プロの作曲家になるための9つの思考法
- 2025.02.10
- プロになる方法・音大進学
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今回は、音楽プロデューサーのBrad Arthurが9分で解説する「君に10年あげるから、僕に9分ください」をまとめました。
Bradはアルバムの総再生回数が1000万回を超え、現在はプロの音楽プロデューサーとして活躍しています。
そんな彼が音楽で生計を立てていくまでにかかった10年間を振り返り、プロになるためにはどんな考え方やアクションが必要なのかについて解説します。
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はじめに
10年前、僕(Brad)はプロの音楽プロデューサー(作曲家)になりたいと思い始めました。
でも、何から始めたらいいかわからなかったのです。
さまざまな経験を経てプロになることができましたが、「もっと早く知りたかった…」と思うことがたくさんあります。
大変な思いをしてまで学んだこともありますが、みなさんにはそのような経験をしてほしくないと思っています。
そこでここからは、プロの作曲家・音楽路デューサーになりたいみなさんに向けて「僕がこの10年で学んだ、プロになるために最も大切だと思った7つのこと」をご紹介します。
プロの作曲家になる思考法1.プロには100%なれる
プロの作曲家になる思考法1つ目は「プロには100%なれる」です。
僕は昔、プロの作曲家はかなりリスクが高い仕事だと思っていました。
ものすごく才能のある人か、ものすごくラッキーな人しかなれない職業だと思っていたのです。
加えて、プロの作曲家は仕事を長期的に継続できる保証を誰もしてくれませんし、絶対に全員がお金を稼げる職業でもありません。
大学のキャリアアドバイザーに相談しても、音楽のプロになることを積極的に勧められることはないでしょう。
そのため、僕も大学卒業後はバイオメディカルエンジニアリングの道を選びました。
そちらの方が、堅実的で現実的な職業選択だと思ったからです。
バイオメディカルエンジニアリングの仕事を2年間しながら、お金を貯め、傍らで音楽をやっていました。
しかし、やはり音楽がやりたくてしょうがなかったです。
プロの作曲家などクリエイターを目指す人に伝えたいこと
プロの作曲家などクリエイターを目指す人に伝えたいのは、ぜひその気持ちの通りに行動してほしいということです。
不可能ではありませんし、クリエイティブなことはこの世界にとって重要なことです。
あなたが今やろうとしているのは、ただ夢を追うことではありません。
あなたが純粋に、真剣にやりたいと思っていることであり、自分の人生も他人の人生も豊かにするための行動なのです。
加えて、いい仕事をすればそれ相応の見返りがあります。
プロの作曲家になることで、お金持ちになることもできます。
プロの作曲家になるにはお金・場所・年齢が重要なのか?
お金持ちになった有名なプロの自宅スタジオを見てみると、「やっぱりいい音楽を作るにはそれなりの機材やお金が必要なのかな」と思ってしまうかもしれません。
しかし、最近では「お金」「場所」「年齢」はほとんど関係なくなってきています。
昔は「より若く、よりよい環境を作れるぐらいお金を持っている人」がプロになりやすいと言われていました。
しかし今はインターネットや手頃で高性能な製品もたくさん開発されてきたので、お金・年齢・場所関係なく誰でも活躍できるようになりました。
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プロの作曲家になる思考法2.自分に賭ける
プロの作曲家になる思考法2つ目は「自分に賭ける」です。
「自分が人生の主人公である」と信じることは、自分の才能や可能性を信じる強力な力になります。
するといろいろなことにチャレンジできるようになり、スペシャリスト(何か特定の分野に特化している人)でありながら、ジェネラリスト(幅広く知識やスキルを持っている人)になることができ、結果的に「万能で価値ある人」になることができます。
ここで大切なのは、「何でも屋になれ」と言っているわけでもなければ、「特化することは1つ2つだけに絞れ」と可能性を限定しているわけでもないことです。
何でも屋は「範囲は広いが浅すぎて中身がない」にもなり得るし、スペシャリストは少しでも専門分野から外れると何の役にも立たないこともあります。
場合によっては、スペシャリストよりも「ちょうどよく何でも知っている何でも屋」の方が活躍できることもあります。
