ミキシング(MIX)上達のための7つのトレーニング-前編-
いいエンジニアになるための習慣ってあるの?
今回は、このようなお悩み・疑問にお答えする内容です。
今回は前編として、7つのトレーニングのうち4つをご紹介します。
ミキシングの腕を上げるためのトレーニングを、ゲーム感覚でできるように紹介しています。
初心者の方から上級者の方まで、今日から誰でもスタートできます!
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ミキシングトレーニングで使うもの
このトレーニングをする前に、まず以下の2つを用意しましょう。
・マルチトラック(パラデータ)
「マルチトラックがない!」という人は、ネットでリミックスコンテストを行なっているサイトを探してみてください。
リミックスコンテストでは、企業やアーティストが多くの場合無償でマルチトラックを提供しています。
マルチトラックはリミックスコンテストに提出しなくてもダウンロードできますので、それを利用しましょう。
サイトによっては非合法的にマルチトラックを配布しているところがあるので、そこからはダウンロードしないでください!
この2つを用意したら、いよいよトレーニング開始です!
ミキシングトレーニング1. スピードラン チャレンジ
これは、タイマーをセットしてミキシングをゼロから完成の状態まで進めるチャレンジです。
「時間内にミキシングを仕上げる」というトレーニングが、あなたのスキルアップの助けになります。
このトレーニングで高められるスキル
・自分のミキシングの問題点を見つけ、正すことができるスキル
進め方・ルール
1.タイマーを、いつも自分がミキシングにかける時間より少し短めに設定します。
2.タイマーをスタートさせ、ミキシングにとりかかります。
3.タイマーが鳴ったらおわり!手を止めます。
4.次の日も、もう一度同じマルチトラックを使ってゼロからチャレンジを行います。
これを3~4日間繰り返してください。
5. 3~4回チャレンジを行なったら、1週間ほどそのミキシングから距離を置きます。
距離を置くことで、そのミキシング(マルチトラック)に対しての考えをリセットします。
「もっとミキシングをゴリゴリやりたいぞ!」という方は、このブレイク期間に全く別のマルチトラックで新しいチャレンジを始めてもOK!
6.作ってきたミックスをジャッジ・評価します。
最後にジャッジ・評価をするときは、「どのミックスがよかったか?」と考えないでください。
それぞれのミックスに対し「よかった点と悪かった点」をそれぞれ挙げていきましょう。
ノートやワードなどで表を作り、評価の詳細をまとめるといいでしょう。
その評価をざっと見て、もしそれぞれのミックスに共通の改善点があったら、しめたものです!
今後はそこを重点的に直していきましょう。
先入観にとらわれずに評価するには?
可能であれば目隠しでA/B比較を使いましょう。
ミキシング・プロジェクトの名前に影響されて評価を下してしまうのを防ぎます。
たとえば「これは最後に作ったやつだから、一番いいやつに違いない」という先入観を防げます。
確かに、チャレンジをやればやるほどスキルが上がればそれに越したことはありません。
しかし、一番大事なのは「それぞれのミックスにどんな特徴があるのか」を把握することです。
相違点や共通点を探すことの方が重要です。
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ミキシングトレーニング2.シングルプラグイン チャレンジ
これは、「たった1つのプラグインしか使わずにミキシングする」というチャレンジです。
プラグインは1つしか使えないので、今までは思いつかなかったようなアイデアが出てきます。
「今回はリバーブプラグインしか使わないと決めたけど、ディレイの効果を入れたい…」
↓
「オーディオをそのままコピペして位置をズラし、ディレイのようにするのはどうだろう?」
「フレンジャーやハース効果なども、この考え方があれば実現できそう!」
このように、このチャレンジでは新しいアイデアを生み出す想像性も高められます。
このトレーニングで高められるスキル
・より早く、効率的にミキシングを進めるスキル
・新しいアイデアや工夫を生み出すスキル
ルール
・ミキシングで使うプラグインを1つだけ選び、ミキシングしましょう。
初心者の方は、iZotope社のNeutronなど、1つのプラグインにEQ・コンプレッサー・エキサイターなどが入っているのがおすすめです。
・PanやGain(音量)、オートメーション、位相の反転など、プラグインでない機能は使ってもOKです。
ミキシングトレーニング3. サブトラクティブ ミキシング チャレンジ
サブトラクティブは「引き算、減らす」という意味です。
つまり、このチャレンジは何かをいつもより減らしたり、なくした状態でミキシングするトレーニングです。
このトレーニングで高められるスキル
・ミキシングにおける「最低限」「限界点」を見極めるスキル
進め方
同じマルチトラックを、毎回別のルールでミキシングします。
たとえば1回目は「EQなしでミキシングする」、2回目は「コンプレッサーなしでミキシングする」など、何かをなくしたり、減らしたりするルールを課します。
ここからはいくつか例をご紹介します。
コンプレッサーなしでミキシング
コンプレッサーはミキシングでは基本のプラグインですが、これを使わずにミキシングしてみてください。
コンプレッサーが使えないので、やってみるとこのような気づき・発見があると思います。
→オートメーションやサチュレーション、周波数を操作することで調整できるかも?
→コンプレッサーの効果を実感
EQなしでミキシング
これはかなり難しいと感じるかもしれませんが、こちらも非常に勉強になります。
EQなしでミキシングすると、このような気づきを得られるかもしれません。
・小さい音量で再生すると、高音と低音は聞こえにくくなるな。
これをミキシングに利用しよう。
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ミキシングトレーニング4.プロダクション ミキシング チャレンジ
これは、「自分の好きな曲をサンプリングし、そのサンプルを使って曲を作ってみる」というチャレンジです。
一見、ミキシングというよりもプロダクションやアレンジにフォーカルしたトレーニングのように見えますが、実はそうでもないのです。
限られた素材を使って曲を作ろうとすると、アレンジの内面・外面を学ぶ必要性が出てきます。
また学ぶだけでなく実際に試す必要が出てくるので、こういった経験がミキシングや音楽全体への理解力向上につながります。
このトレーニングで高められるスキル
・限られた素材を使って曲を作るスキル
進め方
1.好きな曲をDAWにインポートする
2.インポートした曲をサンプリングする(楽曲の素材作り)
サンプリングのコツは、ある楽器が独立して鳴っている箇所があったら、その部分をサンプリング(GET)すること。
たとえばキックしか鳴っていない箇所があれば、そこをサンプリングしましょう。
同様に、コードパッドしか鳴っていない箇所があればそこもサンプリング。
曲作りに使える素材をどんどんGETしていきましょう。
3.サンプリングした素材を使って、8小節のループを作る
もし素材がうまく使えなかったら、サンプラーに入れて加工して使いやすくしてもOKです。
4.作った曲をミックスする
作った曲はマルチトラックになるので、このままミックスしちゃいましょう。
「スピードラン チャレンジ」で使えるトラックにもなりますね。
ミキシングトレーニングまとめ
今回はミキシングトレーニング7つのうち、4つをご紹介しました。
1. スピードラン チャレンジ
2.シングルプラグイン チャレンジ
3. サブトラクティブ ミキシング チャレンジ
4.プロダクション ミキシング チャレンジ
どれもゲーム感覚でできるおもしろいチャレンジですので、ぜひトライしてみてください。
残り3つは後編でご紹介します!
↓↓↓後編はコチラ↓↓↓
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