【5日間プラン】ジャズピアノの即興練習方法【初心者向け】
- 2023.05.29
- ボーカル・楽器演奏
今回は、ジャズピアニストのJulian Bradleyが教える「5日間でできる即興ジャズの練習」をまとめてみました。
・即興をやってみたいけど、なんだか難しそう…
・即興初心者は、まずどんな練習から始めればいいのかわからない
1日ごとに練習メニューが変わり、5日目にはかんたんな即興ができるレベルになれますので、ぜひお試しください!
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即興練習1日目:コードトーンのソロ練習
1日目の練習では、「コードトーンを弾くこと」にフォーカスします。
「コードトーン」とは「コードを構成する音」のことで、「1st」「3rd」「5th」「7th」などの音で構成されます。
「9th」など、さらに多くの音が使われることもありますが、今回は「1,3,5,7」の4つの音を使います。
Dm7コードを弾いてみよう
例えば、「Dm7」のコードを見てみましょう。
「D,F,A,C」の4つの音でコードが構成されています。
※カッコ内の「E」は9thの音
3:F
5:A
7:C
実際に弾いてみると、このようなサウンドになります↓
G7コードを弾いてみよう
次は「G7」のコードを見てみましょう。
「G,B,D,F」の4つの音でコードが構成されています。
※カッコ内の「A」は9thの音
3:B
5:D
7:F
実際に弾いてみると、このようなサウンドになります↓
Cmaj7コードを弾いてみよう
次は「Cmaj7(C△)」のコードを見てみましょう。
「C,E,G,B」の4つの音でコードが構成されています。
※カッコ内の「D」は9thの音
3:E
5:G
7:B
実際に弾いてみると、このようなサウンドになります↓
ジャズの定番「ii – V – I」のコード進行をつなげて弾いてみよう
ここでご紹介している「Dm7 – G7 – Cmaj7」というコード進行は、ジャズで定番のコード進行「ii – V – I」です。
※小文字はマイナーコード、大文字はメジャーコードを表します
※「ii – V – I」は、Cメジャーキーでは「Dm7 – G7 – Cmaj7」となります
それでは、このコード進行をつなげて弾いてみましょう。
左手でコード、右手でフレーズを弾いてみよう
それぞれのコードの構成音(Dm7ならD,F,A,Cの4つ)を右手で弾いてみると、即興らしいフレーズを作ることができます。
この1日目の練習では、左手でコードを弾きながら、右手でコードの構成音を使ったフレーズを弾いてみましょう。
即興練習2日目:半音下のアプローチ
2日目の練習では、「半音下の音を取り入れること」にフォーカスします。
まずは、1日目で練習した「Dm7 – G7 – Cmaj7」のコード進行を例に解説します。
「Dm7」に半音下のアプローチを取り入れる
最初のコード「Dm7」の構成音は、下から「D,F,A,C」となっています。
ここで、右手で即興をするときに、Dの半音下の「Db/C#」を入れてみましょう。
同様に、Fを弾く前に半音下のEの音を入れ、Aを弾く前に半音下のAb/G#の音を入れ、Cを弾く前に半音下のBの音を入れてみます。
Dm7コードの構成音と、それぞれの半音下の音を並べてみると、以下のようになります。
次は、Dm7コードを弾きながら、この構成音+半音下の音のいずれかを使ったフレーズを弾いてみましょう。
ジャズらしい、おしゃれなフレーズになりました。
「G7」に半音下のアプローチを取り入れる
同様に、コードがG7のときも、半音下の音を取り入れてみましょう。
半音下を取り入れると:Gb,G,Bb,B,Db,D,E,F
「Cmaj7」に半音下のアプローチを取り入れる
最後に、コードがCmaj7のときも、半音下の音を取り入れてみましょう。
半音下を取り入れると:B,C,Eb,E,Gb,G,Bb,B
半音下の音を取り入れたフレーズを弾いてみよう
それでは、半音下の音を取り入れたフレーズ通して弾いてみましょう。
特に、コードが切り替わる直前で半音下の音を取り入れると、よりスムーズになります。
この半音下アプローチのよいところは、その曲のキーに関わらず、クロマティックな動き(半音移動)を自然に取り入れることができる点です。
例えばこのコード進行はCメジャーキーですが、CメジャースケールにはないGbやBbの音も自然に使うことができます。
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即興練習3日目:半音下のアプローチ(応用編)
