【DTM】Xfer Records社のシンセ「SERUM」の使い方 コンプリートガイド #2 フィルター(Filter)

【DTM】Xfer Records社のシンセ「SERUM」の使い方 コンプリートガイド #2 フィルター(Filter)

今回は、Zen Worldが教える「Serumの使い方コンプリードガイド」のうち「フィルター(Filter)」に関する部分をまとめました。

Serumを持っているけどイマイチ使い方がわかっていない…という方も、このシリーズを見れば「これでどんな音も自分で作れるようになる!」というレベルまで到達できます。

このシリーズを見て、Serumマスターになりましょう!

The Complete Guide To Master Serum|#2 Filters Galore

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目次

はじめに:今回解説する機能とパラメータ一覧

今回は、以下の機能やパラメータについて解説します。

・各フィルターの種類
・CUT OFF(カットオフ)
・RES(レゾナンス)
・PAN(パン)
・DRIVE(ドライブ)
・Varariance Function(FAT、FREQ、MORPHなど)
・MIX(ミックス)
・A/BボタンとN/Sボタン
・キートラックボタン(キーボードマーク🎹)
・グラフの切り替え
・MIX/LEVELの切り替え

Serumのフィルターの種類

Serumのフィルターセクションでは、数多くの種類のフィルターを選ぶことができます。

Serumの使い方(Filter・フィルター)

フィルターの名前(デフォルトでは「MG Low 6」)をクリックすると、使えるフィルターの一覧が出てきます。

非常にたくさんの種類がありますが、フィルターの種類だけではなく、その他のパラメーターと組み合わせて使うとよりユニークなサウンドを作ることができます。

※各フィルターの詳しい説明は後述します

CUT OFF(カットオフ)

Serumの使い方(Filter・フィルター・CUTOFF)

CUT OFF(カットオフ)では、フィルターでカットする音域を調整することができます。

例えばローパスフィルターを選択した状態でCUT OFFの値を下げると(左に振ると)、音がだんだんこもったような音になります↓

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例えばベースの音を作りたいとき、ただのスクウェア波(矩形波)では音がキツすぎると感じるでしょう。

そのとき、Filterセクションでローパスフィルターを使うことで、まろやかなベースの音にすることができます↓

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フィルター名の最後についている数字の意味とは?

フィルターの名前には、「Low 6」「Low 12」「Low 18」「Low 24」など、末尾に数字がついています。

これはフィルターのスロープ(角度)を表しています。

Serumの使い方(Filter・フィルター)

Serumの使い方(Filter・フィルター)

Serumの使い方(Filter・フィルター)

数字が低いほどゆるやかなスロープ(角度)になります。

例えば高音域を完全にカットしたいときは、「Low 24」など角度が急なローパスフィルターを選ぶのがおすすめです。

RES(レゾナンス)

Serumの使い方(Filter・フィルター・RES)

RES(レゾナンス)は、フィルターのカット際の周波数をブーストするパラメーターです。

例えば1000Hz以下をカットするフィルターの場合、1000Hz付近の周波数がブーストされます。

Serumの使い方(Filter・フィルター)

レゾナンスとカットオフを組み合わせてアシッドなシンセサウンドを作ろう

このRESとCUT OFFを使うと、アシッドな音を作ることもできます↓

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PAN(パン)

Serumの使い方(Filter・フィルター・PAN)

#1で解説したオシレーターと同様、PANを調整することができます。

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DRIVE(ドライブ)

Serumの使い方(Filter・フィルター・DRIVE)

DRIVEでは、フィルターをかける前にドライブ(サチュレーション)のエフェクトをかけることができます。

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Varariance Function(FAT、FREQ、MORPHなど)

Varariance Function(Var Function)では、フィルターの種類によってさまざまな機能・名前に変わります。

Serumの使い方(Filter・フィルター・Variance Function)
https://s3.amazonaws.com/decembercymatics/Serum_Manual.pdf

FAT(ファット)

Serumの使い方(Filter・フィルター・FAT)
例えばFATは、カラーをあまり変えずに音をより太くすることができるパラメーターです。

前述のDRIVEと似ていますが、音のカラーをあまり変えずに全体の音量を大きくするような効果があります。

MIX(ミックス)

Serumの使い方(Filter・フィルター・MIX)

