディングや、「i – IV」のコード進行が使われていることがわかります。

それでは、楽譜を見ながら聞いてみましょう。

The DORIAN Mode Feels MYSTERIOUS (among other things)

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ドリアンモードのゲーム音楽:ゼルダの伝説 時のオカリナ「嵐の歌」

ドリアンモードを使ったゲーム音楽

最後にご紹介するのは、「ゼルダの伝説 時のオカリナ」より「嵐の歌」です。

Zelda Original Soundtrack – Song of Storms

この楽曲では、「5-6-b7-6」のボイスリーディングを使っている点は先ほどの楽曲と共通しています。

しかしコード進行は「i – IV」ではなく「i – ii – bIII – ii」となっており、ファンキーな雰囲気はそこまでありませんが、軽快さがあります。

ドリアンモードを使ったゲーム音楽

それでは、楽譜を見ながら聞いてみましょう。

The DORIAN Mode Feels MYSTERIOUS (among other things)

ドリアンモードを使ったゲーム音楽の総まとめ

このシリーズでは、ドリアンモードを使ったゲーム音楽を多数ご紹介しました。

とても盛りだくさんの内容でしたが、ドリアンモードを使って楽曲にさまざまなバリエーションが加えられることをご理解いただけたかと思います。

・ダークでシリアス雰囲気
・アツいバトルの雰囲気
・ファンキーでオシャレな雰囲気

当サイトでは他のモードについてもゲーム音楽をベースに解説していますので、ぜひ併せてご覧ください↓