【作曲・DTM】7ステップでできる映画音楽の作り方

【作曲・DTM】7ステップでできる映画音楽の作り方

今回は、Composing Academynが解説する「7ステップでできる映画音楽の作り方」をまとめました。

これから映画音楽を作ってみたいという方におすすめの内容ですので、ぜひお試しください。

How to compose Cinematic Music (in 7 easy steps)

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映画音楽の作り方1.キーとコードを選ぶ

はじめに、曲のキーとコードを決めます。

今回はCマイナーキーを選び、主にCm、Ddim、Eb、Fm、Gm、Ab、Bbのコードを使います。

【作曲・DTM】7ステップでできる映画音楽の作り方

これらをもとに、コードを実際に打ち込んでみましょう。

ここではCm-AbM7-Bb-Abという4小節のコード進行にします。

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はじめにピアノで打ち込み、コードはオープンボイシングにします。

今回はSpectrasonics社「Keyscape」のピアノのプリセットを使います。

例えばCmコードなら、下から順に「C,Eb,G」ではなく、真ん中のEbを1オクターブ上げ、下から順に「C,G,Eb」となるようにします。

オープンボイシングにすることで、より映画音楽っぽさを出すことができます。

How to compose Cinematic Music (in 7 easy steps)

サウンドを追加してみよう

【作曲・DTM】7ステップでできる映画音楽の作り方

ピアノの他に、以下のようなサウンドも入れてみてもよいでしょう。

・Boom(ドーンという低い音)
・リバースピアノ(ピアノの音を逆再生した音)
・ドローン(ある音をずっと伸ばし続ける)

最初の4小節をコピペして、新しいフレーズを作る

【作曲・DTM】7ステップでできる映画音楽の作り方

次は最初に作った4小節をコピペし、8小節にします。

そして最初の4小節から少し変化をつけるために、コード進行を少し変えてみましょう。

最初の4小節はCm-AbM7-Bb-Abでしたが、次の4小節はCm Bb/D-Eb-Ab9-Ab9にします。

How to compose Cinematic Music (in 7 easy steps)

映画音楽の作り方2.ロングストリングスを入れる

次は、主に伸ばしの音を担当するストリングスを追加します。

今回はSpectrasonics社「Omnisphere」のストリングスのプリセットを使います。

先ほどのピアノのフレーズの後に、新しく8小節を追加します。

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今回はコード進行をまた少し変えてバリエーションを増やしていますが、先ほどと同じコード進行を使ってもOKです。

Cm-AbM7-Bb-Gm-Cm-Ab9-Eb-Bb/D
How to compose Cinematic Music (in 7 easy steps)

リバースピアノを追加

このストリングスがメインになったセクションでも、リバースピアノを追加してみましょう。

こうするとピアノがメインだった最初の8小節と共通点が得られるので、よりスムーズにつながります。

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厚みを出すために音を重ねる

今回はOmnisphereのストリングスの音だけでなく、Cinematic Studio Series社「CSS Longs Ensemble」の音も重ねて使っています。

このように別の音源を複数使うと音に厚みが出ますので、この方法も試してみてください。

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映画音楽の作り方3.スピカートのストリングスを入れる

次は楽曲に動きをつけるため、スピカートのストリングスを入れます。

スピカート(Spiccato)は、弓を弦に対して跳ねるように当てて音を出す奏法です。

SPICCATO Violin Bow technique – A Players Guide – Violin Tips and Techniques.

このスピカートを使って、オスティナートのフレーズを作っていきます。

オスティナート(Ostinato)とは、短いメロディックな音を繰り返し演奏することです。

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例えばコードがCmのとき、オスティナートではCmコードの構成音である「C・Eb・G」の音を使って繰り返しのフレーズを作っていきます。

コードが変わったときは、リズムは変えずに、使う音だけ変更すればOKです。

例えばAbの時は、Ab・C・Ebを使ったオスティナートのフレーズにしましょう。

How to compose Cinematic Music (in 7 easy steps)

映画音楽の作り方4.メロディーを作る

次は、メロディーを入れていきます。

今回ははじめに2小節の「モチーフ」を作り、それを展開させて8小節のフレーズに仕上げていきます。

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コードで使われている音を使いながら、音と音の間にできたスキマを埋めてうまくつながるように音を入れていきます。

