【作曲】セカンダリードミナントの使い方【レミゼラブル・Muse・Nora Jones編】

【作曲】セカンダリードミナントの使い方【レミゼラブル・Muse・Nora Jones編】
かっこいいコード進行になることでおなじみの「セカンダリードミナント」は、実際の曲ではどう使われているの?
そもそもセカンダリードミナントって何?

今回はこのような疑問にお答えする内容です。

YouTubeで音楽理論解説動画をアップしているMusicTheoryAdvancedが解説した「セカンダリードミナントを使ったポピュラーミュージック」をまとめました。

今回は、以下の楽曲で使われているセカンダリードミナントについて解説していきます。

Museの「Stockholm Syndrome」
Nora Jonesの「Don’t Know Why」
レミゼラブルの「I Dreamed A Dream」

「セカンダリードミナントって何?」という方、QUEENのヒット曲「ボヘミアンラプソディー」での使用例を見たいという方は、Part1をご覧ください↓

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Muse「Stockholm Syndrome」で使われるセカンダリードミナントの例

Muse – Stockholm Syndrome

Muse「Stockholm Syndrome」は、Dmキーです。

Dmキーのダイアトニックコードはこちら↓

Dm Edim F Gm Am Bb C

ちなみにマイナーキーの場合は「ナチュラルマイナースケール」「ハーモニックマイナースケール」「メロディックマイナースケール」と、3種類スケールもあります。

Dメロディックマイナースケールのコード

Dm Em F G A Bdim C#dim

こちらも念頭に置いておいてください。

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原曲のコード進行をチェック

まずは、原曲のコード進行をチェックしてみましょう(5:44~6:08)↓

Secondary Dominants in popular music


画像:動画より

見てみると、この中にダイアトニックコードに入っていないコードが使われている部分があります。

8小節目の「D/F#」です。

画像:動画より

そこで、次の小節を見てみましょう。

コードはGmです。

もうお気付きの方もいらっしゃるかもしれませんが、この「D/F#」は、Gmのセカンダリードミナントです!

マイナーコードのセカンダリードミナントもマイナーコードになるの?

ここで重要なのが、マイナーコードに対するセカンダリードミナントを作る場合、セカンダリードミナントもマイナーになるのか?ということ。

実は、これはNOです。

セカンダリードミナントは、その曲のキーがメジャーであるかマイナーであるかに関わらず、すべてメジャーコードになります。

今回の場合、Gmに対するセカンダリードミナントを作る例になりますが、Gマイナーキーではなく「Gメジャーキー」のドミナントであるDを使うことになります。

Nora Jones「Don’t Know Why」の例

Norah Jones – Don't Know Why

次にご紹介する「Don’t Know Why」は、Bbメジャーキーの楽曲です。

Bbのダイアトニックコード
Bb Cm Dm Eb F Gm Adim

そして、実際の楽曲がこちら(7:40~)↓

Secondary Dominants in popular music

以下の画像を見てお分かりの通り、いくつかダイアトニックコードにはないコードがあります。

青い文字のコードはダイアトニックコード、緑の枠で囲まれているコードはダイアトニックコードにはないコード、そしてセカンダリードミナントになります。


画像:動画より

これまでのシリーズでお伝えした方法でサクっと考えてみると…

Ebに対するBb7:Ebメジャーキーのドミナント(V)→Bb7
Gm7に対するD:Gメジャーキーのドミナント(V)→D
Fsus4に対するC7:Fメジャーキーのドミナント(V)→C7

このようになります。

この曲ではたくさんのセカンダリードミナントが使われていますが、ものすごく大きな変化を感じるコード進行ではなく、少しずつ変化がある感じに聞こえるのが特徴です。

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「レミゼラブル」の「I Dreamed A Dream」

Les Misérables (2012) – I Dreamed A Dream Scene (1/10) | Movieclips

最後は、「レミゼラブルの「I Dreamed A Dream」で使われている例をご紹介します。

楽曲のキーはEbで、ダイアトニックコードはこちら↓

Eb Fm Gm Ab Bb Cm Ddim

実際の曲がこちら(10:00~11:38)↓

Secondary Dominants in popular music

予想外+コード進行と歌詞のリンク

コード進行はこのようになっています。


画像:動画より

この曲の面白いところは、1回目のフレーズはダイアトニックコードに着地しているのに対し、2回目のフレーズではセカンダリードミナントに着している、という点です。

下の画像のうち、青い部分です。


画像:動画より

1回目はダイアトニックコードに着地しているので、なんとなく予想できるコード進行なのですが、2回目はセカンダリードミナントを使っているので、予想できないコード進行になっています。

このような使い方をすれば、歌詞の感情の動きに沿ったコード進行を作ることができます。

ちなみに2回目のフレーズの終わりのコード「F」は、次のコード「Bb」のセカンダリードミナントです。

1回目のフレーズはFmで終わり、2回目のフレーズはFで終わっているので、親近感は持たせつつも一味違く、また次のBbへスムーズに進行することができています。


以上が、有名な楽曲で使われているセカンダリードミナントの使用例でした。

今回のシリーズを通して、セカンダリードミナントの可能性がかなり広まったのではないでしょうか。

やり方を1度覚えればすぐ使えるようになりますので、ぜひお試しください!

ちなみにかっこいいコード進行については、こちらの書籍と記事を読むとさらにバリエーションを増やせます↓

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