大切なのは、自分の可能性を広げることです。
「1つのことに特化しなきゃいけない」と可能性を制限せず、興味のあることはとことん極めることも大切です。
プロの作曲家になる思考法3.1+1=3
プロの作曲家になる思考法3つ目は「1+1=3」です。
「より速く行きたいなら一人で、より遠くに行きたいなら一緒に行け」とも言えます。
自分1人で活動しても成長できますが、他の人とコラボすることで喜びも倍増しますし、場合によっては「より遠く」も「より速く」も実現できることがあります。
他の人の人生にいい影響を与えることもできるし、自分がいい影響を受けることもあります。
作曲をしているとつい孤独になりがちですが、先生を見つけて教わったり、友達と一緒に曲を作ってみたりしてみましょう。
おすすめのDTM教室については下記の記事にまとめています↓
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プロの作曲家になる思考法4.曲をどんどん公開する
プロの作曲家になる思考法4つ目は「曲をどんどん公開する」です。
しっかり曲を完成させ、リスクを負ってでも曲を公開・リリースしましょう。
ここで大切なのは、「作る→完成させる→公開する」を継続的に行うことです。
特にはじめの頃は、作品のクオリティが低くて恥ずかしくなってしまうこともあるかもしれませんが、全く問題ありません。
どんどんフィードバックをもらって、どんどん成長しましょう。
前述の「1+1=3にする」を活用して、友達や先生にフィードバックをもらうことも有効です。
音楽の仕事が欲しいならポートフォリオを作ろう
音楽のプロとして活動するときに必要なのが、ポートフォリオです。
自分の作品をウェブサイトにアップし、「あなたはどんな曲を作っているのですか?」と聞かれた時にすぐ提出できるようにしましょう。
ポートフォリオを作る重要性については、こちらの記事でも解説しています↓
【無償vs有償】プロのクリエイターになるにはタダ働きも必要なのか?
僕はFinnというアーティストのカバー動画をYouTubeにアップしていたのですが、それが本人に見つかり、コラボすることもありました。
このように、直接のつながり(ネットワーク)がなくても、あなたの音楽や動画が誰かとつなげてくれることもあります。
完璧を目指すことは「自分が行動をするための敵」になります。
完璧でなくてもいいので、自分がその時にできるベストを尽くして「完成」を目指しましょう。
考える前に、行動しましょう。
プロの作曲家になる思考法5.健康は交渉できるものではない
プロの作曲家になる思考法5つ目は「健康は交渉できるものではない」です。
健康は誰かと交渉して手に入るものではなく、自分の体に語りかければ得られるものではなく、自分で管理しなければ手に入りません。
僕は以前、体を壊して復帰するまでにとても時間がかかってしまいました。
健康である状態を当たり前に思ってしまっていたのです。
健康維持・効率アップするためにおすすめの方法
そのため、僕は「ヘルスチャレンジ」として健康のための時間を設けています。
健康な体を維持し、長期間継続して行えるような内容で、運動だけでなく食事や人との関わり(心の健康)もカバーしています。
このヘルスチャレンジをきちんと継続できるのなら、あとはどれだけ頑張って音楽をやってもいいという状態にしています。
やるべきことをやらずにダラダラしてしまう人へ
「ちょっと休憩」と言ってダラダラYouTubeを見てしまうような人は、アプリの使用時間を制限するような機能を活用しましょう。
例えば10分間のタイマーをつけたり、各アプリの使用時間を制限できるアプリや、スクリーンタイムのウィジェットなどがおすすめです。
アスリートと同じで、大切なのは「長期的に継続できるか練習や習慣かどうか」です。
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プロの作曲家になる思考法6.Slow Is Fast
プロの作曲家になる思考法6つ目は「Slow Is Fast」です。
ゆっくり進むと、結果的には速く進めることになります。
音楽業界は、徒競走ではなくマラソンです。
「今すぐプロになること」「今すぐ音楽で稼げること」ではなく、どうやって持続可能なキャリアを築いていくか、継続的に仕事をもらえるようになれるのかを考えましょう。
成功しているプロの多くは、何年も地道に練習を続けています。
成功に締め切りはない
成功に締め切りはありません。
だから成功するのに急ぐ必要はないのです。
しかし、なかなか成功できない人の多くが自分が1年間に達成できる成長量を過大評価し、5年間で達成できる成長量を過小評価しています。