同じ音を連続で使ったり、1音ずつ上げたり下げたりすると、より印象に残りやすいメロディーになります。

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次は最初に作った2小節の「モチーフ」をコピペし、次の3・4小節目を作りましょう。

リズムはそのままで音程だけ変えるだけでも、印象が大きく異なり、しっかりメロディーとして成立することがわかります。

How to compose Cinematic Music (in 7 easy steps)

よりエモーショナルでダイナミックなメロディーを作る方法

残りの4小節も同様に、最初の4小節をコピペし、リズムはそのままで音程を変えていきます。

最高音を最後の方に少し入れることで、後半に気持ちが昂るような、エモーショナルなメロディーを作ることができます。

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実際の例↓

How to compose Cinematic Music (in 7 easy steps)

メロディーを担当する楽器は複数でもOK

バイオリンだけではなくピアノでもメロディーを演奏したり、異なるバイオリンの音源を複数使うことで、より厚みのある楽曲になります。

今回は最初に使ったKeyscapeのピアノに加えて、Spitfire社の「Chamber Strings」、ORCHESTRAL TOOLS社の「Metropolis Ark 1」、Spitfire社の「Albion One」をでメロディーを演奏しています。

ピアノとバイオリンではなく、フレンチホルンやトランペット、チェロなどで演奏してもよいでしょう。

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実際の例↓

How to compose Cinematic Music (in 7 easy steps)

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映画音楽の作り方5.カウンターメロディー(対旋律)を入れる

先ほどメロディーを入れた8小節をコピペし、カウンターメロディー(対旋律)を入れてさらに楽曲を展開させていきましょう。

今回はフレンチホルンを使い、メインメロディーとはまた異なる、独立したフレーズを作っていきます。

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カウンターメロディーを作るときのコツは、こちらの2つです。

・メインメロディーとは異なる、独立しているメロディーにする
・メインメロディーが伸ばしor休符のときに、カウンターメロディーでは動きをつける

メインメロディーが音を伸ばしている時にカウンターメロディーで音程の移動やリズムの刻みがあると、カウンターメロディーが目立ち、楽曲もスムーズに前に進む印象になります。

逆にメインメロディーに動きが多い時は、それを邪魔しないようなカウンターメロディーを作るとよいでしょう。

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映画音楽の作り方6.インパクトと緊張感を足すサウンドを入れる

よりドラマティックな音楽にするために、インパクトと緊張感を足すサウンドを入れていきましょう。

異なる楽器でメロディーをダブリング

【作曲・DTM】7ステップでできる映画音楽の作り方

まずは今まで使ってない楽器でメロディーをダブリングしていきます。

今回はピアノとバイオリンだけでメロディーを演奏していたところに、チェロでもメロディーを演奏するようにします。

チェロの音源はSpitfire社の「Chamber Strings」を使っています。

1オクターブ上で演奏

メロディーを1オクターブ上げた音を足すと、さらに楽曲がダイナミックになります。

下の画像のうち、黄色のメロディーは最初から演奏しているラインで、青いメロディーは途中から1オクターブ上で演奏するラインです。

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シンセのパルス音を入れる

シンセの低いパルス音を入れると、より深みと力強さが加わります。
(動画では詳しく解説されていませんが、U-he社「Zebra」のプリセットを使っているようです)

U-he Zebra – Make Huge Cinematic Bass – How To Tutorial

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映画音楽の作り方7.曲を完成させる

楽曲がクライマックスに向かったら、最後はどのようにして曲を終わらせるかを考えなくてはいけません。

よくある使われるのは、楽曲が始まったときと同じような雰囲気で曲を終わらせる方法です。

曲の一番最初の8小節を曲の一番最後にコピペし、あとは必要に応じて音程やリズムを変えていきましょう。

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曲の終わりを印象付ける方法

今回の場合、曲の最後が静かな雰囲気で終わります。

そのため、最後の8小節に入る直前(楽曲がクライマックスになったとき)の一番最後に大きくクレッシェンドをすると、その次の静かな部分がより強調され、印象深いラストになります。

それでは最後に、通して聞いてみましょう。

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以上で解説は終了です。

当サイトでは他にも映画音楽制作に関する記事をまとめていますので、ぜひこちらもご覧ください↓

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