【DTM】全てのシンセを使いこなすための「シンセの使い方講座 -実践編-」
- 2023.06.17
- 2024.11.17
- シンセ
ソフトウェアならMassive、Serum、Avenger、Synthmaster、Omnisphere…
音楽業界では、実にたくさんのシンセが使われています。
しかし、「自分はこのシンセを使いこなせている!」と自信を持って言える製品はなかなか少ないのではないでしょうか?
この記事では「実践編」として、前回の基礎編で学んだ知識を使って「シンセのパラメーターをどう動かしていけばよいのか?」「実際の音作りにどう活かすか?」を解説していきます。
これで「シンセは持ってるけど使いこなせていない」「シンセはプリセットを選んで終わり」を卒業し、「自由自在に音を作るシンセマスター」になりましょう!
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シンプルなシンセしか持っていないけど大丈夫?
SerumやDivaなど、人気のシンセであればさらに細かく複雑なサウンドを作ることもできます。
このようにシンプルで機能に限りのあるシンセであっても、十分パワフルなサウンドを作ることが可能です。
あまりシンセを持っていないという初心者の方も、まずはシンプルなシンセから始めても全く問題ありませんので、ご安心ください。
余談:Rolandのシンセの歴史
ちなみに、日本が誇るメーカー「Roland」は昔からシンセを開発していましたが、初めから商業的な成功を収めたわけではありませんでした。
しかし、今となってはRolandが開発したシンセたちが、今のダンスミュージックの基礎を作ったと言っても過言ではないほど重要な技術やサウンドとなりました。
これらのシンセも、今のシンセに比べれば機能は非常に限られていますが、今も愛されるサウンドばかりです。
そのため、このように「機能は限られているけどパワフルなサウンドを作れるシンセ」を使って音作りの練習をするのは、とても効果があります。
Roland SH-101を使って練習する
さて、まずはRoland SH-101を使って音作りの練習をしてみましょう。
このようにシンセをざっと見たとき、ツマミやフェーダーがたくさんあってもう何が何だかわからなくなってしまう方もいるかもしれませんが、ご安心ください。
前回の「基礎編」でお伝えした、「オシレーター(O)」「フィルター(F)」「アンプ(A)」の3つを先に探してみましょう。
このシンセを見てみると、「VCO」「VCF」「VCA」という名前の部分があります。
この「VC」は「Voltage Control」の意味で、O,F,Aはそれぞれシンセの3要素の頭文字を表しています。
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音を鳴らしてみよう
それでは、試しに今の状態のままで鍵盤を押してみましょう↓(9:09~9:12)
「ピーピー」と甲高く、強い音が鳴りました。
オシレーターに関するパラメーターをいじってみる
それでは、前回の「基礎編」でも少し触れた「シンセを使うときのチェックリスト」に沿って、シンセのパラメーターを一つずつ見ていきましょう。
オクターブ(Octave)
オシレーターの「オクターブ」のパラメーターを変えてみます↓(9:18~9:25)
ウェーブフォーム(Waveform)
このシンセの場合、「SOURCE MIXER」の欄にノコギリ波を表すギザギザのマークや矩形波を表す四角の凹凸のマークがあり、ここでウェーブフォームを変えられます。
四角い方をゼロにしてギザギザの方だけフェーダーを上げると、ノコギリ波の音が鳴ります↓(9:37~9:43)
フィルターに関するパラメーターをいじってみる
次はフィルターです。
このシンセの場合、Cutoff Frequencyは「FREQ」のツマミで変更できます。
ツマミを左に回すと、音がより暗くなります。
レゾナンスは「RES」のツマミで、こちらもツマミを回すと音が変わります↓(9:57~10:01)
エンベロープは「ENV」のツマミで変更できます。
この場合は、「エンベロープがどれだけCutoffに影響するか」を決めるパラメーターになります。
下にある「ADSR」のフェーダーは、基礎編で解説した「アタック」「ディケイ」「サステイン」「リリース」を表し、このフィルターをどのように開ける/閉めるかを決めます↓(10:36~10:43)
例えばこの状態だと、鍵盤を押したとき(マウスで鍵盤をクリックした瞬間)にフィルターが開き(音が一瞬明るくなる)、すぐに閉じます(音が暗くなる)。
レゾナンスのパラメーターも動かすことで、音の印象が大きく変わります。
このように、各パラメーターの値をエンベロープと組み合わせることで、独自のサウンドを作ることができます。
アンプに関するパラメーターをいじってみる
次はアンプですが、これは今までよりもとてもシンプルです。
例えばサステインをMAXにして、リリースを少し上げた場合は、このようになります↓(11:07~11:14)
鍵盤を押したとき(マウスで鍵盤をクリックしたとき)に音が鳴りますが、鍵盤から離したとき(マウスから指を離したとき)にも、音が若干伸びます。
このようにして、音の長さや大きさを変えられます。
エフェクトに関するパラメーターをいじってみる
次はエフェクト類です。
リバーブはディレイを足してみると、どうなるでしょうか?↓(11:22~11:27)
このシンセにはビットクラッシャー(CRUSHER)も付いているので、少しノイズが入ったような、歪んだ音を作ることもできます↓(11:36~11:42)
とても変な音になりましたが、逆に変な音が欲しいときはこのようなエフェクト類を活用するとよいでしょう。
LFO(MODULATOR、MODULATION)
次はLFOです。
このシンセではMODULATORという名前になっていますが、シンセによっては「MODULATION」「MODULATION SOURCE」などの名前になっていることもあります。
例えば上記の画像のように、波線マーク+VCF(フィルター)に対してLFOをかけると、このようになります↓(12:07~12:26)
フィルターのFREQ(Cutoff Frequency)が、波線のような形でウィンウィンウィン~と動いているような音になりました。
RATEを上げると、この動きがいっそう速くなります。
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グライド(GLIDE)、ポルタメント(PORTAMENTO)
次はピッチに関するパラメーターのグライド(ポルタメント)です。
音を移動するときに、どれぐらいなめらかに音程移動をするのかを決めます。
特にこのようなモノラルシンセサイザーの場合は、とてもかっこいい音を出すために使えるパラメーターです↓(12:41~12:52)
(ポリフォニックシンセサイザーでも、POLYモードとMONOモードを切り替えられるものがあります)
別の音に移動するたびに、「ウィーン」とゆるやかに音程が動きました。
以上で実践編は終了です!
次の「応用編」では、基礎編・実践編で学んだ知識を使って「実際の曲で使えるかっこいいサウンドを作る方法」を1からご紹介していきます。
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