【MIXのコツ】DTMでプロのようにリバーブを使う方法3つ
- 2024.12.25
- 2024.12.20
- ミキシングのコツ
今回は、BigZが解説する「リバーブを使うときにやってみてほしいこと」をまとめました。
DTMで広がりのあるサウンドにしたいとき、まず行うのがリバーブをたくさんかけることでしょう。
実際にリバーブをかけると、このようなサウンドを作ることができます。
しかしリバーブの使い方をほんの少し工夫するだけで、さらに広がりと奥行きのあるサウンドにすることができます。
例えば、このようなサウンドです。
この記事では、リバーブを使わずにこれだけ広がりのあるサウンドにする方法を3つご紹介します。
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DTMでプロのようにリバーブを使う方法1.別の音色のリバーブトラックをレイヤーする
DTMでプロのようにリバーブを使う方法1つ目は「別の音色のリバーブトラックをレイヤーする」です。
まずは、リバーブなどのエフェクトをかけていないこちらのサウンドをお聞きください。
ここに、別の音をレイヤーします。
ここでのポイントは、「広がりを出したい元の音を複製せず、全く異なるプリセットや音色を使う」という点です。
さらに、以下の条件を満たすようなサウンドに調整します。
ふわっとだんだん音量が上がるような音
・リリースが長め
指を鍵盤から離しても、ずっと音が伸びるような音
シンセサイザーのエンベロープ(ADSR)で言うと、下記画像のような形になるようにします。
そしてリバーブをインサートで追加し、MIXが100%(Wet100%)になるように調整します。
リバーブをかけるとこもったような音になりやすいので、気になる場合はローカット&ハイカットしてもOKです。
最後に、リバーブの後ろにサイドチェイン用のコンプレッサーをかけます。
サイドチェインのトリガーは、広がりを出したいトラックに設定します(今回はBus22に設定)。
こうすると、リバーブ100%の音は広がりを出したいメインの音が鳴っていないときに大きく鳴るようになります。
つまり、最も目立たせたい音を邪魔せずにリバーブ感を出すことができます。
リバーブはSendトラックを使えばいいのではないか?
「メインの音を邪魔せずに広がりを出したいなら、メインの音をリバーブ用のSendトラックに送ればいいのではないか?」と思うかもしれません。
確かに、リバーブプラグインを追加したSendトラックを作り、メインの音をそのSendトラックに送れば、リバーブを使うことができます。
加えて、Sendトラックを使えばリバーブの量も調整しやすいです。
しかしSendトラックをそのまま使うことの問題の1つは、リバーブ音がメインの音と同じようになってしまうことです。
例えばこのように、メインの音とリバーブの音がほぼ変わりなく、周波数帯域も被ってしまいます。
統一感が出るという意味ではいいかもしれませんが、場合によってはありきたりでつまらなく聞こえてしまいます。
しかしリバーブ音の音色を変えれば「広がりが出て、奥行きも出て、ありきたりな感じがしないサウンド」を作ることができます。
リバーブ用のプリセットを変えれば異なる空間を演出できる
この方法を使うと、リバーブ用トラックに使っている音色を変えるだけで、また違った空間を演出することができます。
例えばEQやサイドチェインの設定はそのままで、シンセサイザーのプリセットだけ変えてみると、このような違いが出ます。
音色によってリバーブの雰囲気・テクスチャが変わるので、いろいろなプリセットを試してその曲に合ったリバーブ音を探してみましょう。
DTMでプロのようにリバーブを使う方法2.オクターブ上下のリバーブトラックをレイヤーする
DTMでプロのようにリバーブを使う方法2つ目は「オクターブ上下のリバーブトラックをレイヤーする」です。
メインのサウンドをもっと大きくしっかり聞かせたいときによく行うのが、オクターブ上下の音をレイヤーすることです。
全く同じフレーズをオクターブ上(もしくは下)に追加することで、そのフレーズがさらに太く目立つようになります。
それでは、オクターブ上下に追加する音を「メインの音そのまま」ではなく「リバーブ音」にしたらどうなるでしょうか?
アタック遅めでリリース長めにする
2.メインの音と全く同じMIDI(フレーズ)をコピーする
3.MIDIをオクターブ上(もしくは下)に移動する
3.インサートでリバーブを追加し、MIX100%(Wet100%)にする
一部の音だけ音程を変更&削除してもOK
このとき、リバーブ音におけるすべての音をそのままオクターブ上下させるのではなく、一部の音だけをオクターブ上下させたり、ミュートするのもよいでしょう。
リバーブの音は音程が異なるので、メインの音にアクセントをつけるようなサウンドになります。
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DTMでプロのようにリバーブを使う方法3.ピッチベンドする
DTMでプロのようにリバーブを使う方法3つ目は「ピッチベンドする」です。
従来のように、メインの音にそのまま使っているリバーブ音だけをピッチベンドするには、その都度バウンスしなければいけなかったりなど少し手間がかかります。
加えて、このようにサウンドもかなり不自然になります。
しかし、これまでご紹介したようにリバーブ音専用のレイヤーを別で作っていれば、リバーブ音だけピッチを変えるというトリッキーなテクニックもカンタンに行うことができます。
シンセサイザーと同じように、リバーブ音もピッチベンド(音程変更)してみましょう。
MIDIデータに対してピッチベンドを行えば、カンタンに&自然にピッチベンドさせることができます。
リバーブ音だけピッチが下がり、とてもクールで不思議な雰囲気にすることができました。
おすすめのリバーブプラグイン
最後に、おすすめのリバーブプラグインをご紹介します。
スタンダードなものから異空間を演出するユニークなリバーブまでご紹介しますので、ぜひチェックしてみてください。
スタンダードなリバーブプラグイン
Fabfilter社「Pro-R」
世界中のプロに使われている、オールジャンルOKの万能リバーブです。
Fabfilter社「Pro-R」を購入する(RockOnline)
Fabfilter社「Pro-R」を購入する(Plugin Boutique)
W.A.Production社「KSHMR Reverb」
人気DJ&音楽プロデューサーのKSHMRが監修したリバーブプラグインです。
特にポップスやEDMなどにおすすめです。
Valhalla DSP社「Valhalla Vinage Verb」
今回の解説に登場したリバーブプラグインです。
Sonnox社「Oxford Reverb」
オールジャンルOKの万能リバーブです。
ユニークなリバーブプラグイン
Eventide社「Blackhole」
「ブラックホール」という名前の通り、非現実世界を感じるようなユニークなリバーブを作るのにおすすめのリバーブです。
Output社「Thermal」
ディストーションプラグインですが、リバーブにユニークなディストーションをかけることができます。
リバーブ音のサウンドデザインを楽しみたい方、いつもとは違うリバーブを作りたい方におすすめです。
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DTMでプロのようにリバーブを使う方法3つまとめ
以上が「DTMでプロのようにリバーブを使う方法3つ」でした。
リバーブ音のテクスチャを自由に変えてみよう
メインの音にアクセントをつけるようなリバーブも作れる
リバーブ音だけピッチベンドして、自然かつ不思議なリバーブを作ろう
当サイトでは他にもリバーブの使い方に関するテクニックをまとめていますので、ぜひこちらもご覧ください↓
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