世界のプロがやっている「マルチバンドボーカルミキシングテクニック」
- 2024.08.13
- 2024.08.16
- ミキシングのコツ
今回は、音楽プロデューサーのStreakyが教える「世界的プロがやっている”マルチバンドボーカルミキシング”」をまとめました。
メインボーカルはしっかり前に出て聞こえて、バッキングボーカルはそれを邪魔することなく、メインボーカルと一緒に楽曲を持ち上げていく感じ…
こんな理想的なボーカルミキシングをするには、一体どのようにしたらよいのでしょうか?
この記事では、世界的なプロエンジニアが実際に使っているテクニックをご紹介します。
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はじめに:今回ミックスするボーカルを聞いてみよう
まずはじめに、今回ミックスするメインボーカル(1人)とバッキングボーカル(2人)を聞いてみましょう↓
0:45~0:55
悪くはありませんが、何だかアマチュアっぽく聞こえて、3人が一緒に歌っているように聞こえません。
また、バッキングボーカルがメインボーカルを邪魔してしまっていて、メインボーカルが「メイン」に聞こえない問題もあります。
それでは、ここから具体的にどのようにしてプロのようなボーカルにしていくのか、ミックスのコツを解説していきます。
ボーカルミキシングのコツ1:グループにまとめる(Busトラックを作る)
まずは、バッキングボーカルを「グループトラック」にまとめます。
「Bus」「サミングスタック」など、DAWによって呼び方は異なりますが、いわゆる「グループ」を作ります。
グループとしてまとめることで、複数トラックあるバッキングボーカルを1つにまとめ、同じ処理を一気に行うことができるようになります。
これはただ便利なだけでなく、「同じ処理を行うことでどのトラックも同じような音にすることができる」、つまりまとまりのある音に仕上げることにもつながります。
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ボーカルミキシングのコツ2:EQとマルチバンドコンプレッサーを追加する
次は、バッキングボーカルにEQとマルチバンドコンプレッサーを追加します。
最初に使うのはEQで、今回はFabFilter社「Pro-Q3」を使っています。
200Hz以下は必要ないのでカットし、200~300Hz付近はモコモコした音になる原因になりやすいので、ダイナミックEQを使用して減らすように設定しています。
次に使うのはマルチバンドコンプレッサーで、今回はFabFilter社「Pro-MB」を使っています。
このマルチバンドコンプを使うときのポイントは、主に3つあります。
・180~5000Hzを抑える設定にして、音を少し薄くする
(900~5000Hzはレンジを広めに)
・5000Hz以上は少しだけアップワードコンプレッションをさせる
※Rangeをプラス方向に設定していると、Upward Compressionを行う。この場合は、Thresholdを超えなかった音の音量を上げる。
・どのバンドもAttackは中ぐらい、Releaseは速め
それでは、このEQとマルチバンドコンプを使ったバージョンの音と元の音を比較して聞いてみましょう(3:41~↓
バッキングボーカルはメインボーカルを邪魔せず、しかし両方ともしっかり存在感を出しています。
マルチバンドボーカルミキシングテクニックのメリット
先ほどご紹介したEQやマルチバンドコンプでは、バッキングボーカルの特定の帯域を減らしたり、抑えたりしました。
これは、メインボーカルにとって重要な周波数帯域を譲ってあげるためです。
バッキングボーカルもそのような周波数帯域をたくさん含んでしまうと、メインボーカルに含まれているこの周波数帯域と被ってしまい、お互いの音が邪魔してしまいます。
バッキングボーカルの方を抑えすぎてしまうと、メインボーカルは目立つかもしれませんが、バッキングボーカルはもはや消えてしまうかもしれません。
そのため、「メインボーカルもバッキングボーカルも両方存在感はありながら、メインボーカルの方が優先して前に聞こえる」という塩梅を探すことが大切です。
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リバーブをかけるとさらにプロっぽくなる
ここで、リバーブ(Valhalla VintageVerb)を使って、さらにプロっぽいバッキングボーカルにした例もお聞きいただきます(5:02~5:13)↓
リバーブも合わせると、たった3本のトラックでもプロのようなサウンドに仕上げることができます。
ぜひお試しください。
なお、当サイトでは他にもたくさんのボーカルミキシングテクニックをご紹介していますので、ぜひこちらもご覧ください↓
今回の解説で登場したプラグイン一覧はこちら↓
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