海外プロの作曲方法~アレンジのコツと楽曲分析②~
- 2025.04.30
- アレンジ・打ち込み

今回は、世界的人気音楽プロデューサー&DJのKSHMRが教える「あなたの楽曲のアレンジを今すぐ改善する方法」をまとめました。
ポップ・EDM・ヒップホップなど、あらゆるジャンルのアレンジを分析しながら「いいアレンジを作る方法」をご紹介します。
今回はPart2として「ダンスミュージックで使えるアレンジのコツ」をご紹介します。
曲に面白みがなくて、聴いていてすぐ飽きてしまう…
プロの曲はなぜ「ただの繰り返し」に聞こえない?
このような方は必見の内容です!
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各セクションの英語名と日本語名について
この記事では元動画の解説の通り、各セクション名を英語名で表記します。
下記を参考にしながらご覧ください。
Verse:Aメロ
Pre:Bメロ
Chorus:サビ
Post Chorus:ポストコーラス
Drop:ドロップ
Bridge:Cメロ
ダンスミュージックにおけるExtended Mixのアレンジ方法
ダンスミュージックでは、5~8分程度の長い「Extended Mix」と、3分程度の「Radio Edit」の2バージョン作られることがあります。
原曲が5分以上ある場合は原曲がExtended Mix扱いに、原曲が3分の場合は原曲がRadio Edit扱いになることもあります
DJが前後の曲と組み合わせやすいようにするため、Extended Mixでは長めのIntroとOutroが作られます。
音程がある楽器があるとキーが合わせにくくなるため、Intro・Outroはドラムだけで作られることが多いです
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ヒット曲「Ferrari」の例
それでは、「Ferrari」のExtended Mixを聴いてみましょう。
IntroとOutroは通常のポップスよりも長く、ドラムを中心に鳴っています。
またダンスミュージックでは1番Dropの後にPost Chorusが追加されることがありますが、これは楽曲によって「ミニアウトロ」のようなセクションになることがあります。
「1番Dropが終わったら別の曲につなげたい」というDJもいるので、Post Chorusの後はアウトロのように少し静かなPost Chorusを作るパターンです。
ヒット曲「Miracle Maker」の例
次は「Miracle Maker」の例です。
はじめはDJが前の曲とつなぎやすいように、ドラムを中心としたシンプルなビートが刻まれます。
その後は、Dropにも出てくるメインメロディーが出てきます。
「Dropからドラムをなくしたバージョン」のようになっています。
メインとなる印象的なメロディーを1つ作り、それにドラムを足したりして新しいセクションを作るのは、とてもシンプルでよくあるアプローチの1つです。
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同じセクションが2つ続く時に使えるテクニック
この曲ではDropが8小節続いた後にもう一度Dropが続きます。
DropAとDropB

しかし、メロディーもバッキング(インスト)も同じだと単なる繰り返しになってしまいます。
そのためこの曲では、DropBのバッキングはほとんどDropAのままで、メロディーだけを変えています。
メロディーが同じ、バッキングが異なる
メロディーが異なり、バッキングはほぼ同じ
ドラムに少しだけ変更あり
ミニマルアプローチ(マイクロアレンジ)をやってみよう
使う音を最小限に抑える「ミニマルアプローチ」という方法があります。
「マイクロアレンジ」とも呼ばれます
1つ1つの音の存在感が相対的に大きくなるので、新しい要素が入ったときに大きなインパクトを与えることができます。
例えば、Fishermanの「Losing It」を聴いてみましょう。
Introでは、ドラムとシンセサイザーの音が中心となっています。
ベースも鳴っているのですが、ハイパスフィルターをかけているため、低音域の印象はそこまで強くありません。
Dropに入ると、ブラス(金管楽器)の「ブーン」という音と共に、今度はベースが目立つようになります。
Dropの後のBuild Upは、新しくリズミカルなシンセサイザーの音が加わります。
そして2回目のDropでは、このリズミカルなシンセサイザーの音をメインとしたDropに変わります。
ミニマルアプローチを使ったアレンジのメリット
この曲の素晴らしい点は、基本的にはドラムとベースの2つの楽器をもとに楽曲が作られている点です。
メインにしている楽器が2つしかないので、新しく入った音はとても目立つようになります。
実際に「Losing It」ではベースが少し大きく聞こえるようになっただけでベースの存在感が一気に増し、シンセサイザーの音が入っただけで一気に耳を奪われるぐらい注目を集めています。
特にテックハウスなどのシンプルさが重要になるジャンルを作るときは、ぜひミニマルアプローチを意識してみてください。
アレンジをする前にルールを決めておこう
アレンジを作るときにおすすめなのが、「その曲におけるルールを決めておくこと」です。
曲を作るとき、「他の曲と比べてどう聞こえるか」を気にしてしまうが故に、アレンジが迷走してしまうことがあります。
そのため、他の曲のことは一旦気にせず、「この曲で自分は何がしたいのか」「どんな曲を作りたいのか」を考えてみましょう。
例えば「ドラムとベースを中心とした楽曲を作ろう」などです。
あとはそこに少しシンセサイザーを入れるだけで、ミニマルアプローチができている楽曲が作れるかもしれません。
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その他「楽曲のアレンジを作るときのポイント」
その他、楽曲のアレンジを作るときのポイントをいくつかご紹介します。
長すぎず短すぎず、ちょうどいい長さを見つけよう
Chorusよりも覚えやすくキャッチーであることが多いです
ボーカルもバッキング(インスト)も華やかにしてみましょう。
ボーカルではアドリブやハモリを取り入れてみると効果的です。
イントロ・Aメロ・Bメロ・サビ・Cメロ・アウトロを完璧に作るためには?
今回はヒット曲をいくつか例に挙げながら解説しましたが、楽曲のアレンジを工夫する方法は他にもたくさんあります。
Aメロ・Bメロ・サビ・Cメロ・ポストコーラス・イントロ・アウトロなど、楽曲にはさまざまなセクションがありますが、当サイトではこれら1つ1つの作り方を徹底的に解説した記事をご用意しています。
一生使えるノウハウが詰まっていますので、ぜひこちらもご覧ください↓
Part1はこちら↓
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