【KSHMR解説】DTMerのためのスネア講座 -打ち込み・MIXの5つのコツ-
世界的に有名なプロからテクニックを学びたい!
今回はこのようなご要望にお答えする内容です。
今回はそのうち「スネアに関する5つのテクニック」の部分をまとめています。
KSHMRは世界的に有名なDJ・音楽プロデューサーなので、このシリーズでお伝えするテクニックはまさに「プロ直伝」。
音楽制作で必ず使える情報が満載ですので、ぜひ最後までご覧ください!
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DTMテクニック1:スネアのキー(ピッチ)を探す方法
1つ目は、スネアの音の「キー」を探す方法です。
いわゆる「スネアのピッチを確認する方法」です。
これにはいろいろな方法があるのですが、今回はFabfilter社の「Pro-Q」を使った方法をご紹介します。
Pro-Qを使った「スネアのキーの探し方」
まずは、Qポイントを1つ作り、カーブを「Bell」にします。
画像:動画より
そしてQ幅を狭め、左下にあるピアノの鍵盤マークを押します。
こうすると、画面下にピアノロールが出てきて、鳴った音に反応してピアノロールにマークがつきます。
Pro-QではQポイントごとに様々な色が割り振られているので、Qポイントが緑の場合は、ピアノロール上には緑のマークで表示されます。
今回は、スネアのキーがF#であることがわかりました。
画像:動画より
DTMテクニック2:曲になじむスネアを作る方法
2つ目は、曲になじむスネアを作る方法です。
まずは、Dryのスネアを使った例を聞いてみましょう。
0:51~0:57
このスネアのために、まずリバーブを使っているチャンネル(Send)を作り、スネアの音をこのSendに送ります。
今回は長めのリバーブにしてみましょう。
こうすると、この曲に合う「ビッグな感じ」がプラスされていることがわかります。
1:03~1:09
DecayをGateで調整する
しかし、Decayが少し長すぎる感じがします。
そのため、リバーブプラグインの後ろにGateを入れます。
画像:動画より
1:21~1:42
Gateは「特定の音量以下になったら音をバッサリと切る」という役割があるので、次の音が鳴るまでまだ残っているリバーブ音を一気にシャットアウトできます。
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DTMテクニック3:ノイズを混ぜる
3つ目のテクニックは、同じくスネアをもっとパワフルに聞かせるためのテクニック「スネアにノイズをレイヤーする」です。
まずは、何もしていない状態を聞いてみましょう。
1:47~1:50
サイドチェーンを使ったGateを入れる
次は、サイドチェーンを使ったGateを入れます。
スネアのDecayに従って動くようにしてみましょう。
つまり、スネアが鳴ればノイズも鳴り、スネアが減衰すればノイズも減衰されるように設定します。
画像:動画より
1:57~2:14
ビフォーアフターで聞いてみましょう。
2:22~2:34
DTMテクニック4:「自作スネアロール」の作り方
次は、スネアのロールを自分で作る方法です。
「ダダダダダ」と連続させるように聞かせたいと思いますが、違うサンプルを使うと、不自然に聞こえてしまいます。
サンプラーを使ったスネアロールの作り方
この問題を解決するために、まずは同じサンプルを3つ用意し、サンプラープラグインに入れます。
Abletonなら「Drum Rack」に割り当てればOKです。
画像:動画より
次は、この3つの音のうち2つのPanを左右に振ります。少しだけでOKです。
画像:動画より
また、それぞれ違うEQもかけます。
画像:動画より
2:56~3:01
このままだと、明らかに別の場所でスネアが鳴っているように聞こえて、統一感が薄れます。
そのため、次はSendでリバーブをかけます。
短めのDecayでOKです。
画像:動画より
次はUtility(Gain)を入れます。
これはボリュームオートメーションを書くために使うためです。
最初は少し急カーブなクレッシェンドに、次はゆるやかに上がりながら、最後の最後で少し急カーブになるような形にします。
画像:動画より
3:30~3:37
次は、サイドチェーン要員でコンプをかけます。
スネアに対してサイドチェーンをかけることで、スネアが鳴った瞬間はリバーブ音が少なくなるようにします。
こうすることで、スネアの存在感はそのままにリバーブをかけることができます。
画像:動画より
3:55~4:01
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DTMテクニック5:スネアのワイド感をコントロールする
5つ目のテクニックは、スネアのワイド感を調整する方法です。
まずは、Utility(Gain)プラグインを使います。
プラグイン内の「Width」を0%にすると、音が完全にモノになります。
(プラグインによっては、Monoというボタンになっていることもあります)
画像:動画より
4:17~4:18
しかし、場合によってはモノにすることで(Widthが0になることで)、左右の音が「位相の打ち消し」を起こしてしまうことがあります。
モノに聞かせたいからといってWidthを0%にしてしまうと、音がとても弱くなってしまうことがあります。
位相の打ち消しを避けるには?
この位相の打ち消し問題を解決するには、このUtilityプラグインで「左右どちらかのシグナル(信号)だけを取る」というテクニックが有効です。
左右両方の成分を同時に鳴らすと位相の打ち消しが起こってしまうのなら、左右どちらかのシグナルを排除すれば、打ち消しが起こらないということです。
左のシグナルだけ取った場合も、最終的に音をMono(センター)にしますので、左の音の成分をそのまま真ん中に持ってきているだけです。
画像:動画より
試しに、左のシグナルだけ抜いた音を聞いてみましょう。
先ほどよりもよりパワフルなサウンドになっていることがわかります。
4:49~4:54
DTMテクニック5:スネアに動きを与える方法
次は、スネアに動きを与える方法です。
まずは、僕(KSHMR)の楽曲「Invisible Children」のイントロ部分を聞いてみましょう。
スネアが2・4拍目に鳴っていることがわかります。
5:10~5:14
ただ、このままだとちょっとつまらなく聞こえます。
そのため、スネアのリバース音を入れてみます。
スネアのリバース音の入れ方
これは単純で、元のスネアの音を別トラックにコピペし、リバース(逆再生)させます。
その後、音が小さい部分(リバースの始まり部分)だけを残し、元のスネアが鳴る直前に置きます。
画像:動画より
実際の音はこちら↓(5:25~5:30)
「Pre-Shifted」のサンプルを活用する
僕はサンプルパックをリリースしていますが、この中には「Pre-Shifted Claps」という種類のサンプルがあります。
このタイプのサンプルは、今回のテクニックを行うにあたりピッタリの素材です。
画像:動画より
5:32~5:47
リバースにもバリエーションを加える
このリバースも、単純に繰り返さずにある箇所にだけ入れてみると効果的です。
例えば、長いリバーブがかかったスネアのサンプルをリバースさせ、少し切り取って短くし、フレーズの最後のスネアの音の直前に入れたりしてみましょう。
画像:動画より
6:06~6:12
以上でDTMerのためのスネア講座は終了です!
このシリーズでは他にも打ち込みや音楽理論についてたくさん解説されていますので、ぜひこちらもマスターしましょう↓
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