【DTM】Fabfilter社「Pro-Q」を使ったスネア・ボーカルMIXテクニック
- 2024.08.14
- 2024.11.29
- ミキシングのコツ
今回は、Daniel Braunsteinが教える「Fabfilter製品の秘密のトリック」をまとめました。
動画タイトルは「スネアに使える」となっていますが、ボーカルや他の楽器にも使える万能なテクニックです。
DTMerで持っていない人はいないのではないかというぐらい有名なFabfilter社の製品「Pro-Q」ですが、プロは実際にこのプラグインをどのように使ってミックスを進めているのでしょうか?
スポンサードサーチ
Pro-Qを使って「音の問題点を探す&解消する」
今回ミックスする曲のスネアに対しては、上記画像のようなEQをかけています。
このスネアの音は胴鳴りが強く、その音のキャラクターは好きだったのですが、音程が好みではなかったのでこの部分を削るようにしています。
ここからは、Pro-Qを使ってこの音の問題点を探す工程をお見せします。
音の問題点の探し方
まずスネアをソロで聞いて音の鳴り方を確認し、変に鳴りが強い・長いところがないか、違和感を覚える音程がないかどうかなどを確認します。
例えばこのスネアの場合、僕(Daniel)が口で歌っている音程(B)の成分が強く聞こえます。つまり、レゾナンスはBです。
1:23~1:31
スポンサードサーチ
問題となる音を一発で探す方法
では、このように「この音域の音は不要だ」と思ったとき、その音をEQ上でどのようにして見つければよいのでしょうか?
実は、Pro-Qには音程を直接打ち込むとポイントがその音程のところに自動で移動してくれる機能があります。
「Frequency」の部分をダブルクリックすると、文字が直接打ち込めるようになります。
「246hz」のようにヘルツで記述しても良いのですが、「B3」のように、音程を音名+高さ(数字)で打ち込むこともできます。
今回はB3かB2あたりの高さだと思うので、試しに「B3」と打ち込んでみましょう。
ピンクのポイントが少し左に動き、B3の高さの位置に自動で移動しました。
あとはこの音程の部分をピンポイントで削るため、Q幅は最大限まで狭くし、Gainで削る音量を調整していきます。
上記のように思いっきり上げてみると、この胴鳴りの部分がどのような音なのかをはっきり聞くことができます。
「この音が違和感の原因だったんだな」ということがわかったら、あとは気にならなくなるまで削ります。
2:18~2:31
倍音成分にも注意する
倍音成分が音の違和感を増強している場合もあるので、倍音もチェックするとよいでしょう。
今回の場合は、先ほどのB3の音に対する倍音…例えば1オクターブ上のB4の音程を見てみましょう。
先ほどと同様に、Frequencyのツマミをダブルクリック→「B4」と打ち込み、ポイントを動かしていきます。
実際の手順↓(2:46~3:00)
ボーカルや808系のサウンドにも使えるテクニック
今回はスネアの例でご紹介しましたが、スネアよりもボーカルでこのテクニックを使うことが多いです。
ボーカルの場合、声やマイクの性質、歌い方、メロディーラインによって特定の音域だけが不必要に出過ぎることがあるからです。
また、808系のサウンドにも使えます。
808系のサウンドはとても力強く、とりあえずコンプレッサーをかけて音作りを完了させる人も多いです。
そのため、ある特定の低音域だけが飛び出てしまうことがあるため、このようなときにも今回のテクニックが使えます。
歌ったり鍵盤を弾きながら確認しよう
どの楽器においても、今回のように自分で歌ったりピアノやギターで弾きながら問題の音程(レゾナンス)を探すのがコツです。
音程さえ分かれば、あとはEQ上で打ち込むだけで問題となる音をピンポイントで当てることができます。
スポンサードサーチ
別のやり方1:自力でポイントを動かして探し当てる
もちろん、音程を打ち込むことなく自力でポイントを動かして探し当てることもできます。
Q幅を狭めて、Frequencyを少しずつ動かす方法です。
4:25~4:44
しかし、今回ご紹介したやり方の方が早いでしょう。
別のやり方2:スペクトラムを見て探し当てる
Pro-Qでは、スペクトラムをマウスオーバーすると上記の画像のように静止画でスペクトラムを見ることができます。
ここで飛び出ている「山」の部分を見つけて、これをレゾナンスとして疑ってみるという手もあります。
Pro-Qなら、マウスオーバーして静止画のスペクトラムが表示されたあと、山のてっぺんの部分にEQのポイントを置き、そのまま調整できるという機能があります。
このやり方は、特にボーカルでキツい音域を探し当てるときに便利です。
5:13~6:10
スポンサードサーチ
Fabfilter社「Pro-Q」を使ったスネア・ボーカルMIXテクニックまとめ
以上がFabfilter社「Pro-Q」を使ったスネア・ボーカルMIXテクニックでした。
→レゾナンスをピンポイントで探し当てる
・スペクトラムをマウスオーバーして、飛び出ている周波数を確認する
→レゾナンスをピンポイントで探し当てる
・Q幅を狭めたり、思いっきりブーストすると問題のある周波数帯域を見つけやすい
ぜひお試しください!
当サイトでは他にもPro-Qを使ったミックスのコツをご紹介していますので、ぜひご覧ください↓
-
前の記事
世界のプロがやっている「マルチバンドボーカルミキシングテクニック」 2024.08.13
-
次の記事
【DTM】アマチュアがやっている「8つの作曲・MIXの間違い」Part1 2024.08.15