キャッチーな曲の作り方・コツは?「Max式作曲法」を解説!
今回はこのような疑問にお答えする内容です。
天才プロデューサー・Max Martinが手がけた曲の中で、特に日本人に馴染みのある曲はこの3つでしょう。
実はこれらの曲にも、今回ご紹介する「Max式作曲法」が使われています。
ヒット曲を作る大切なコツが盛り沢山ですので、ぜひ最後までご覧ください。
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Max式作曲法1.メロディーが「王様」
1つ目のMax式作曲法は、「メロディーが絶対的な存在である」です。
Maxはとあるインタビューで、こう答えています。
「メロディーを最初に書くことで、そうでないものから書き始めた時よりも自由になれるんです。」
「いいメロディーがあるというのは、とても大事なことです。
いいメロディーができたら、それに沿って曲を作っていきましょう。
複雑にしすぎないようにすることが大切です。」
メロディーと作詞の関係
また、Katy Perryの「California Gurls」でMaxと曲作りを共にした作詞家のBonnie McKeeは、このような発言をしています。
「(作詞は)とても数学的です。1行にある一定数の音節しか使えないですからね。そして次の1行は、まるで鏡で写したように全く同一でなくてはなりません。」
「もし音節を1つ足したり抜いたりしたら、それはもう、Maxにとっては完全に全く違うメロディーなのです。」
「私は自分が賢い・クレバーだと思ったものを書けます。しかし正しく聞こえてないと、Maxは興味を持たないんです。」
これらの発言からも、Maxはメロディーを「王様」として重要視していることがわかります。
Katy Perry「California Gurls」の作詞パターン
Califolnia Gurlsの作詞パターンは、次のように表せます。
(画像:解説動画より)
それぞれ歌詞で使っている言葉は違いますが、A・B・C・Dそれぞれに使ってる音節の数は全く同じです。
(画像:解説動画より)
B:6音節
C:8音節
D:12音節
キャッチーな曲にするコツ
これが、Maxの曲がいつもキャッチーである理由といえるでしょう。
もともとのメロディーに歌詞をあてるだけでなく、音節数もぴったりそろえるのです。
Max式作曲法2.サビを開始から50秒以内に登場させる
2つ目のMax式作曲法は「サビを開始から50秒以内に登場させる」です。
今となっては珍しい手法ではありませんが、Maxの登場以前はあまり使われていませんでした。
できるだけ早くサビを聞かせる
通常の楽曲は、Aメロ・Bメロ・サビという流れで楽曲が進みます。
しかしキャッチーなサビをできるだけ早く聞かせたいので、時にはBメロをカットし、Aメロが終わったらすぐサビに移るような構成にすることもあります。
できるだけ早くサビを聞かせる実際の例
実際にMaxが手がけた楽曲の例を見てみましょう。
確かにどの曲も、最初の50秒以内にサビが始まっていることがわかります。
0:42からサビ開始
0:47からサビ開始
0:30からサビ開始
0:44からサビ開始
0:38からサビ開始
0:42からサビ開始
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Max式作曲法3.3~4以上のパートを使わない
3つ目のMax式作曲法は「曲中でメロディックなパートを3~4個以上使わない」です。
Maxの有名な作曲術に、「新しい要素を加えるのは1度に1つだけ」というものがありますが、これに関連していますね。
Maxはとあるインタビューで、こう話しています。
「多くの情報を使いすぎてはいけないと思います。」
「スッキリと洗練させたように聞かせることは、僕が非常に苦しむところです」
「映画のように、1度に付け加えられる新しい情報は1つだけ。
一番最初のシーンで10人ものキャラクターを登場させることはできないのと同じです。
次に出てくるものの準備をする前は、1つだけ知りたいですよね。」
最小限のパート数で楽曲を作ることが、Maxの曲がヒットした理由の1つと言えるでしょう。
Max式作曲法4.メロディーパーツをリサイクル
4つ目のMax式作曲法は「メロディーパーツをリサイクルする」です。
あるメロディーを、曲中で何度もリサイクルしながら使っていくのです。
例えば、Aメロで使ったパートを別パートとしてサビで使ってみます。
心理学的にいうと「単純接触効果」を使っていることになります。
同じ要素を何度も聞かせることで、純粋に「いいものだ」「魅力的だ」と思わせることができるのです。
Kety Perry「E.T」での実用例
メロディーパーツをリサイクルしているいい例が、Kety Perryの「E.T」です。
Aメロで使われていたメロディーが、サビで「リサイクル」されています。
Aメロ(Katyパート)は1:03~、サビは1:41~ですが、比較して聞くとメロディーがほとんど同じです。
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Max式作曲法5.バランスを取る
5つ目のMax式作曲法は「バランスを取る」です。
たとえば…
→サビでは対照的にリズミカルではない、ロングトーンを多めにしたメロディーにする
→サビはテンポとぴったり合わないリズム
Maxはとあるインタビューで、こう話しています。
「砂糖と塩で考えるとわかりやすいですが、常に『バランス』が大事です。
甘すぎもしょっぱすぎもダメです。
例えばAメロがちょっとごちゃごちゃしているなら、その後は少しシンプルにさせた方がいいでしょう。
楽曲を通して「変化」が必要なんです。
テイラー・スウィフトの『Shake If Off』がいい例で、ドラマの向こうにある『数学』が非常にはっきりしています。
つまり、きちんと計算して作っているのです。」曲中でコードがたくさん変わる場合は、同じメロディー構成に留めておいた方がいいでしょう。
繰り返しになりますが、音楽においては「バランス」がキーポイントです。
Max式作曲法まとめ
今回の内容をざっくりまとめると、このようになります。
2.サビを開始から50秒以内に登場させる
3.3~4以上のパートを使わない
4.メロディーパーツをリサイクル
5.バランスを取る
Max Martinの作曲術については、こちらの記事でもまとめています。
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