【DTM】ミックス(MIX)はスピーカーとヘッドホン、どっちでやるべき?【スピーカー編】
- 2020.05.21
- 2024.09.10
- 機材(ミキシング・マスタリング)
- 機材
今回はこのような疑問にお答えする内容です。
今回はPart2として、スピーカーでミキシングするメリット・デメリット、スピーカーとヘッドホンでの音の出方の分析データをご紹介します。
スピーカーでのミキシングとヘッドホンでのミキシングは、それぞれメリットとデメリットがあります。
現時点でどちらか一方しか持っていない人や、「スピーカーの購入を考えているけど、本当に買った方がいいのか迷っている」という方には非常に参考になりますので、ぜひ最後までご覧ください。
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スピーカーでミキシングするメリット
スピーカーでミキシングをするメリットは4つあります。
スピーカーMIXのメリット1: リスナーと似た環境でミキシングができる
曲をミキシングするときは、「リスナーがどのようにしてその音を聞くか?」ということを考えるのが重要です。
そのため、たとえばもしその曲がクラブで流れることを想定しているのであれば、クラブではスピーカーを使って曲が流されますから、スピーカーを使ってミキシングした方が、実際のリスナーが置かれている状況と似た環境でミキシングすることができます。
(DJはヘッドホンを使いますが、クラブにいる人=リスナーはスピーカーから流れる音を聞くでしょう)
スピーカーMIXのメリット2: 耳のダメージが少ない
スピーカーも耳の疲労を起こす可能性はもちろんありますが、耳からは物理的に離れているので、ヘッドホンの時よりもダメージは少ないです。
鬱陶しいケーブルが体の近くにあるということもないですし、イヤーカップがムレたり暑くなって不快感を覚えることもありません。
ちなみに筆者(Splice)の場合、ヘッドホンを使っている時の方が席を立って休憩時間を取る回数が多く、ストレッチを必要とする時間が長いと感じています。
スピーカーMIXのメリット3: 使っていて楽しい
スピーカーの方が、自分の部屋全体を鳴らしているような感じがしたり、使っていて楽しいと感じることが多いです。
これは音楽制作の醍醐味です。
スピーカーでミキシングするデメリット
一方で、スピーカーを使うときは、以下のことに気をつけないとデメリットを被ってしまうこともあります。
スピーカーMIXのデメリット: 音響を整えていない時のダメージが大きい
部屋の音響(吸音など)を整えていないと、聞こえてくる音に大きな影響が出てしまいます。
(ヘッドホンは部屋の壁や家具に音が反射せず音が直接耳に届きますので、部屋の大きさは関係ありません)
DIYなどで音響を整え、反響音を最小限に抑えることができれば、スピーカーの持ち味を最大限活かすことができます。
ただし、これはそれほど難しいことではありません。
ブランケットを壁にかけたりするだけでも、聞こえてくるサウンドはよりプロっぽくなります。
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データを見てみよう
ここで、実際のデータをもとに、ヘッドホンを使ったときとスピーカーを使ったときの音の出方をチェックしてみましょう。
Sonarworks社のReference Measureプラグインを使って、筆者(Splice)のスタジオのセットアップの音響を確認してみます。
筆者はKRK Rokits(スピーカー)とFocusrite Clarett 2Pre(オーディオインターフェース)、Beyerdynamic DT770 Pro 250 ohm(ヘッドホン)を使用しています。
スタジオ(部屋)にはカーテンなど、ルームトリートメントのための特別なものは置いていません。
画像:スピーカーを使ったときの周波数帯域(記事より)
画像:ヘッドホンを使ったときの周波数帯域(記事より)
上の画像がスピーカーを使ったとき、下の画像がヘッドホンを使ったときの周波数帯域を示しています。
これらの画像を見ると、Part1・Part2でお伝えしたそれぞれのメリット・デメリットがよくお分かり頂けると思います。
スピーカーの方が一部の帯域でフラットに鳴っていて、一部では少し強調されているように鳴っていることがわかります(特に120hzあたり)。
一方で、ヘッドホンは超高音域がかなりブーストされていますが、サブベース周波数あたりは、サブウーファーを使っていないにも関わらず実際の音の再現性(DAWで作った音をどれだけ正確にスピーカーから出すか)が高いと言えます。
スピーカーMIXのメリット・デメリットまとめ
ここまでPart1とPart2をご覧いただいた通り、ヘッドホンとスピーカーでは、それぞれメリット・デメリットがあります。
どちらを使うかは、予算やモノが置けるスペースの広さ、近隣の方やその他の要因を考えながら決めることが大切です。
多くの「ベッドルームプロデューサー(自分の部屋でDTMをしている人)」がヘッドホンを選ぶのは、こういった環境を考えると、ヘッドホンの方がメリットが大きいからでしょう。
しかし、これらのメリット・デメリットをきちんと把握していれば、どちらを使ってもいい音楽制作ができるはずです。
逆に言えば、どんな機材を使うにせよ、その機材のメリット・デメリットをきちんと把握しておくことが大切、ということになります。
いろいろな機材でチェックしよう
また、スピーカーとヘッドホンなど、さまざまな機材を使ってミキシングをチェックするということも重要です。
こうすれば、ある偏った特徴を持った機材だけで音を判断せずに済みます。
当サイトでは他にもミックスについての解説記事をまとめていますので、ぜひこちらもご覧ください↓
Part1「ヘッドホン・イヤホンでミキシングするメリット・デメリット」
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