MIXは「フィルターをかけた音とかけていない音をどれぐらいの割合で混ぜるか?」を決めるパラメーターです。

いわゆる「Dry/Wet」の割合を決める数値です。

MIXのパラメーターを動かすことにより、このようなうねうねしたサウンドを作ることも可能です↓

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MIX/LEVELの切り替え

Serumの使い方(Filter・フィルター・MIX・LEVEL)

フィルターセクションの右下は、デフォルトでは「MIX」になっています。

この「MIX」の文字をクリックすると「LEVEL」に切り替わり、フィルターがかかった音の音量を変更することができます。

A/BボタンとN/Sボタン

Serumの使い方(Filter・フィルター・ABボタン・NSボタン)

A/Bボタンをクリックすると、フィルターを適用させるオシレーターを任意で選択することができます。

A:OSC Aにフィルターを適用する
B:OSC Bにフィルターを適用する
N:NOISEにフィルターを適用する
S:SUBにフィルターを適用する

※青く点灯させているオシレーターにのみ、フィルターが適用されます。

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キートラック(キーボードマーク)

Serumの使い方(Filter・フィルター・キートラック・キーボードマーク)

キートラック機能では、再生している音の音程に合わせてフィルターの適用具合を変更することができます。

例えばローパスフィルターを使っている場合、低い音を鳴らしているときはフィルターが強くかかり(高音域がカットされる)、高い音を鳴らしているときはフィルターが弱くかかります(高音域も聞こえる)。

逆にハイパスフィルターを使っている場合は、低い音を鳴らしているときはフィルターが強くかかり(低音域も聞こえる)、高い音を鳴らしているときはフィルターが弱くかかります(低音域がカットされる)。

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Serumでさまざまなフィルターを使ってみよう

Serumでは、非常にたくさんの種類のフィルターを使うことができます。

どのフィルターでも基本的な使い方は上記と同じですので、ぜひいろいろなフィルターを使って音作りをしてみてください。

「Normal」フィルター

ここからは、「Normal」のセクションにあるフィルターについて解説します。

Serumの使い方(Filter・フィルター・Normal)

ローパスフィルター(Low Pass Filter)

Serumの使い方(Filter・フィルター・Low)

フィルターの中で最も多く使われるのが、ローパスフィルターです。

その名前の通り「ロー(低い音域)を通す」ので、低い音だけを残し、高い音がカットされるような音になります。

ハイパスフィルター(High Pass Filter)

Serumの使い方(Filter・フィルター・High)

ハイパスフィルターは、高音域だけを残すフィルターです。

ローパスフィルターとは逆の動きをします。

ハイパスフィルターを使った音作りの例↓

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バンドパスフィルター(Band Pass Filter)

Serumの使い方(Filter・フィルター・Band)

バンドパスフィルターは、特定の周波数帯域だけを残すフィルターです。

ドライブやディストーションのエフェクトと一緒に使うと効果的です。

バンドパスフィルターを使った音作りの例↓

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ピークフィルター(Peak Filter)

Serumの使い方(Filter・フィルター・Peak)

ピークフィルターは、特定の周波数帯域だけをブーストことができるフィルターです。

CUT OFFとRES(レゾナンス)を同時に使うことで、より効果的に使うことができます。

ノッチフィルター(Notch Filter)

Serumの使い方(Filter・フィルター・Notch)

ノッチフィルターは、特定の周波数帯域だけを減らすことができるフィルターです。

「特定の周波数帯域だけを残すバンドパスフィルターの逆」とも言えます。

CUT OFFのパラメーターを動かすと、とても動きのあるサウンドを作ることができます↓

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中音域だけをカットすると、少し空間を感じるようなシンセサウンドを作ることができます↓

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「Multi」フィルター

ここからは、「Multi」のセクションにあるフィルターについて解説します。

Serumの使い方(Filter・フィルター・Multi)

フィルターの名前の意味を理解しよう

Serumのフィルターにはさまざまな種類がありますが、名前に入っているアルファベットの意味を理解すると、どのようなフィルターなのかを判断しやすくなります。

L:Low
H:High
N:Notch
B:Band Pass
P:Peak

どれも、先ほど説明したベーシックなフィルターです。

それでは、これを踏まえて主なフィルターについて解説します。

ロー&ハイパスフィルター(Low & High Pass Filter)

Serumの使い方(Filter・フィルター・LH)

