太くパンチのあるキックを作る方法 Step2「レイヤー」
- 2019.07.08
- 2024.08.11
- ミキシング・マスタリング
今回は、Ableton認定トレーナーでエレクトロニックミュージックプロデューサーのLenny Kiserが解説する「シンプルな方法でキックを太くパンチのあるサウンドにする方法」をまとめました。
この記事では、このうちStep2「レイヤー」についてまとめています。
音楽プロデューサーにとって、キックはみなさんのサウンドを決定づける重要な役割を果たしています。
この機会に、かっこいいキックの作り方をマスターしましょう!
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レイヤーとは?
レイヤーとは、2個以上のサンプルを使って、1つの音にすることです。
キックの場合、例えば片方を「トップキック」として中〜高音域の部分を鳴らし、もう片方を「ボトムキック」として、低音部分のみを鳴らします。
レイヤーで役割を分け、役割ごとにEQをしよう
トップキックは人間の耳によく聞こえる部分で、ボトムキックは体で感じる部分です。
そのため、トップキックはアタック(トランジェントや高音域の鳴り方)がいいと思ったサンプルを選び、ボトムキックは「ボンッ」という低音域〜中低音域の鳴り方がいいと持ったサンプルを選びましょう。
サンプルを選び終わったら、トップキックからはボトムキック部分の周波数(低域)を削り、ボトムキックからはトップキックの周波数を削ります。
こうすれば、「トップキックとボトムキックの低域がぶつかっている」ということがなくなります。
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レイヤーをして1つのキックにしよう
同時に「トップ」と「ボトム」の2つのキックを鳴らしながら、以下の2つをチェックしましょう。
・1つの「いいキック」として聞こえる?
この2つをチェックしながらEQを動かし、いいなと思ったところで立ち止まりましょう。
このとき、50Hz以下の低音域をきちんと確認できるようにサブウーファーかヘッドホンを使うのがおすすめです。
その他レイヤーをするコツ3つ
その他、キックのレイヤーを作るときに使えるコツが3つあります。
・「トップとボトム」の2つではなく、「トップ」「ボディ」「サブ」の3段レイヤーにしてみる
・シンセサブキックのレイヤーを使ってみる
特に、最後の「シンセサブキックのレイヤーを使ってみる」は非常に使えるテクニックですので、詳しく解説します。
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シンセサブキックをレイヤーしてもっとパンチを出す
「シンセサブキック」とは、シンセサイザーで作ったとても低いキックのような音のことです。
例えば、とてもシンプルなサイン波のエンベロープを調整してプラック(Pluck)のような音にすることで、低い音で鳴らすと「ボンッ」というキックのような音になります。
シンセサブキックを混ぜる方法のいいところは、よりキックの長さやパンチをコントロールしやすくなることです。
・それをどれぐらい持続させるか(Decay)
より速いAttackにすればパンチのあるキックになり、長めのDecayにすればより大きく聞こえ、より大きく聞こえればキックがより長く聞こえるようになります。
「ボンッ」という短い音にすることもできれば、「ボーン」という長めの音にすることも可能です。
シンセサブキックはシンセサイザーで作ることができるので、このようにエンベロープを調整しやすく、キックの長さや太さも自由に調整しやすいのがメリットです。
シンセサブキックの作り方3つ
シンセサブキックを作るのにおすすめの方法を3つご紹介します。
シンセのプリセットを使う
「Serum」「Massive」などの有名シンセサイザーや、DAW付属のシンプルなシンセサイザーであれば、シンプルなサイン波(Basic Sine)のプリセットが使えることがあります。
Cubaseでシンセサブキックを作る
Serumでシンセサブキックを作る
「Max4Live Drumsynth Kick Device」を使う
「Max4Live Drumsynth Kick Device」は、Ableton Liveに付属しているツールで、太いアナログキックを作るのに適しています。
「Bazzism」を使う
Bazzismは、シンプルなキックベースを作るためのプラグインです。
↓Part3はコチラ↓
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