【DTM】MIXのコツ動画を100本見てわかった「MIXで大切な14のこと」前編
- 2024.08.29
- 2024.08.27
- ミキシングのコツ
今回は、Mastering.comが解説する「MIXのTips動画を100本見てわかったこと」をまとめました。
大量のMIXのコツ動画を見た中で多くの動画に共通していたこと、逆に「誰も言っていないけど本当は大切なこと」をご紹介しています。
この記事では前編として、はじめの10個のアドバイスをご紹介していきます。
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- 1. ミックスのコツ1.「クソなものはいくら磨いてもクソ」
- 2. ミックスのコツ2.練習、練習、練習!
- 3. ミックスのコツ3.ハイパスフィルター(ローカット)は必須ではない
- 4. ミックスのコツ4.リバーブにEQを使う
- 5. ミックスのコツ5.はじめにバランスを取る
- 6. ミックスのコツ6.すべての動きに目的を持つ
- 7. ミックスのコツ7.いいソングライティング(作曲)をする
- 8. ミックスのコツ8.ミックスでダイナミクスを加えよう
- 9. ミックスのコツ9.オートメーションを活用しよう
- 10. ミックスのコツ10.ラフミックスの方がいい時もある
- 11. 「テクニカルなこと」と「クリエイティブなこと」を区別しよう
ミックスのコツ1.「クソなものはいくら磨いてもクソ」
ミックスで重要なこと1つ目は「クソなものはいくら磨いてもクソ」という考え方です。
これは「演奏やレコーディングの状態が悪ければ、その後どんなにミックスを頑張っても意味がない」という意味です。
言い換えると、「ミックス前の時点で既にクオリティの高い音にしておきましょう」ということになります。
ミックスのコツ2.練習、練習、練習!
2つ目は「とにかく練習すること」です。
これに関しては特に付け加える必要もなく、文字通り「ミックスの技術を磨くには、とにかく練習が必要」ということです。
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ミックスのコツ3.ハイパスフィルター(ローカット)は必須ではない
次はハイパスフィルター(ローカット)に関する内容です。
とある動画では「ベースとキック以外のトラックには全てハイパスフィルターをかけ、余分な低域はカットしましょう」と解説されています。
否定はしませんが、僕(Mastering.com)としては「問題がないならハイパスフィルターをかける必要はない」と思います。
そもそもベースとキック以外のトラックすべてにハイパスフィルターのプラグインを使うのも時間がかかり、中には全く低域を含まないトラックもあります。
「必要なら使う、必要ないなら使わない」のスタンスがいいと思います。
ミックスのコツ4.リバーブにEQを使う
リバーブに対してEQを使うのは、とても大切なテクニックです。
AUX(Sendトラック)でリバーブを使うとき、EQに限らずChorusなどを使ってもよいですし、ディレイを使う時もEQや他のエフェクトを使ってもよいでしょう。
何かのエフェクトの後ろにEQやChorus、Phaserなどの別のエフェクトを使うと、面白いサウンドを作ることが可能です。
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ミックスのコツ5.はじめにバランスを取る
次は僕が4年前に撮った動画にあるTipsですが、これは今でも非常に重要だと思います。
ミックスで最も重要なことの一つが「バランスを取ること」です。
例えばエフェクトなどは使わず音量だけを変えてバランスを取ってみると、それもまたいい練習になります。
練習では数トラックだけでミックスをしてもいいので、自分がミックスしたものを車など別の場所や媒体を使って聞いてみて、バランスをチェックするのもよいでしょう。
ミックスのコツ6.すべての動きに目的を持つ
一つ一つの音や動きに目的を持つことはとても大切で、当たり前に思う方もいらっしゃるかもしれませんが、「目的を持ってミックスできているかどうか」をチェックするには4つ方法があります。
1.問題を解決する
これは「問題があったら何かをする。問題がないなら何もしない。」という意味です。
曲を聞いて、問題を認知したらその問題を解決するためのアクションを行いましょう。
問題がないなら、何もする必要はありません。
しかし、「何もない」という状態が場合によっては「つまらなく聞こえる」ということにつながることがあります。
そのような場合は「EQで〇〇をカットする」などの引き算のアクションではなく、「何かを付け足す」という足し算で問題を解決していきましょう。
2.リファレンスを用意する