LHフィルターは、ローパスフィルターとハイパスフィルターを兼ね備えたフィルターです。

フィルターのパラメーターのうち、「CUT OFF」はハイパスフィルター側の調整、「FREQ」はローパスフィルター側の調整をします。

こちらのフィルターでも、アシッドなサウンドを作ることができます↓

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L/B/Hフィルター

Serumの使い方(Filter・フィルター・L/B/H)

L/B/Hフィルターは、ローパスフィルター、バンドパスフィルター、ハイパスフィルターを組み合わせたフィルターです。

「Flanger」フィルター

ここからは、「Flanger」のセクションにあるフィルターについて解説します。

Serumの使い方(Filter・フィルター・Flanges)

フィルターの名前にある「+」「-」の意味

フィルターの名前の末尾に「+」「-」がついています。

これは、フィルターのかかり方がそれぞれ「真逆」になることを示しています。
Serumの使い方(Filter・フィルター・Cmb)

Serumの使い方(Filter・フィルター・Comb)

Cmbフィルター(Comb Filter)

Serumの使い方(Filter・フィルター・Comb)

Cmbフィルター(Comb Filter)は、元の音とその音を少しディレイさせた(遅らせた)音を混ぜたフィルターです。

Comb(髪をとかす”くし”)のようにギザギザした形をしているため、このような名前がついています。

例えば通常のSuper Sawの音にこのフィルターを使うと、金属音のような音に変わります。

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Cmbフィルターとキートラッキングを組み合わせて使う

Cmbフィルターを使うとき、キートラッキングをONにすると、その音程に合わせたフィルター音を鳴らすことができます。

音程を正しく出したいときなどは、キートラッキングをONにして使うのがおすすめです。

HP FREQ(High Pass Frequency)

Serumの使い方(Filter・フィルター・HP FRQ)
フィルター「Flg H6+」などでは、Variance Functionが「HP FREQ」に変わっています。

「HP FREQ」では、値を大きくするほど(右に振るほど)高音域のみにフィルターがかかるようになります。

そのため、例えば「低音域にはフィルターがかからないようにしたい」というときは、この値を大きくするのがおすすめです。

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「Misc」フィルター(Miscellaneous Filter)

ここからは、「Misc」のセクションにあるフィルターの一部をご紹介します。

さまざまな種類がありますので、ぜひいろいろなフィルターを使って音作りを楽しんでください。

Serumの使い方(Filter・フィルター・Misc)

より複雑で、言葉で説明するのが難しいようなおもしろいフィルターがたくさんあります。

Ring Modフィルター(Ring Modulation Filter)

Serumの使い方(Filter・フィルター・Ring Mod)

Ring Modフィルターは、ロボットサウンドやベルサウンド(Bell)を作りたいときにおすすめです。

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SampHoldフィルター(Sample Hold Filter)

Serumの使い方(Filter・フィルター・SampHold)
SampHoldフィルター(Sample Hold Filter)では、ビットクラッシャーのように意図的にサンプリングレートを低くすることができます。

「SamplHold」ではCUT OFFの値が高いほど元の音に近く、低いほどサンプリングレートが低い音になります。

「SampHold -」では、この逆の動きをします。

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Combsフィルター(Miscセクション)

Serumの使い方(Filter・フィルター・Combs)

Miscセクションにも、Combsフィルターがあります。

Super Sawに対して使うと、よくTrapなどで聞くシンセサウンドを作ることができます。

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Allpassesフィルター(All Passes Filter)

Serumの使い方(Filter・フィルター・Allpasses)

Allpassesフィルターは「Combフィルターの別バージョン」とも言えるフィルターです。

前述のCombフィルター類と異なるのは「DAMP(Dampening)」が使える点です。

Serumの使い方(Filter・フィルター・DAMP)

DAMPでは高音域を減らすことができ、ローパスフィルターのような役割をします。

Reverbフィルター(Reverb Filter)

Reverbフィルターは、フィルターですがリバーブがかかったようなサウンドになります。

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フィルター画面の切り替え

フィルターのグラフ部分をクリックすると、フィルターをかけた音のスペクトラムやフェーズ(PHASE)のグラフを同時に確認することができます。

デフォルトの状態↓

Serumの使い方(Filter・フィルター)

デフォルトの状態から画面を1回クリックしたとき↓

Serumの使い方(Filter・フィルター)

デフォルトの状態から画面を2回クリックしたとき↓

Serumの使い方(Filter・フィルター)


次回「#3 エンベロープ(Envelopes)」の解説はこちら↓

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