3日目の練習では、2日目で行った「半音下の音を取り入れる練習」の応用にフォーカスします。
2日目では「コードの構成音の半音下の音」のみを使いましたが、今回はその曲で使われているスケールの音すべての半音下の音も使います。
例えばCメジャースケールの曲であれば、Cメジャースケールの構成音「C,D,E,F,G,A,B」の7音すべて+それぞれの音の半音下の音を使って、右手で即興を行います。
例えばDm7コードのとき、このコードの構成音は「D,F,A,C」ですが、この4音以外の音+その音の半音下の音も使ってフレーズを作ってみます。
Dm7コードの構成音:D,F,A,C
Dm7コードで使われていないスケール音:E,G,B
即興の時に取り入れてみる音:Eb,E,Gb,G,Bb,Bなど
例えば、このようなフレーズを作ることができます↓
「E,D,Db,D」「A,G,Gb,G」など、音を上がったり下がったりして動きをつけてみることも可能です。
即興練習4日目:ディミニッシュスケールを使う練習
4日目の練習では、「ディミニッシュスケールを使うこと」にフォーカスします。
この練習で使うコード進行は、1~3日目と同じ「ii – V – I」のコード進行で、Cメジャーキーだと「Dm7 – G7 – Cmaj7」になります。
Cメジャーキーの場合、Cメジャースケールの「C,D,E,F,G,A,B」のいずれかを使うのが一般的です。
しかしこの4日目の練習では、Vコード(ドミナントコード)=CメジャーキーならG7のときだけ、使うスケールを「Gディミニッシュスケール」に変えてみます。
ディミニッシュスケールを使ってみよう
ディミニッシュスケールは、通常のスケールのうち、「b2、b3、b5、b7を追加」「2、4,、7を除外」したものです。
言い換えると、ルート音(スケールの一番最初の音)から順番に「半音上の音」「全音上の音」を交互に並べたスケールです。
Cディミニッシュスケール:C,C#,D#,E,F#,G,A,Bb
Gディミニッシュスケール:G,Ab,Bb,B,C#,D,E,F
Gディミニッシュスケールは、このようなサウンドになります↓
通常のスケールから新しい音が追加されたり、除外されたりしていますが、コードの構成音はスケール上にしっかり残っています。
例えばコードがG7のときにGディミニッシュスケールを使うと、Gディミニッシュスケールの中にG7の構成音「G,B,D,F」がすべて入っていますので、このスケールを使ったフレーズはコードにフィットします。
特に、G7のb9や#11の音にあたる「Ab」や「Bb」は、一味違ったサウンドを取り入れるのにとても効果的な音です。
これらの音をCmaj7(トニック)のコードの直前に取り入れると、Cmaj7を弾いたときに心地よい解決感を出すことができます。
それでは、この「ii – V – I」の進行を弾きながら、Vコード(ドミナントコード)のときだけディミニッシュスケールを使ったいろいろなフレーズを弾いてみましょう。
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即興練習5日目:三連符を使ったフレーズを取り入れる練習
最終日5日目の練習では、「1行ごとに三連符を使うこと」にフォーカスします。
ジャズは基本的に、8分音符をベースにリズムを「スイング」します↓
「タンタ・タンタ・タンタ・タンタ」と、スキップをするようなリズムになります。
しかし、ずっとこのリズムでフレーズを弾いていると新鮮さがなくなってしまうため、この5日目ではリズムに場入りえーションを加える練習をします。
やり方はかんたんで、「ii – V – I」のコード進行を1回弾くごとに、1回だけ三連符を取り入れます。
※「タンタ」ではなく「タタタ」のリズムを入れてみる
例えば、このような感じです↓
「タタタ・タンタ・タンタ・タンタ」「タンタ・タタタ・タンタ・タンタ」など、三連符を入れる場所はどこでも構いません。
慣れてきたら、1カ所だけでなくいろいろな場所に三連符を取り入れ、リズムにバリエーションを加えてみましょう。
5日間でできるジャズピアノ即興練習まとめ
今回は、5日間でできるジャズピアノの即興練習メニューをご紹介しました。
2日目:半音下のアプローチ
3日目:半音下のアプローチ(応用編)
4日目:ディミニッシュスケールを使う練習
5日目:三連符を使ったフレーズを取り入れる練習
当サイトでは、他にも即興練習メニューや毎日のルーティーンに関する記事をまとめていますので、ぜひこちらも合わせてご覧ください↓
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