【DTM】パーフェクトなドラム打ち込みの6つのコツ 前編
曲に合ったドラムの音作りをするには、どうしたらいいの?
今回はこのようなお悩みを解決する内容です。
今回は前半として、1~3個目のTipsをご紹介します。
2.チューニングをしてみよう
3.レイヤーをしてみよう
楽曲はドラムの音によって大きく印象が変わりますので、作曲においてドラムの音選びや音作りはものすごく重要です。
ここからは、曲に合ったドラムサウンドを選ぶ・作るコツをご紹介していきます!
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ドラム打ち込みのコツ1.適切な音選びをしよう
僕(Beat Academyの解説者)がDTMを始めた頃は、ドラムを打ち込む時、まずは「とりあえず音を選んで、ビート(パターン)を作る」というところから始めていました。
この時は「とりあえず打ち込んでいる」なので、「キックがスネアにマッチしているかどうか?」などはあまり考えず、気にすることもありませんでした。
しかし選んだ音によっては、他の音と同時に鳴らすとうまくブレンドしない(マッチしない)ということがあります。
たとえば、こちらのパッドサウンドはとてもゆったりとしている雰囲気があります↓(1:00~1:12)
さて、次はドラムです。
今回は、Ableton Liveのドラムラックを使って、パターンを打ち込んでいます。
ちょっとこもりつつもビッグな感じのするスネアと、ドスンとしたキックです。
1:37~
悪くはないけど何かが足りない…と思ったら?
これを聞くと、別に「間違っている」とは思いませんし、ある程度マッチしているように聞こえます。
しかしここでパターンは同じで違う音を使ってみると、かなり違いが出てきます。
たとえば、キックはより「小さい」感じのするタムの音に、スネアは「コンッ」としたリムの音に変えてみましょう↓
2:37~
パターンは全く同じなのに、全然違う曲に聞こえますね。
ここで、もう少し手を加えてみます。
リムの音がキックの音よりも大きすぎる感じがするので、ベロシティーを下げてみます。
逆に、タムのベロシティーはさらに上げてみます。
3:08~
違うセクションに使える
こうしてみると、最初に打ち込んでいたパッドの音に対して、よりマッチしているように聞こえます。
Aメロなどに使えそうなパターンです。
逆に、最初に入れた強めのドラムは、サビなどのよりエネルギーが出る場所には合いそうです。
2つ目のドラムパターンは少し後ろに引き下がる感じがするので、Aメロなどの静かな場面に使えそうな雰囲気です。
4:17~4:34
作りたい雰囲気に合ったサウンドを選ぼう
ここまでご覧いただいた通り、パターンは同じでも、選ぶサウンドによって雰囲気が大きく変わります。
もちろん選ぶサウンドは自分が作りたい曲のイメージやその人の好みによって変わりますが、「使う音によって雰囲気が大きく変わる」ということはよく覚えておきましょう。
「よりよい音があるのではないか?」
などを自問自答しながら制作していくといいでしょう。
この時、自分が作りたい曲の雰囲気に近い「リファレンス曲(参考曲)」を用意しておくと、自分のイメージを見失わず、適切なドラムサウンドを選べるようになります。
ドラム打ち込みの2.チューニングをしてみよう
「曲のキーに合うようにチューニングした方がいい?」
このような、ドラムサウンドのチューニングに関する質問をよくいただきます。
基本的にすぐ使える・チューニングが必要ないようなサウンドを使っているので、個人的にはあまりチューニングはしません。
しかし、タムやキックなどにはすごく音程感のある、トーナルなサウンドもあるでしょう。
トーナルなサウンドとそうでないサウンド
例えばこちらのタムとキックの音。
タムははっきり音程があることがわかりますが、キックはそうではありません。
6:43~6:53
実際にチューニングを使ってみると、キックの音に対してチューナーは反応しませんが、タムの時はチューニングが反応し、しっかりと「音程」をとらえています。
もちろん、厳密に言えばキックもある周波数帯域にピークが来ていると思いますが、人間の耳にはそれがわからないレベルです。
タムをチューニングしてみよう
今回はタムがトーナルなサウンドですので、曲のキーに合うように調節してみましょう。
最初はAがベースになっていましたが、キーがF#ですので、F#になるように音をトランスポーズ(-3)してみます。
また、トランスポーズした音がパッドの音に合うように、Detuneもしておきましょう。
このようにチューニングをすることで、タムの音がより適切な場所で鳴っているように聞かせることができます。
7:40~8:05
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ドラム打ち込みの3.レイヤーしてみよう
レイヤーは、複数の音を重ねて音に深みを与え、しっかり鳴らすのに効果的なテクニックです。
今回は、タムに対してより深みを与えるためのレイヤーをしてみます。
どんな成分を足そう?
タムにはEQをかけて、低域の中で「幹」の部分を見つけ、ブーストしておくというやり方ももちろんできます。
しかし、ここで別のキックを加えることで、ローエンドがよりしっかりと聞こえるようになります。
今回のタムの音はアタック音が目立ちますので、よりローエンドが目立つ重めのキックを重ねることで、「タム+キック=ドスンとしたキック」になるわけですね。
ちなみにこのテクニックは、タムだけでなくキックに対しても使えます。
つまり、「タム+キック」でもいいですし、「キック+キック」という組み合わせにしてもOKです。
レイヤーするコツ
レイヤーするキックを選ぶときは、808系のように長すぎたり、ビッグな感じがしすぎない音を選ぶのがポイントです。
レイヤーすると、このようになります↓
10:23~10:32
レイヤーするときもチューニングしてみよう
キックをレイヤーしたことで、少しトーナルな感じが出てきましたね。
チューナーを使って確認すると、「G」として反応しています。
曲はF#メジャーですので、このキックもF#にチューニングし、よりマッチするようにしましょう。
それでは、レイヤーした音を聞いてみましょう!
11:12~11:23
足してみると分かる
最初にタムの音だけ使っていたときは「これでもいいな」と思ったと思いますが、キックの音をレイヤーするとより前に出るような感じや、ずっしりした感じに聞こえ、「こっちの方がいい!」「これこそ自分が求めていたキックの音だ!」のように思ったでしょう。
実際に、レイヤーする前のタムだけの音を聞くとものすごく物足りなく感じませんか?
これが、レイヤーのよさであり、大切なポイントです。
後半はこちら↓
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