Wavesのリミッタープラグインを使って上手に音圧を上げるコツ【基礎編】
今回は、Waves社が解説する「ミックスとマスタリングの仕方〜ピークリミッターの使い方を徹底解説〜」をまとめました。
この記事では「基礎編」として、リミッターに関する基礎を解説しています。
・リミッター(Limiter)とは?
・ピークリミッター(Peak Limiter)とは?
・Waves社のリミッター「L1」「L2」「L3」を比較して聞いてみよう
・リミッターはいつ使えばいいのか?
・THRESHOLDの設定方法
・RELEASEの設定方法
・「ARC」とは?
・QUANTIZE、DITHER、SHAPINGの設定方法
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リミッター(Limiter)とは?
リミッター(Limiter)とは、基本的には「音楽制作の一番最後の段階」に使われることが多いプラグインです。
リミッターを使うと、例えば下の画像の白い波形の音を、
こちらの赤い波形のように、大きくすることができます。
マスタリングに使われることが多いのですが、ボーカルをもっと目の前にいるように聞かせるために使われることもあれば、ベースに使ってより締まった音にすることもあれば、いろいろなトラックをまとめたBusに使われることもあるなど、用途はさまざまです。
このように、音を大きくすることができるので、基本的にはマスターバス(Stereo Bus)の一番最後に使うことが多いです。
ピークリミッター(Peak Limiter)とは?
ピークリミッター(Peak Limiter)とは、かんたんに言うと「ものすごく速く強くコンプレッションをかけるコンプレッサー」です。
普通のリミッターよりも非常に速く動作するので、スレッショルド(基準値)を超えた音を見つけたら、瞬時にリミッティングを始めます。
※レシオを1:1にすると全くコンプレッションされず、2:1にすると出過ぎた音が半分になり、20:1にすると出過ぎた音が20分の1まで抑えられます
スレッショルドを超えた音を20分の1の大きさまで抑えるので、非常に強くコンプレッションがかかります。
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どのリミッターを使うべきなのか?
リミッターにも非常にさまざまなタイプがあり、例えばWaves社が開発しているリミッターもたくさんあります。
「L1 Limiter」「L1 Ultramaximier」
鋭くカリっとした音になりやすい、ロングセラーのリミッター
「L2 Ultramaximizer」
クリアで自然にリミッティングできるリミッター
「L3 LL」「L3 Multimaximizer」などのL3シリーズ
より細かく設定をしたい人におすすめのリミッター
それではここで、Waves社のリミッター「L1」「L2」「L3」をまとめて比較してみましょう。
これまでの内容を踏まえると、それぞれのリミッターのカラーの違いがよくわかってくると思います。
Waves社の他にも、リミッターにはさまざまな種類が製品があります。
そのため、どのリミッターがどのような特徴を持っているのかを知ることが非常に大切です。
リミッターを使うときによくある問題
前述の通り、リミッターを使うと「音をより大きく聞かせることができる」というメリットがあります。
しかし、リミッターを使うと音割れしてしまうことがあります。
例えば、下の画像はリミッター(L2 Ultramaxiizer、画像左側)を使った後、F6(EQプラグイン、画像右側)を使った例です。
お分かりの通り、リミッターの後に挿しているプラグイン(右側のEQ)の音量レベルが限界を超えてしまい、赤く点灯しています。
せっかく音を大きくしても、リミッティングしすぎて音割れしてしまっては大問題です。
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なぜリミッターを使うと音割れが起きる?
なぜリミッターを使った後にこのような「音量レベルが限界を超える」という問題が起こるかというと、これは「インターサンプルピーク」が関係しています。
インターサンプルピークとは、かんたんに言うと「DAW上ではクリッピング(音割れ)していないはずなのに、デジタル信号からアナログ信号に変換した時に、音量がオーバーしてしまい音量が歪んでしまう現象」のことです。
つまり、リミッターを使って数値上では「クリッピングしていないから音量はOK!」と思っても、実際に音を聞いたりオーディオファイルにバウンス(書き出し)するときには、勝手にクリッピングしてしまっていることがあります。
インターサンプルピークについては、こちらで詳しく解説しています↓
それでは、このインターサンプルピークの問題を避けながらリミッターを上手に使うにはどうしたらよいのでしょうか?
これについては、次回「実践編」で詳しくご紹介していきます↓
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