【DTM・作曲】耳で「モード音楽かどうか」を聞き分ける方法【音楽理論】
今回は、Ben Levinが解説する「モードの確認のしかた」をまとめました。
音楽において、ミクソリディアンモードやリディアンモードなど、「モード」にはさまざまな種類があります。
しかし、そもそもモードとは何かよくわからなかったり、その曲がモードなのかどうか、何モードなのかを聞き分けるのに苦戦する方も多いでしょう。
そこでこの記事では、「そもそもモードとは何か?」「レラティブモードとは?」「パラレルモードとは?」「どのようにすればモードを聞き分けられるのか?」まで、徹底解説していきます!
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はじめに 「キー(Key)とは何か?」
まずはじめに、「キー(Key)」についてお話します。
キーとは「音程のセット」のことで、このセットを使って音を鳴らすと心地よく感じたり、「いい音楽だ」と感じることができます。
例えば「C,D,E,F,G,A,B」の7つの音をセットにしたものは「Cメジャーキー」と言います。
そして、たとえ同じ音程のセットでも、ある特定の音程を強調するように音を使うと「モード」に変身します。
「D」が中心に聞こえるコード進行の例
例えば、こちらをお聞きください。
使っている音は「C,D,E,F,G,A,B」で、コード進行は「Dm – Em7 – F Maj7 – Em7 F Maj7 Em7」です。
こうすると、まるでDが中心・基準となり、Dに向かって音が集約していくように聞こえます。
言い換えると、「D」が「Home Note(ホームノート)」のような感じです。
このコード進行では、Cメジャーキーと同じ音程のセット(C,D,E,F,G,A,B)を使っています。
同じ音程のセットでも、音の使い方によってはCではなくDが中心となるようにすることができる…つまり「ホームノート」を変えることができるのです。
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「C」が中心に聞こえるコード進行の例
それでは同じ音程のセット「C,D,E,F,G,A,B」を使って、先ほどとは違うコード進行を聞いてみましょう。
コード進行は「Dm – G7 – C Maj7 – Am7(9) – F – G – C」で、Cがホームノートとなるような、Cを中心とするようなサウンドに聞こえます。
同じ音程のセットでも、どの音程を「ホーム」に聞かせるかによって「ムード」も変わりますし、「モード」に変わることもあります。
最初の例は「ホームがDのパターン」、次の例では「ホームがCのパターン」をご紹介しました。
同じキーでも、違う「モード」になる例です。
レラティブモードとは?
異なる2つのモードが同じキー(音程のセット)で成り立っているとき、この2つのモードを「レラティブモード」と呼びます。
同じキー(音程のセット)でもホームノートが変わればモードが変わるため、1つのキーにつき7つのレラティブモードが存在することになります。
一番最初の音をホームノートとすると、7つのレラティブキー(使う音程は同じだが強調する音が異なっているキー)は、このように並べ替えられます。
そして、これらにはそれぞれ名前がついています。
上から順に「イオニアン(アイオニアン)」「ドリアン」「フリジアン」「リディアン」「ミクソリディアン」「エオリアン」「ロクリアン」です。
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モードによって「パワー」と「安定感」が変わる
例えば、このようにDを中心とするようなコード進行があったとしましょう。
コード進行を一通り聞いてみると、最後が「Dm」で終わると違和感があります。
Dmではなく、Cで終わりたい感じがしますよね。
これは、モードによって「パワー」や「安定感」に差があるからです。
例えばCメジャーキー(C,D,E,F,G,A,B)の音程のセットを使うとき、Dを中心としようとするより、Cを中心とした方が解決感(すっきり終わった感じ)が出やすくなります。
そのため、先ほどのコード進行もDmではなくCで終わった方がスッキリします。
つまり、同じ音程のセットを使ってコード進行を使っていても、コツを押さえなければモードらしく聞かせることができないのです。
パラレルモードを理解して、モードを使いやすくする
しかし、このままでは頭が混乱してしまう人も多いでしょう。
そのため、まず7種類のモードのスタートの音を変えずに変換させ、「パラレルモード」を作ってみます。
パラレルモードとは、スタートの音(ホームノート)が同じで、キー(音程のセット)が異なるモードのことです。
右側が、全てCから始まるように変換した例です。
例えば「D,E,F,G,A,B,C」という並びをCから始まるように変換したい場合は、全ての音を全音(ピアノの鍵盤2個分)下げます。
こうすると、Cというスタートの音を変えずにモードに変換することができました。
「C,D,E,F,G,A,B」は「Cアイオニアンモード(Cメジャースケールと同じ)」で、変換した「C,D,Eb,F,G,A,Bb」は「Cドリアンモード」になります。
それでは、試しにCアイオニアンモードを使った曲と、Cドリアンモードで作った曲を聞き比べてみましょう。
同じ「C」を中心に作っている曲でも、モードが違うと曲の雰囲気がガラっと変わりました。
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パラレルモードを聞き比べてみよう
それではここで、Cをホームノートとしたパラレルモードを7種類聞き比べてみましょう。
最初から順にCアイオニアン、Cドリアン、Cフリジアン、Cリディアン、Cミクソリディアン、Cエオリアン、Cロクリアンを使った楽曲です。
モードの聞き分けは「ドローン」がポイント
さて、先ほどパラレルモードを使った楽曲を7種類お聞きいただきましたが、どのトラックもベースに「ドローン(Drone)」を使いました。
ドローンとは「ある一つの音程をずっと伸ばしている音」のことです。
先ほどの例ではベースにCの音をずっと使っていましたが、このドローンを使うと、モードの聞き分けがしやすくなりますし、耳のトレーニングにもなります。
これを踏まえて、もう一度 楽曲を聞いてみましょう。
以前よりも、モードらしさを感じ取れるようになったでしょうか?
モードをさらに理解するには
今回の解説はここで終了ですが、まだあまりモードを理解できていないなと思う方、さらにモードを理解したい・使いこなせるようになりたいと思った方など、さまざまだと思います。
当サイトでは他にもモードに関する記事を数多くご紹介していますので、いろいろな記事を見てみると、だんだんモードに関するコツが掴めるようになります。
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