ラップボーカルのMIXのコツ【ディエッサー編】
今回はこのような疑問にお答えする内容です。
今回はそのうち、「ディエッサーの使い方」に関する部分をまとめています。
ビヨンセやCardi Bなども手がける超大物エンジニアが教えるテクニックですので、ぜひ今日から使ってみてください!
ちなみに今回取り上げる楽曲は「Lil Uzi Vert – Neon Guts feat. Pharrell Williams」です↓
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はじめに:ボーカル処理の順番
今回の楽曲で使われているボーカルチェインは、このような順番になっています。
(プラグインはすべてWavesの製品です)
今回解説するのは、このうちの「1.」と「7.」のディエッサーの部分です。
上記の項目をクリックするとそれぞれを解説している記事に飛びますので、気になる項目があればぜひチェックしてみてください。
ディエッサーPart1:コンディションを整えるディエッサーをかける
ボーカルミックスをするときは、強すぎるサ行(S)の部分を取り除く作業をします。
今回の楽曲では、Wavesの「DeEsser」を使ってこちらを行っています。
Before/After(4:41~)
最初はちょっと濁っている感じがしますが、しっかりSの音が抑えられています。
ディエッサーはボーカル処理で2回使うのですが、最初の段階であるこの段階では、使いすぎないようにします。
アスリートが試合前にしっかりコンディションを整えるのと同じで、この段階では、まず聞き心地の良い状態にしているのです。
Waves / Goldを購入する(サウンドハウス)
Waves / Platinumを購入する(サウンドハウス)
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ディエッサーPart2:最後に再びディエッサー
次にディエッサーをかけるのは、EQやコンプレッサーなど、一通りボーカルの処理が終わった後です。
DAWの画面で言うと、インサートエフェクトの最後の方にディエッサーをかけることになります。
一通り作業を終えるとまたキツい高音が出てくることがあるので、こちらを整えていきます。
Part1でかけたディエッサーと同じフリークエンシーレンジで、ディエッサーをかけます(Waves DeEsser)。
14:31~14:39
今回の曲の場合は、特にPharrellのボーカルをすごく薄い・キラキラしすぎている感じにしたくないので、ここでしっかり抑えます。
もちろん、そのようなサウンドが合う時もあるのですが、今回は合わないので抑えるようにしています。
ラップボーカルのミックスでは「キレイすぎない音」にすることがポイント
ポップスやヒップホップの世界だと、高音がしっかり出てキラキラするサウンドは「ちょっとキレイすぎるんじゃない?」と言われることもあるでしょう。
しかし、ディエッサーは高音域を抑えるはたらきをしますから、ちょっと”ダーティー”にすることができるので、効果的です。
高音域がしっかり聞こえると、人によっては悪い意味で「はっきりしている」「キレイすぎる」と聞こえてしまうためです。
また、ヒップホップ系のプロデューサーやラッパー自身も、ちょっと濁った感じやダーティーな感じが好きな人が多いですから、そのようなサウンドを求められた時にもぴったりです。
15:44~15:56
以上で「ディエッサー」は終了です。
次回はPart2「EQ・コンプ編①」です↓
このシリーズでは、他にもボーカルミックスについて解説していますので、ぜひこちらもご覧ください↓
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