リズムやメロディー、コード進行のマンネリ化を防ぐ方法【音楽と数学】
- 2024.08.08
- 2024.08.13
- 作曲全般
今回は、Morgan Hendryが解説する「音楽で順列を活用する方法」をまとめました。
「数学」と聞くと少し難しそうに思えるかもしれませんが、実は誰でも簡単に、音楽でリズムやコード進行のマンネリ化を防ぐために活用できます。
今回は、「そもそも順列とは何か」からおさらいし、実際に音楽制作ではどのように活用していくかをご紹介します。
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数学の「順列」とは?
「順列」は、みなさんが数学の授業で習った「並び順のパターンを決める方法」です。
例えば「5人の中から1人を学級委員長に、もう1人を副委員長に選ぶとき、何通りのパターンが考えられるか?」「10人の中から、5人のリレー選手とその走順を決めたい」というときに使えます。
この順列を音楽に応用すると、リズムやメロディー、コード進行の並び順や組み合わせも決めることができるので、自分では思いつかないパターンを数学が導いてくれます。
問題1:AとBの並び方は何パターンある?
それでは、図を使って簡単な順列の問題を解いてみましょう。
ここに、AとBがあります。
「1度に2つ選べる」「2回連続同じアルファベットを選ぶことはできない」という条件があったとしたら、一体何パターンの並びが考えられるでしょうか?
正解は「2パターン」です。
同じアルファベットを連続で選ぶことはできないので、「AとB」「BとA」の2パターンが考えられます。
※順列では「順番」を考慮するので、どちらを先に選ぶか・後に選ぶかで「違うパターン」とみなされます
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問題2:AとBの並び方は何パターンある?(重複アリ)
それでは、「AとBの2種類ある」「同じアルファベットを連続で選んでもOK」「1度に2つのアルファベットを選べる」という条件だったら、何パターンの並び方が考えられるでしょうか?
「重複アリ」という条件があるので、先ほどよりもパターンは増えるでしょう…
正解は「4パターン」です。
先ほどの「AとB」「BとA」に加え、重複OKなので「AとA」「BとB」も追加されます。
順列の公式は「nのr乗」
これまでのパターンはすべて「nのr乗」という数式で解くことができます。
r:1度に選べる要素の個数
例えば先ほどの「AとBの2種類から、1度に2つのアルファベットを選ぶことができる」という問題の場合は、「2種類の中から1度に2つ選べる=2の2乗=4パターン」となります。
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数学の順列を音楽に応用する方法
それでは、数学の順列を音楽に応用するにはどうしたらよいのでしょうか?
まずは、ドラムを使った簡単な例を見てみましょう。
例えばAを「ドラムで音を鳴らすとき」、Bを「休符」とします。
そして先ほど問題で解いたAとBの4パターンの並びに当てはめて、楽譜に表すとこのようになります。
「音符・休符」「休符・音符」「音符・音符」「休符・休符」の4パターンがあり、それぞれのペアの順番を自習に入れ替えて楽譜に並べました。
2種類の音を使って、同時に3つの音を選べる場合(三連符の例)
順列は、三連符をベースにするときも使えます。
例えば「音符」と「休符」の2種類があり、1拍につき3連符1つ=1度に3つ選べるので、「2の3乗=8パターン」が使えます。
8パターンあるので、三連符1個につき1拍にすると、ちょうど2小節分の長さになります。
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ドラムで4096通りのパターンを考える方法
これまでの順列の方法をドラムセットに応用すると、「右手」「左手」「右足」「左足」に対し、それぞれのパターンを当てはめることができます。
例えば先ほどの三連符の例を使うと、手足の片方につき8パターンありますので、8の4乗=4096通りのパターンが考えられます。
16分音符単位だと65536通りのパターンが作れる
ベースにする音符の長さを変更すると、それだけ作れるパターンの数も変わります。
例えば8分音符の場合は全部で4通りですので、4の4乗=256通りとなります。
8分音符の三連符の場合は4096通り、16分音符の場合は65536通りになりますので、マンネリ化を簡単に防ぐことができます。
加えて、1小節の長さでこのパターン数ですから、例えば「2小節ごとの組み合わせ」になれば、さらに数は増えます。
全パターンを使用したときにかかる時間は?
ちなみに、BPM120の曲でこれらのパターンを全て使ったときにかかる時間は、次のようになります。
4096パターン使う:34分
65536パターン使う:9.1時間
全く同じパターンの小節をゼロにした場合でも、2分の楽曲が作れることになります。
極端な例ではありますが、音楽の可能性を無限大に感じる数字です。
おすすめの順列計算サイト
こちらのサイト「mathsisfun.com」では、順列のパターン数を計算するだけではなく、実際の組み合わせを文字で表示してくれます。
例えば「a,b,c,dの4要素の中から、1度に4つ選べる場合」の結果はこのように表示されます。
文字は任意で選べますので、例えば「♪」「♫」「♬」「r(休符)」にすると、このように表示されます。
このようなサイトも、ぜひご活用ください。
リズムやメロディー、コード進行のマンネリ化を防ぐ方法まとめ
今回は、数学の「順列」を使ってリズムやメロディー、コード進行のマンネリ化を防ぐ方法をご紹介しました。
n:全部で何個の要素から選べるのか?
r:1度に選べる要素の個数
1度に2つ選べる=8分音符
1度に3つ選べる=8分音符の3連符
1度に4つ選べる=16分音符
自分では思い浮かばないような斬新なアイデアが欲しい方は、ぜひご活用ください。
当サイトでは、他にも作曲のマンネリ化を防ぐ方法をご紹介していますので、ぜひこちらもご覧ください↓
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