ミキシング初心者がやりがちな5つの間違い
今回は、このようなお悩みをお持ちの方に役立つ内容です。
5つの間違いによって起こるミックスの問題と、解決方法を合わせて紹介しています。
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ミキシング初心者の間違いその1:加工しすぎる
初心者がやりがちな間違いの1つ目は、1つのトラックに対し、何重にも重ねてプラグインを追加するなど、加工しすぎることです。
初心者の方の中は、ネットでチュートリアル動画・解説記事などを見て学んでいる方がいるでしょう。
そしておそらく、その解説者の人がいろいろな加工をしているのを見て、自分もそうしてしまうことがあると思います。
しかしここで大事なのは、その解説者の人は、どのプラグインがどのような目的で使われているかをきちんと把握しているから、色々な加工をしているということです。
逆に初心者の方がよくわからないまま同じことをしようとすると、プラグインを使う意図を把握しないままむやみに加工を繰り返してしまいかねません。
解決策
この間違いを避けるためには、「今やろうとしてる加工に関して、正しい動きは何か・なぜこれをやるべきなのかをきちんと調べること」「新しい音づくりを実験してみる」が有効です。
ただし、ミキシングの段階でそのような実験をすると、ときどきそれが逆に悪影響となってしまうことがあります。
そんなときは、iZotope社の「Neutron」を使うとAIが自動で適切なミックスをしてくれるので「やりすぎ」を防ぐことができます。
ミキシング初心者の間違いその2:各トラックにリバーブを使う
2つ目の間違いは「各トラックにリバーブを使う」です。
リバーブやディレイなど「時間ベースのエフェクト」を使うこと自体には何の問題もありません。
ただし、使いすぎるとコンピューターに負荷をかけたり、ミックスがごちゃごちゃになって濃すぎるサウンドにしてしまう原因にもなります。
解決策
「リバーブとは何か?」「そのトラックや楽曲全体において、このリバーブはどんな効果をもたらすのだろうか?」ということを考えましょう。
また、1つの楽曲で使うリバーブの数を4~5個に制限するのもよいでしょう(もちろん、もっと少なくてもOKです)。
さらに、よりリバーブを効果的に使うためにAux(Sendトラック)を利用しましょう。
これで、1つ1つのトラックに対してリバーブプラグインを立ち上げる必要がなくなり、同じ設定のリバーブをたくさんのトラックに一括で使えるようになります。
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ミキシング初心者の間違いその3:位相関係に気を配らない
3つ目の間違いは「位相関係に気を配らない」です。
位相問題は、生ドラムやベースをレコーディングしたときによく発生します。
位相が不一致の状態だと、本来の音よりも音が痩せて聞こえたり、はっきり聞こえなくなったりします。
しかし2つのオーディオが逆位相になっているかどうかを見極めるのは難しいですし、誰かが教えてくれるわけでもありません。
そのため、初心者の方は位相問題のことをよく知らないまま音楽制作を進めてしまいがちです。
解決策
位相反転の機能を使って、位相反転させてみましょう。
DAWによっては位相反転の機能がついたプラグインが付属していることがありますので、「DAW 位相反転」などで検索してみましょう。
たとえばドラムのオーバーヘッドマイクのオーディオファイルを、プラグインの位相反転ボタンを使って位相反転させてみます。
オーバーヘッド:部屋の奥側に設置するマイク。LとR、2つのマイクを置く。
このとき、位相反転させた方が音にまとまりがあったり、しっかりとした音になったりするかどうか確かめましょう。
ちなみにiZotope社のプラグインでは、「Neutron」にある「Relay」機能に位相反転ボタンがついています。
この位相反転を2つのオーディオに対しいろいろな組み合わせで行なっていきましょう。
(たとえばオーディオAを位相反転させ、オーディオBは何もしない状態、など)
位相を反転させたら、どのオーディオを反転させたときが低域・中低域がはっきり聞こえるようになるのかを確認します。
オーディオデータをもらったら、まずは位相反転していないか確認することが大切です。
位相の問題をチェックするには音量メーターの確認もおすすめ
位相の問題をチェックするには、メーター系プラグインなどを使ってもよいでしょう。
例えば一番音量メーターの値が高くなった状態=すべての音域が大きくはっきり聞こえる=「位相が一致している状態」と言えます。
ミキシング初心者の間違いその4:長時間ソロの状態で作業する
4つ目の間違いは「長時間トラックをSoloの状態にして作業する」です。
確かに、ソロにして聞けばそのトラックだけを聞くことができるので、より鮮明に、正確に聞くことができます。
ネットにあるミキシングのチュートリアルなどでも、有名なエンジニアが「ソロにして確認しましょう」と言っているのを見受けますが…
彼らは、ソロにして聞くときの注意点を述べていないことがあります。
それは、ソロにして聞くと全体像を見失いやすいため、トラックをソロにしながらミキシングを進めていくのは一般的にはよくないということです。
解決策(ソロにするタイミングは?)
音の問題のある部分に一時的に目を向ける場合は、ソロにした方が適切です。
また、バランスを整えるためにグループ(Bus)をソロにして聞くのも問題ありません。
例えばボーカルをまとめたグループトラックをソロにして聞き、ボーカル系全体のバランスを整えたら、次はギター系をまとめたグループトラックをソロにして聞く…などです。
このように小さなグループ単位で問題がないかを確認しながら、その都度しっかり全トラックをまとめて聞いて、最終的なバランスを確認するとよいでしょう。
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ミキシング初心者の間違いその5:高音と低音をたくさん足す
最後、5つ目の間違いは「高音と低音を足しすぎる」です。
これは、やりすぎると耳が痛くなるなどの「耳の疲労」につながったり、ヘッドホンやスピーカースピーカーがうまく動作しない原因になります。
たとえば低域を不必要にブーストすると、音が誇張されるようなヘッドフォンやスピーカーで再生されたとき、音が歪んでしまうことがあります。
音が誇張されるような製品:より音楽を楽しむため、重低音重視の製品やダンスミュージック向けの製品などがあります
また、低音が出すぎているせいで高音域すらもマスキングされて聞こえにくくなってしまうことがあります。
低音のせいで高音域がマスキングされてしまう原因の解説記事
解決策
iZotope社の「Tonal Balance Control」などをマスター(Stereo Out)に追加し、全体の周波数バランスをチェックしましょう。
今作っている曲と似ている曲を参考曲としてプロジェクトに取り込み、同じようなミックスバランスになるように比較しながらミックスしてもよいいでしょう。
上級者向け「Ozone Advanced」
中級者向け「Ozone Standard」
初心者向け「Ozone Element」
ミキシング初心者によくある間違いまとめ
今回はミキシング初心者によくある間違いを5つご紹介しました。
1:加工しすぎる
2:各トラックにReverbを使う
3:位相関係に気を配らない
4:長時間Soloの状態で作業する
5:高音と低音をたくさん足す
また、当サイトでは別のエンジニアが解説する「ネットで見つけたよくないミキシングの方法10選」をまとめています。
非常にタメになる内容ですので、こちらも合わせてご覧ください↓
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