ポップスの曲をリハーモナイズする方法①【ジャズフュージョン】

ポップスの曲をリハーモナイズする方法①【ジャズフュージョン】
普段よく聞いているポップスの曲を、かっこよくリハーモナイズしてみたいけど、どうやったらできる?

今回はこのような疑問にお答えする内容です。

ベーシストであり、数々の音楽理論の解説動画をアップしているAdam Neelyが解説する「ジャズフュージョンスタイルのリハーモナイズ」をまとめました。

この記事では「ポップスの楽曲をジャズフュージョンスタイルにリハーモナイズする方法」のうち、

・ダイアトニック・リハーモナイゼーション
・ノンサイクリックコードとサイクリックコード
・ハーモニックリズム

の3つについてまとめています。

Extreme jazz fusion reharmonization

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ポップスの楽曲をジャズフュージョンスタイルにリハーモナイズするとこうなる

まずは、動画の冒頭をご覧ください↓

Extreme jazz fusion reharmonization

こちらは、解説者・Adamがポップスの楽曲をリハーモナイズしたものです。

それではここからは、コードをどのように変えたらこのようなアレンジができるのか、解説していきます。

リハモのやり方1:ポップスの楽曲を選ぼう

まずは、好きなポップスの楽曲を選びましょう。

今回は、現在チャートにランクインしている楽曲から選んでみます。

エド・シーランの「Shepe of You」が1位になっているので、今回はこの楽曲をリハーモナイズしてみましょう。

Ed Sheeran – Shape of You (Official Music Video)

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リハモのやり方2:曲の構成をチェック

次に、曲がどんなコードでできているかをチェックしていきます。

原曲はCmキーですが、今回はDmキーに直しています↓(1:44~)

Extreme jazz fusion reharmonization


画像:動画より

サビはこのコード進行になっています。

Dm Gm – Bb C

2小節で1つのかたまりになっていて、これが繰り返される構造になっています。

さて、ここにどんなスパイスを加えていくか、考えてみましょう!

リハモのやり方3:ダイアトニック・リハーモナイゼーションを使う

まずは、ダイアトニック・リハーモナイゼーションを使ってみます。

マイナーキーの曲において、曲の雰囲気を変えたい時は「レラティブ・メジャーキー」のコードを使うのが手っ取り早いです。

「五度圏」の表を見るとわかりますが、Dマイナーキーのレラティブ・メジャーキーはFメジャーキーです。


画像:https://dn-voice.info/music-theory/godoken/より

つまり、Fメジャーキーで使われているコードを「借りてくる」ことができます。

元は

Dm Gm – Bb C

でしたが、これを

F F/A – Bb C

このように変えることができます。


画像:動画より

実際の音がこちら↓(2:05~)

Extreme jazz fusion reharmonization

かなり雰囲気が変わりました。

コードを変えることが、曲のムードを変えるのにどれだけ影響があるかがお分かり頂けたかと思います。

メロディーもちょっと変える

このリハーモナイズをするとき、メロディーも少し変えてOKです。

今回は、リハーモナイズ後のコードにフィットするよう、もともとはDだった音をFに変えている部分があります。

コードとメロディーがきれいにマッチするよう、メロディーにも気をつけてみましょう。

メロディーを変えずに、ダイアトニック・リハーモナイゼーションをしたい時は?

とはいえ、

メロディーは変えたくない。
でもダイアトニック・リハーモナイゼーションのテクニックは使いたい…

というときもあるでしょう。

ここで使えるのは、「ノン・サイクリック・コード」です。

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リハモのやり方4:ノン・サイクリック・コードを使う

循環コード(サイクリック・コード、Cyclic Chord)とは、1つのストーリーが短いコード進行の中で完結するものを指します。

ダンスミュージックやポップスでよく使われ、今回取り扱っている「Shape of You」でも使われています。

循環コードの例

Dm Gm – Bb C
Dm – G7 – C
C – Am – Dm – G
C – Fm – C – Bb

サイクリック・コードは短くシンプルで使いやすいのですが、それゆえにストーリー性のないように聞こえたり、使えるコードが少ないなど、音楽的に制限される部分も出てきます。

しかし、もしこのコード進行をさらに延長することができるとしたら?
今回の楽曲で言うなら、「2小節で1つのかたまり」にしているところを、「4小節で1つのかたまり」にすることができたら…?

このように考えたのが「ノン・サイクリックコード」で、シンプルなコード進行にストーリー性を持たせてアレンジすることができます。

ノン・サイクリック・コードを使ってみよう

それでは、実際にノン・サイクリック・コードを使ってみましょう↓(2:57~)

Extreme jazz fusion reharmonization


画像:動画より x2

F Gm – Bb A7

Dm Bb – Gm C

原曲の「2小節でひとかたまり」よりも、ストーリー性のある響きになりました。

最初はFメジャーコードから始まり、2小節目の最後はA7コードにしています。

このA7コードはDマイナーキーのV7(ドミナントセブンスコード)で、3小節目にDマイナーコードへと進行します。

落ち着いた印象のある進行です。

実はこれは、「ハーモニックリズム」のおかげでもあります。

リハモのやり方5:ハーモニックリズムを意識してアレンジする

ハーモニックリズム(Harmonic Rhythm)は「コードがどれぐらいのスピードで変化していくか?」を表すもので、「ハーモニックテンポ」とも呼ばれています。

今回の場合、2拍ごとにコードが変わっているので、ハーモニックリズムは「2拍」です。

ハーモニックリズムを変えてみる

しかし、もう少しコード進行にストーリー性を持たせるために、そのストーリーに沿ってハーモニックリズムをスピードアップさせてみたらどうなるでしょうか?


画像:動画より

F Gm – Bb C A7/C#

Dm Bb Am – Gm C

このような進行にしてみました。

2小節目と3小節目には、2分音符・4分音符・4分音符と、音の長さを短くしたパターンを2つ入れています。

ハーモニックリズムを変えてみるだけで、コード進行によりストーリー性が加わったことがわかります。

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もっとジャズらしいリハーモナイズをするには?

さて、ここまでご覧いただいた皆さんの中には、「もっとジャズっぽいリハーモナイズをする方法を知りたいんだけど…」と思っている方もいらっしゃると思います。

そこで次回は、コード進行をよりジャズらしくする方法をご紹介します↓

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