5年続ければもっとすごいレベルに到達できるかもしれないのに、目先の1年で達成できるレベルしか見ていません。
哲学者・ニーチェの言葉は、このような言葉を残しています。
しかし、メロディーが終わりを迎えなければゴールに辿り着くことはできない。
プロの作曲家になる思考法7.法律を味方につける
プロの作曲家になる思考法7つ目は「法律を味方につける」です。
音楽を作ることや演奏することは楽しいですが、法律を勉強することはあまり楽しくないかもしれません。
しかし、法律を知っておくことはあなたの音楽人生を守ることにつながります。
「法律」と聞くと少し難しそうなイメージがあるかもしれませんが、弁護士になれるほどのエキスパートになる必要はありません。
音楽に関する契約を結ぶとき、何が違法で、何がフェアでないのかなどを確認できる程度でOKです。
ChatGPTに聞いてもよいのですが、やはり弁護士に直接相談できるようにしておくのがベストです。
レーベルに所属することになっても、結局みなさんは一個人として契約を結ぶことになります。
※場合によっては、レーベルがみなさんにとってフェアでない契約を結ぼうとすることもあります
法律はみなさんのクリエイティビティを苦しめるものではなく、むしろ強化し助けるものです。
プロの作曲家になる思考法8.音楽をお金にすることに躊躇しない
プロの作曲家になる思考法8つ目は「音楽をお金にすることに躊躇しない」です。
中には「音楽でお金を稼ぐなんて汚いな」と思う人もいるかもしれませんが、その考え自体は否定しません。
そして、音楽をする目的の第一位が「お金を稼ぐため」であるのはあまり健康的な考え方ではないとも思います。
しかし、アーティストは芸術でお金を稼がずに飢えているべきだとも思いません。
しっかり健康的な生活を維持するためなら、バイトで必要な生活費を稼ぎ、残りの時間を音楽に費やすことも大切だと思います。
もしバイトをしなくても音楽で稼ぐことができ、それで生活費をまかなえるならそれも素晴らしいです。
そのため、音楽で稼ぐことを悪いことだと思ってほしくありません。
最近では、ネットで誤ったお金の使い方を誘導するような人もいますので、そちらも注意が必要です。
プロの作曲家になる思考法9.話を聴く相手をしっかり選ぶ
プロの作曲家になる思考法9つ目は「話を聴く相手をしっかり選ぶ」です。
僕がこれまでの経験で後悔していることの一つが、自分の純粋な気持ちに耳を傾けず、特に尊敬もしていない人の話を鵜呑みにしてしまったことです。
誰かにアドバイスをもらうときや、人生で重要な決断をするときは、自分の気持ちと自分が尊敬する人のアドバイスを大切にしましょう。
どんな道を選んでもリスクは必ずある
1つ言いたいのは、どんな道を選んだとしてもリスクは必ずあることです。
よく「音楽の夢を追うことはリスクがある」と言われますが、「自分の大切な夢を諦めて一生過ごすこと」にもリスクがあるでしょう。
ずっと心が満たされないまま、後悔したまま人生を終えてしまうリスクがあります。
そのため、もし音楽の道を選ぶかどうか迷ったら純粋に「自分は音楽が好きかどうか」で選んでいいと思います。
もちろん、軽い気持ちで選んでしまうのはよくありませんが、自分の心に問いかけてみて、本気でやりたいと思ったら、音楽に対して熱い情熱を持っているのなら、音楽の道を選んでもいいのではないでしょうか。
「見逃すべき気持ちや意見」と「絶対に見逃してはいけない気持ちや意見」をしっかり見極めることが大切です。
おまけ:音楽に「遅すぎ」はない
最後に、こちらの動画のコメント欄に投稿されたコメントをいくつかご紹介します。
僕が尊敬するメンターは、クリエイティブ系のキャリアを45歳で始めて今は73歳だけど、健康で心も豊かだよ!(Healthy and Wealthy!)
ずっとプロのミュージシャンになりたいと思っていたんだけど、責任を伴う道を選んだから夢は追わなかった。
今は5児の父で会社員をやっているけど、「僕はこの子たちに何を残せるだろうか?」とずっと考えていた。
この質問に対する僕の答えは「パパは、パパが好きなことをやっている」と子どもたちに言ってもらいたいということだった。
だから、今は仕事と音楽を両立して、週末はライブに出たりするようになった。
作曲もしているから、今年は人生で初めてEPもリリースする予定だよ。
やりたいことは全部頑張ってる。
僕の愛する人たちのためにも、自分のためにも。
以上が「プロの作曲家になるための9つの思考法」でした。
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