ソフト・プラグイン・機材

Xfer Records社「OTT」の使い方まとめ【おすすめプラグイン】

今回は、Xfer Records社の人気無料プラグイン「OTT」の使い方をご紹介します。

はじめに:Xfer Records社「OTT」とは?

Xfer Records社「OTT」は、一言で言うと「マルチバンド・アップワード・ダウンワード・コンプレッサー」です。

Xfer Records社「OTT」の使い方まとめ【マルチバンドコンプレッサー】

マルチバンド:低音域、中音域、高音域の3つに分けてコンプレッサーをかけられる
アップワード:アップワードコンプレッションをかけられる
ダウンワード:ダウンワードコンプレッションをかけられる

この3つの要素が備わった万能プラグインです。

「アップワードコンプレッション」と「ダウンワードコンプレッション」とは?

アップワードコンプレッション(Upward Compression)は、スレッショルド(基準値)を超えなかった音の音量を上げるコンプレッションです。
※Upward = 上方向へ

これにより、小さい音と大きい音の差を縮めます。

ダウンワードコンプレッション(Downward Compression)は、スレッショルド(基準値)を超えた音の音量を抑えるコンプレッションです。
※Downward = 下方向へ

これにより、小さい音と大きい音の差を縮めます。

どちらも「小さい音と大きい音の差を縮める」という点は共通していますが、スレッショルド(基準値)を超えた音だけを抑えるのか、スレッショルドを超えなかった音を引き上げるのか、という点が異なります。

関連記事

OTTをダウンロードする(無料)

下記サイトより、Windowsユーザーの方は「Install_Xfer_OTT_137.exe」を、Windowsユーザーの方は「Install_Xfer_OTT_137.dmg」をダウンロードします。

OTTをダウンロードする(公式サイト)
ダウンロードは無料ですので、誰でもすぐに使えます。

インストローラーのダウンロードが完了したら、インストローラーのガイダンスに従ってインストールを完了させます。

OTTのパラメーター解説

ここからは、OTTの画面にある各パラメーターについて解説します。

DEPTH

音をどれぐらいOTTに通すかを決めます。

100%にすると全ての音がOTTに通され、OTTの効果を100%受けた音になります。

0%にすると音が一切OTTを通らなくなるため、OTTの効果を一切受けない音になります。

TIME

Xfer Records社「OTT」の使い方まとめ【マルチバンドコンプレッサー】

コンプレッションのアタックタイムとリリースタイムを調整します。

IN GAIN

Xfer Records社「OTT」の使い方まとめ【マルチバンドコンプレッサー】

OTTに通す音の音量を決めます。

OUT GAIN

Xfer Records社「OTT」の使い方まとめ【マルチバンドコンプレッサー】

OTTに通した後の音の音量を決めます。

マルチバンドコンプレッサー

Xfer Records社「OTT」の使い方まとめ【マルチバンドコンプレッサー】

「H」「M」「L」の3段あるエリアは、マルチバンドコンプレッサーを調整するエリアです。

Hは高音域、Mは中音域、Lは低音域を示しています。

黒いエリアはスレッショルド(基準値)で、メーターのいずれかの場所を左右にドラッグすると動きます。

茶色のエリアはアップワードコンプレッション、緑色のエリアはダウンワードコンプレッションを表しています。

黄色いラインと白いライン

Xfer Records社「OTT」の使い方まとめ【マルチバンドコンプレッサー】

実際に音を鳴らしてみると、上記画像のように黄色いラインと白いラインが表示されます。

黄色いライン:コンプレッサーがかかった後の音の音量
白いライン:コンプレッサーがかかる前の音の音量

例えば上記画像の場合、低音域(L)は茶色のエリア=アップワードコンプレッションの比重が大きいので、アップワードコンプレッションが非常に強くかかっていることになります。

そのため、元の音量(白いライン)は真ん中よりやや左のラインで音量が小さいですが、実際の音は音量が大きくなり、黄色いラインまで音量が上がっています。

逆に中音域(M)は緑色のライン=ダウンワードコンプレッションの比重が大きいので、ダウンワードコンプレッションが強くかかっており、元の音量は白いラインまでありましたが、実際は黄色いラインまでの音量しか出なくなっています。

