【DTM・作曲】映画音楽の作り方 Part1「映画音楽の役割と制作の心構え」
- 2024.06.13
- ゲーム・映像音楽
今回は、Native Instrumentsが解説する「映画音楽の作り方」をまとめました。
Part1では、「映画音楽の役割と制作の心構え」について解説していきます。
「映画音楽を作るときに注意するべきことは何?」
「ポップスやクラシック音楽、ゲーム音楽と違う点は?」
これらの疑問にお答えする内容です!
Part1「映画音楽の役割と制作の心構え」
Part2「映画音楽における重要な要素と制作手順」
Part3「映画音楽業界に入る方法」
スポンサードサーチ
そもそも映画音楽(Film Scoring)とは?
そもそも映画音楽(Film Scoring)とは、映像などの視覚コンテンツに対して作られる音楽のことです。
その映像のためだけに作られる音楽によって、映像内で表現される感情や雰囲気、ストーリーを拡大・強調します。
映像の趣旨や内容を理解するため、映像音楽を作る作曲家は監督と非常に近い距離で制作することも多いです。
ポップスやクラシック音楽と映像音楽は何が違う?
みなさんが普段街中で聞いているようなポップスやクラシック音楽などと大きく違うのは、「映像で描かれているストーリーを音楽で表現する」という点や、「映像内で表現されている要素との相乗効果で、さらに視聴者にインスピレーションを与えることができる」という点です。
例えば、YouTubeであなたの好きな映画の動画をいくつかピックアップしてみてください。
TENET(ワーナー)
ミラベルと魔法だらけの家(ディズニー)
インディージョーンズ(ディズニー)
ハリーポッターと死の秘宝 Part1
そして音をミュートにし、字幕はONにしてその映像を見てみましょう。
そのシーンの映像と字幕だけを見ると、どんな気持ちになるでしょうか?
どれぐらい強く感情が伝わり、自分の心の中に感情が残るでしょうか?
自分が知っているシーンのはずなのに、音をミュートにしただけで得られる感情や伝わる表現が異なるでしょう。
本来の映像には使われていない全く別の音楽と同時にその映像を見て、どんな気持ちになりましたか?
先ほどの「音をミュートにしたとき」とはまた違う気持ちになったでしょうか?
同じ映像なのに、なんだかお話の内容まで変わったような気持ちになったでしょうか?
スポンサードサーチ
映画音楽は「音楽のための音楽」ではない
このように音楽なしで映像を見たり、全く別の音楽を使って映像を見ると、伝わる感情や内容が大きく異なることがわかります。
つまり、映画音楽は「感情やストーリーを構成するもう一つの要素」であり、「視聴者の心に触れるためのもう一つの手段」なのです。
逆に言えば、映像には「音楽を楽しむための音楽」や「インパクトのある音楽」は必要ないのです。
監督が表現したいストーリーや感情を汲み取り、音楽を通してそれらをより明確に視聴者に伝えることが大切です。
映画音楽とゲーム音楽は何が違う?
「映像がある」「ストーリーがある」という点を考えると、映画音楽とゲーム音楽は共通しています。
例えば「Last of Us」のように、実写映画のような映像がプレイ中に登場するゲームもたくさんあります。
しかし、ゲームの場合は「プレイヤーの操作によってゲームの進行内容が変わる」という点が映画音楽と大きく異なります。
さらに、近年のゲームではプレイヤーの好みに合わせてカスタマイズを変えることができたり、ゲームのストーリー自体が変わることもあります。
映画とは異なり「プレイヤーが内容を操作できる」という点が、ゲームの大きな特徴です。
スポンサードサーチ
ゲーム音楽はステムで分割される
例えば、ゲーム音楽ではデータをステム(Stem)に分割して使われることがあります。
これは、プレイヤーの選択やアクション内容によって、どのパート(音)をどの組み合わせて再生させるかを変更できるようにするためです。
例えばキャラクターが使う攻撃魔法の内容やプレイヤーの残り体力によって、緊迫感のある音楽に切り替えたり、ドラムのステムを抜いてゆるやかな音楽に変更する、などを行うことがあります。
Part2「映画音楽のにおける重要な要素と制作手順」はこちら↓
-
前の記事
【DTM・作曲】映画音楽の作り方 Part2「映画音楽のにおける重要な要素と制作手順」 2024.06.13
-
次の記事
【DTM・作曲】映画音楽の作り方 Part3「映画音楽業界に入る方法」 2024.06.13