【DTM・作曲】コードネーム(コード名)の書き方【クラシック・ジャズ・ポピュラー】

【DTM・作曲】コードネーム(コード名)の書き方【クラシック・ジャズ・ポピュラー】
「Cメジャーセブンス」だと「CΔ7」とか「CM7」とかいろいろな書き方があるけど、どう使い分ければいいの?

「iii」「III」とか、小文字と大文字で表すときもあるけど…ジャンル別にコードネームの書き方って違うの?

今回はこのような疑問にお答えします。

世界標準の楽譜作成ソフトウェア「Finale」の開発社MakeMusicが解説した「ジャズ・ポピュラーにおけるコードネームの書き方」と、英語版wikipediaの「コード(音楽)」の内容をまとめました。

画像:https://www.finalemusic.com/blog/writing-chords-in-jazz-and-popular-music/

冒頭の通り、コードネームを書くときは、メジャーを「Δ」や「M」で表したり、オーギュメントを「aug」や「+」、ディミニッシュを「dim」や「o」で表したりと、いろいろな書き方があります。

これらは基本的にジャンルで書き方が異なりますので、こちらについて解説していきます。
※全てのジャンル・作曲家に当てはまるわけではないため、あくまでも「傾向としてこう使われることが多い」という認識でお読みください。

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コードネームの書き方2種類

まず、コードネームはざっくり分けて2つの書き方があります。

一つは「クラシック方式」、もう一つは「ジャズ・ポピュラー方式」です。

音楽に精通していればどちらの書き方でも読めるかもしれませんが、もし自分が楽譜を誰かに作ってあげる場面が出てきたとき、この両方を知っておくと便利です。

相手がクラシック音楽の人ならクラシック方式、ジャズ・ポピュラー音楽の人ならジャズ・ポピュラー方式で書いてあげると、相手が読みやすい・誤解しない方法で楽譜を書くことができるからです。

コードネームの書き方:大文字・小文字の使い分け

クラシック方式では、大文字はメジャーコード、小文字はマイナーコードという使い方をします。

(例)
Bメジャーコード:B
Bマイナーコード:b


画像:https://en.wikipedia.org/wiki/Chord_(music)

一方、ジャズ・ポピュラー方式では、メジャーコード・マイナーコードともに大文字で書き、マイナーの場合は右隣に「m」をつけることが多いです。

(例)
C – Am – Dm – G7

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ジャズ・ポピュラーで使われる4つの書き方

ジャズ・ポピュラー方式の中でもさらに大きく4つの書き方があり、人や地域によって、この中のいずれか、あるいはこれらを混ぜてコードを書くことが多いです。

東海岸方式(East Coast System)


画像:https://www.finalemusic.com/blog/writing-chords-in-jazz-and-popular-music/

これはニューヨークを拠点として活動している作曲家が作った楽譜で使われることが多い書き方です。

3語でコードネームが書かれ、テンションはカッコ”()”で括られているのが特徴です。

カッコで括らなくても誤解がない表記にならない場合は、カッコを外して書きます。

複数且つ連続したテンションが入っていない場合は全て同じ高さで文字を書きますが、そうである場合は重ねて書いたり、カンマで区切って書きます。

西海岸方式(West Coast System)

画像:https://www.finalemusic.com/blog/writing-chords-in-jazz-and-popular-music/

ロサンゼルスなど、西海岸を拠点とする映画音楽やジャズの作曲家が多く用いる「西海岸方式」は東海岸方式と似ていますが、やや違う点があります。

例えば「min7b5」など、「ハーフディミニッシュ(マイナーセブンスフラットファイブ)」と呼ばれるコードの場合は、「ø 」で表されます。

(ø は「スラッシュ付きO(オー)」「ストローク付きO」などと呼ばれます。音楽用語としてはハーフディミニッシュコードを表しますが、数学では空集合を表す記号としても使われています。)

いわゆる「フルディミニッシュ(ダブルフラットセブンス)」は「º」で表されるので、「ハーフ」はこれに線を入れた形にしています。

さらに縮小した書き方


画像:https://www.finalemusic.com/blog/writing-chords-in-jazz-and-popular-music/

上記の東海岸方式・西海岸方式をさらに省略した書き方もあります。

「どこの地方の人が使う」など明確な言い方はできませんが、この方式では以下の特徴があります。

メジャーコードは「M」や「Δ(デルタ)」
マイナーコードは「-(マイナス)」
ディミニッシュは「º(度を表す記号)」
オーギュメントは「+(プラス)」

多調の場合の違い


画像:https://www.finalemusic.com/blog/writing-chords-in-jazz-and-popular-music/

東海岸方式と西海岸方式では、多調(ポリトーナリー)になった場合に書き方に違いが出ます。

例えば、ハイブリットコードやコンパウンドコードなど、複数のコードを同時に鳴らしたいときや分数コードになったとき。

東海岸方式ではスラッシュで区切ってコード名を書くだけですが、西海岸方式ではスラッシュで区切った後、ベース音の方に「bass」という言葉も添えます。

スラッシュではなく分数のように水平に線を書き、上にトップコード、下にボトムコードを書く場合もあります。

ナッシュビルナンバーシステム

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カントリー音楽の中心地でもあるアメリカ・テネシー州にあるナッシュビルでは、「ナッシュビルナンバーシステム」という独自に発展した書き方があります。

こちらは1950年代後半に作られたもので、とてもシンプルに、且つ手早くコードを書くために作られました。

この方式では、曲のキーに沿ってアラビア数字を使い、ルート音を表します。

メジャーコードは数字だけで、マイナーコードの場合は「 – (ダッシュ)」を使います。

テンションやサスペンションコードなども速記で書かれます。

世界標準の楽譜制作ソフト「Finale」ではどの方式?

画像:https://www.finalemusic.com/blog/writing-chords-in-jazz-and-popular-music/

DTMerの間でも有名な楽譜作成ソフト「Finale」では、1970年代初め頃にClinton Roemerが編み出した記述方法を使っています。

このシステムでは、すべてのコードが大文字で表され、メジャーコードなら「ma」、マイナーコードなら「mi」を添えます。

ディミニッシュとオーギュメントコードはそれぞれ「°」と「+」で省略して書きますが、それ以外は省略しません。

また、3文字で表す方式も採用しており、サフィックス(接尾語)はニーズに合わせて編集可。

テンションやその他コードに関する変更はカッコ内に書き、コード名の上に添える形でかかれます。

多調コードやハイブリッドコードは、前述の東海岸方式のように書きます。

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