「位相問題」とは?原因と対処方法も解説!【DTM・オーディオ】

「位相問題」とは?原因と対処方法も解説!【DTM・オーディオ】
位相問題って何?
どんな時に起こるの?どうやってチェックするの?

今回はこのような疑問にお答えする内容です。

Universal AudioのDaniel Keller氏による「位相問題」の解説をまとめました。

位相」と聞くと、レコーディングやミキシングのときだけ関係しているのでは?と思っている人がいるかもしれません。

しかしこの位相問題は、アレンジなどの早い段階から発生することもあり、どの段階でもこまめにチェックする必要があります。

そのため、こちらの記事はミキシングエンジニアやレコーディングエンジニアだけでなく、作曲家やアレンジャーなどにも関わる内容です。

位相と位相問題について理解し、よりよい音楽を作れるようにしましょう!

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位相(フェーズ)とは?

位相(フェーズ)とは、音の波のことです。

理科の授業で習った通り、音は空気を振動して作られますが、音を絵にすると波のような形になっています。

https://www.uaudio.jp/blog/understanding-audio-phase/

これは、2本のマイクで音を録音したときの波形です。

位相が正常だと、2本のマイクで同じ音を録音したときも、全く同じような動きになります。

位相の問題が起こるとどうなる?

それでは、位相の問題が起こるとどうなるでしょうか?

こちらの画像をご覧ください。

https://www.uaudio.jp/blog/understanding-audio-phase/

これは、位相の問題が起こって完全に逆位相になっているケースです。

波形は山がいくつも連なっているように見えますが、この山の形が真逆になっています。

こうすると、片方の音で上方向(+方向)に動いた分と同じだけ、もう片方の音で下方向(-方向)に動いてしまうため、同時に鳴らすとプラスマイナスゼロになってしまい、音に変化が出ます。

位相の打ち消しが起こるとどうなる?

・位相の打ち消しは、特に低音域に顕著に現れる
・基本的に低音がほとんどない、または全くない薄い音に聞こえる
・キックやベースギターでは、ある一箇所から鳴っているような音ではなく、動き回っているように聞こえる
・中央から聞こえる音が消えたとき、片側から聞こえる音だけが強く残る
(リードボーカルやソロ楽器に出てくるケース。メインパートは消え、リバーブだけ残るなど。)

位相の打ち消しが起こると、音がこのように変化してしまいます。

そのため、音楽制作において位相の問題は避けるべき重要なポイントになります。

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位相の打ち消しが発生しやすいケース

位相の衝突が発生しやすいケースは「1つのソース(楽器)に対して1つ以上のチャンネルが使われるとき」です。

言い換えると、使うマイクの数が多ければ多いほど、位相問題が発生しやすくなります。

位相問題が起こるメカニズム

1.別の周波数の音波が別のマイクに異なるタイミングで到達する

2.他のマイクが負の位相をキャッチしている間、別のマイクでは正の位相をキャッチする

3.全ての音波の位相が予測できない状態になる

特に位相の打ち消しが発生しやすいケースは、このようなシーンです。

・1つのギターをステレオで録音するとき

https://www.uaudio.jp/blog/understanding-audio-phase/
・スネアのレコーディングをするとき
https://www.soundonsound.com/sound-advice/q-what-mics-on-snare-drum

楽器の上と下にマイキングし、トップヘッド・ボトムヘッドに分けることが多いです。
さらに、トップヘッドを打ったとき、トップヘッドは内側に動き、ボトムヘッドは外側に動くため、2つのマイクは真逆の位相で録音されることが多いです。
・ディレイを使うとき
リバーブプラグインにおけるPreDelayを含みます。
元の信号(ディレイをかける前の音)と位相の問題を起こすようなディレイ音を作ってしまうことがあります。

位相問題チェック項目

このような位相の問題を避けるため、これらの項目をチェックしましょう。

・誤ってチャンネルの極性を反転させてしまっていないか?
モニター配線を逆極にしていないかをチェックしましょう。

・聞く音源をモノラルにしてみる。
モノラルにして聞くと、位相の問題に気付きやすくなります。

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位相問題とは?まとめ

今回は位相問題(位相の打ち消し)について解説しました。

位相の問題はミキシングやマスタリングのときだけでなく、アレンジの段階から発生することもあるため、作曲に関わる全てのシーンで気を付ける必要があります。

ぜひ今回の内容を活かして、音楽制作をしてみてください。

もう少し音響科学を勉強したいなと思った方には、こちらがおすすめです。


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