H・M・L

Xfer Records社「OTT」の使い方まとめ【マルチバンドコンプレッサー】

右にある3種類のノブは、H(高音域)、M(中音域)、L(低音域)の音量を調整します。

UPWARD・DOWNWARD

Xfer Records社「OTT」の使い方まとめ【マルチバンドコンプレッサー】

画面下部にある「UPWARD」「DOWNWARD」は、それぞれアップワードコンプレッションとダウンワードコンプレッションをどれだけ強くかけるかを決めます。

コンプレッサーを理解して使いこなす方法

OTTをはじめとするコンプレッサーは、「なんとなく使っているだけ」「とりあえず適当にパラメーターを調整している」という使い方をしがちです。

当サイトでは、この「なんとなく使っている状態」から「しっかり理解して自分の理想の音作りができる」という状態にレベルアップするための方法をご紹介していますので、OTTをお使いの際はぜひこちらもご覧ください↓

Reference


人気記事

1

今回は「絶対に買って損しない、おすすめDTM音源・プラグイン」をまとめました。特に多くの音楽プロデューサーに愛用され、世界中でベストセラーになり、買っても絶対に損しないと思えるプラグインはかなり絞られます。ここでは初心者からプロまで使えて「これさえ買っておけば問題なし」と断言できる「世界で愛用されているおすすめDTM音源・プラグイン」をご紹介します。

2

今回は、DTMでおすすめのオーケストラ系楽器がすべて使える音源をまとめました。1つ購入するだけで弦楽器・金管楽器・木管楽器・打楽器すべてが揃うだけでなく、世界中のプロが愛用する高品質の製品ばかりですので、まだお持ちでない方はぜひチェックしてみてください。

LA2Aコンプレッサー 3

今回は「LA-2Aコンプレッサーの使い方」をまとめました。「有名なコンプレッサー」としてよく名前が挙げられるのが、Teletronix社の「LA-2A」です。なぜこのコンプレッサーは世界中のDTMerに愛されているのか、その魅力と使い方を解説していきます。

4

クリスマスソングをかんたんに作る方法はない? このような疑問にお答えする内容です。 数々のDTM動画を投稿している音楽プロデューサーEDWANの「クリスマスソングを5分で作る方法」で使われているテクニックをまとめました。 楽器編成、リズムの視点からクリスマスソングを作る方法を解説します。

5

今回は、DTMでおすすめの民族楽器系音源・プラグインをまとめました。通常のポップスやオーケストラではあまり使われない楽器や、非常にニッチな国・地域特有の楽器が使える製品もまとめています。インド・中国・北欧・ケルト系・アラブ・ガムラン系など幅広くご紹介しますので、ぜひチェックしてみてください。

6

クリスマスソングの作り方を教えて欲しい!クリスマスっぽさって、どうやったら出せるの?このような疑問にお答えする内容です。MAGIX MAGAZINEのDaniel Wilsonが解説する「クリスマスソングの作り方」をまとめました。今回ご紹介する3ステップに沿えばかんたんにクリスマスソングを作れるようになります!

7

今回は、ジャンル・シチュエーション別に2025年のブラックフライデーで買っておきたいプラグインと機材をまとめました。多くのメーカーや通販サイトで大規模なセールが開催されていますので、お持ちでない製品があればぜひこの機会にGETしてください!

8

今回はDTMで人気の「Manley VOXBOX」の魅力と使い方をまとめました。1996年に開発されたこの製品は、数ある音楽制作関連機材の中でも「レジェンド」と呼ばれるほど有名な製品です。一体どんなところが魅力なのでしょうか?

9

今回は、DTMでも非常に人気のある「dbx160コンプレッサー・リミッター」についてまとめました。アタックやリリースのパラメーターの調整に苦戦している方や、手軽にプロのサウンドをGETしたい方にはおすすめの製品ですので、ぜひチェックしてみてください。

10

今回は、Alex Romeが解説する「10個のコードパターンで10種類の違う感情を表現!」をまとめました。 自分の表現したいものを、コード進行でうまく表現できない…そんな方に必見の内容です!

-ソフト・プラグイン・機材