世界一の音楽大学に行って大変だったこととは?【体験談】
- 2025.01.28
- プロになる方法・音大進学
今回は、Ravi Lambが解説する「バークリー音楽大学は行くべきか?卒業から11年後…」をまとめました。
2012年にバークリー音楽大学(ギター専攻)を卒業したRaviが、自身の経験をもとに「音大生活で大変だったこと」「音大で学んだこと」を語ります。
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バークリー音大に入学したときはどんなスキルがあった?
僕(Ravi)がバークリー音大に入学したときは、まだしっかりとした音楽教育も受けておらず、音楽理論もわからず、ジャズバンドに参加したことがある程度でした。
プロのミュージシャンになるには音大に行くことが大きな一歩になると思っていたので、親元を離れて音大に進学したことは、僕にとってはとても大きなことでした。
バークリー音大に入学して嫌だったことは?
僕はバークリー音大での生活を楽しんだ一方で、とても嫌だったなと思うこともあります。
僕と違って、既に小さい頃からしっかりとした音楽教育を受けている人たちがたくさんいましたが、その中でもエゴが強すぎる人たちがたくさんいました。
残念ながら、学生だけでなく教授たちにもそのような人がたくさんいました。
僕のようにあまり音楽教育を受けてこなかった人にも熱心に教えるような我慢強さがなく、「そんな学生には付き合ってられない」という姿勢の教授もいました。
正直、最初の頃は教授たちのそのような態度がキツかったのですが、自分でこの状況をなんとか克服しようと努力し、音楽に熱意も持ち続けました。
そしてもちろん、今も音楽に熱意を持っています。
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世界の一流大学に入学する大変さとは?
バークリー音大はボストンにありますが、家賃が高いため大学の近くに住むのは困難でした。
そのため、僕は大学から遠い場所に住むことにしました。
加えて僕はバイトもしなければいけなかったので、キャンパスで過ごす時間は少なく、友達もかなり少なかったです。
音大に行けばたくさんのすごい才能を持った人たちと会えて、友達になれて、毎日一緒に練習して、一緒に高め合える…と思っている人もいるかもしれませんが、現実としてこのような問題があります。
※補足
バークリー音大はアメリカのボストンにありますが、ボストンはアメリカ国内でも有数の「家賃が高い地域」として知られています。
ボストンにはハーバード大学やマサチューセッツ工科大学、有名な研究機関などがあり、世界有数の学術都市です。
人がたくさん集まる場所でアパート等の空室率が低いため、部屋を借りるのも一苦労の地域です。
家賃で言えば、東京23区の2~3倍以上は必要だと言われています。
バークリー音大に行ってどんなスキルや知識が身についた?
正直、バークリー音大に入学したときと卒業したときで大きな差はないと感じています。
今YouTube動画や本で学べるようなことが身についている…ぐらいのレベルで、人生が変わるような知識やスキルが身についたわけではありませんでした。
強いて言うなら独学の力がついたので、必要なスキルを自分で身につける力は身についたと思います。
大学在学中は、自分のウェブサイトを開設したり、ギターの個人教室を開いたりしたので、そこからプロとしてのキャリアをスタートさせました。
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バークリー音大に行ってよかったことは?
先ほど「大学では友達があまりできなかった」とお話した通り、音大でいいネットワーク(人脈)が作れたわけではありませんでした。
しかし、やはり「バークリー音大」というネームバリューが僕にたくさんのチャンスを与えてくれたのは間違いありません。
例えば卒業して数年後にあるボランティアに参加したとき、バークリー音大卒であることを伝えたところ、芸術系の大学(Oakland School for the Arts)に掛け合ってくれた人がいて、新しいネットワークを築くことができました。
他にも大学のネームバリューのおかげで、実際の仕事につながるようなさまざまな出会いもありました。
もちろん、音大を毛嫌いする人もいるので「バークリーなんてどうせクソだろ」のように考える人もいます。
しかし、実際にはこの学歴のおかげで助けられているところもあります。
「音大卒」の学歴は自信につながる?
同じスキルを持っていても「音大卒という学歴がある自分」と「何の学歴もない自分」では、やはり前者の方が自信を持ちやすいかもしれません。
たとえ自分のスキルに自信がなくても「それでも、僕はしっかり音大を卒業した人間なんだからきっと大丈夫」と自信を持てることもあります。
そして実際に、その学歴のおかげで人からも期待を持たれ、信頼され、掴めるチャンスもあります。
バークリー音大卒という事実が自信につながることは確かにあると思います。
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プロになりたいなら音大に行くべきか?
バークリー音大は行く価値があったかと聞かれると…回答は少し難しいです。
大学を卒業して11年経過した今、もう35歳になりますが、お金持ちになった友達がいる一方で、僕はすごいお金持ちになっているわけではありません。
しかし、この音大での生活は間違いなく僕の人生の一部であり、経験になっています。
一つ言うとすれば、大学自体には価値があると思いますが、学費のことを考えるとそうとは言えません。
特に今は、僕が在学していた10年前とは比べ物にならないほど学費が上がっています。
(2025年現在、4年間通うと日本円で1200万円程度の学費)
経済的に安心できないことを考えると、バークリー音大のように学費も生活費も高くて奨学金返済に悩まされるような大学ではなく、物価が安い地域で音楽を学ぶことも選択肢の1つとして考えてもいいと思います。
※ちなみにこの動画のコメント欄には「自分はローンの上限額に達してしまい学費が払えず、泣く泣く中退した」というコメントがありました。「バークリー音大に行っていた」ということで音楽の先生として雇ってもらえたそうですが、大学を卒業できなかったこと=学位を取得できなかったことを後悔しているそうです。
以上で「世界一の音楽大学に行って大変だったこととは?」は終了です。
当サイトでは他のバークリー音大やジュリアード音楽院出身者の経験談をまとめていますので、ぜひこちらもご覧ください↓
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