リファレンス曲(参考曲)を用意して自分の曲と聞き比べると、自分の曲が持つ問題を探しやすくなります。
3.テイストを決めておく
ミックスする前に、「このトラックはこんな音にしたい」などの「理想のテイスト」を決めておくことが大切です。
4.いい耳を持つ
いい耳を持っていると、曲を聞いた時に「ここはこういうEQをした方がいい」など、ミックスのラフアイデアが思い浮かびます。
SoundGymなどを使って耳のトレーニングを行い、「どの周波数帯域に問題があるか」などをすぐ認知できるようにするとよいでしょう。
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ミックスのコツ7.いいソングライティング(作曲)をする
メロディーがいいか、楽曲構成がいいか、コード進行がいいかなど、ソングライティング(作曲)の時点でいいものにできていると、それだけで楽曲の説得力が増し、リスナーに感情を届けることもできます。
そのため、まずはここをクリアしてから、アレンジやミックスなど次の段階に入りましょう。
ミックスにばかり集中せず、「そもそもいい曲であるかどうか?」に目を向けることが大切です。
特にYouTubeでは「ミックスのコツ」系の動画がたくさんあり、見やすく、視聴後の充実感もありますので、ついついそればかり見てしまうかもしれません。
そうするとミックス自体も適切に行えなくなるので、「その動画で言及していないこと」にも注意が必要です。
ミックスのコツ8.ミックスでダイナミクスを加えよう
ミックスは静的なものではなく、ダイナミックなものです。
曲中でも多くの楽器はセクションによってすごく音が大きかったり小さかったりと変化があるため、曲の中で最も大きいサウンドになる部分を仕上げたら、他の部分に戻ってミックスを見直す必要があります。
そして、オートメーションなどを使ってエフェクトを追加したり量を変えながら、音に動きを加えていくことが大切です。
何も複雑なことをする必要はなく、音量のオートメーションだけでも大きく違いを出すことができます。
もちろん、曲によっては最初から最後まで同じようなサウンドで進む作品もありますが、基本的にはダイナミクスを調整していきましょう。
ミックスのコツ9.オートメーションを活用しよう
これは非常にシンプルですが、非常に大切なポイントです!
前述8.のポイントでも解説した通り、オートメーションの活用は非常に重要です。
ミックスのコツ10.ラフミックスの方がいい時もある
30分~1時間かけて作ったラフミックスが、数時間〜数日以上かけて作った本番用のミックス(ラフミックスのテイストを排除したもの)よりもいいというときもあります。
誰も気にしないような技術的な点に囚われてしまい、ミックスを台無しにしてしまうことはよくあります。
人々が気にするのは、その楽曲や音が持つエネルギーや感情であり、技術的なことではありません。
テクニカルなことにばかり気を取られることなく、エネルギーや感情にフォーカスすることも大切です。
「テクニカルなこと」と「クリエイティブなこと」を区別しよう
YouTubeなどにはTips動画は山ほどあふれていますが、このような場所で紹介されているのは左脳で考えるような「テクニカルなこと」で、「ルールを学ぶ」ようなことです。
しかし、このルールは自分で破ってもいいのです。
ミックスが上手になりたいからこそ学ぶことでもありますが、いざ音楽を作るとなったときは一旦それらを忘れて、右脳で考えるような「クリエイティブなこと」にフォーカスにした方がよいのではないでしょうか?
あなたのゴールは「テクニカルなこと」ではない
例えば、ギターをソロを弾こうと思ったときのことをイメージしてみましょう。
ギターが弾けるようになりたいですから、まず「テクニカルなこと」としてスケールを学ぶと思います。
しかし、みなさんのゴールは「スケールを弾くこと」ではありません。
ここで行うのは、あくまでも運動記憶としてスケールの指使いを覚えるまで練習し、スケールなどのテクニカルなことを忘れてもそれができるようにすることです。
そしていざソロを弾こうとしたとき、テクニカルなことのことは一切忘れて、クリエイティブなことや音楽的なことに集中するでしょう。
これがみなさんのゴールであり、「テクニカルなこと」「理論的なこと」がゴールではないのです。
ルールを始めに学んだ後は、それに囚われずに「破る」
型破りをする前に、まず型を学ぶことが大切です。
スケールなどのテクニカルなことや「ルール」は、まず先に学んだ方がよいでしょう。
しかしテクニカルなことばかり勉強してしまうと、それに囚われてしまいます。
型を学んだら、それを活かしたり、破ったりすることが大切です。
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