アコギをキレイにレコーディングする4つのやり方【宅録】
- 2025.04.16
- 2025.04.01
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今回は、SonicScoopが解説する「アコースティックギターをレコーディングするベストな方法」をまとめました。
初心者の方もすぐお試しいただける4つの方法をご紹介しますので、ぜひ自分に合った方法を見つけてみてください。
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アコースティックギターをレコーディングする4つの方法
アコースティックギターをレコーディングする方法は、大きく分けて4つあります。
2.2本のマイクをくっつける方法(XY)
3.2本のマイクを離して置く方法(Spaced)
4.2本のマイクをクロスさせる方法(ORTF)
それでは、1つずつ順に解説していきます。
主なレコーディング方法1.1本のマイクを使う方法

1つ目は最もベーシックな録音の仕方で、マイク1本をギターに近づけて録音する方法です。
ギターのネックとボディの境目に対して垂直の位置にマイクをセッティングします。
マイクの位置をほんの数センチ動かすだけでも録れる音が変わるので、自分が録りたい音に応じて微調整が必要です。
はじめは、30~60cm離した位置から試してみるとよいでしょう。
フレットボード側に向けると明るく弦の音が目立つサウンドになり、ブリッジ側に向けると中音域に厚みのある音が録りやすくなります。
・ギターのどこに向かってマイクを向けているか?
音の明るさや弦の音の録れ具合を調整
・ギター本体から何cm離しているか?
部屋鳴りや広がりの具合を調整
ギターレコーディングの注意点
ギターのサウンドホール(ギターに空いている穴)に対して垂直にすると、非常に低音域が多く含まれたサウンドになってしまいます。
低音域が録れすぎてしまいますので、基本的にはあまりおすすめしていません。
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主なレコーディング方法2.2本のマイクをくっつける方法(XY)
2つ目の方法は、マイクを2本くっつける方法で「XY」と呼ばれます。
XYでレコーディングするときのポイントは、基本的には「楽器に対して45度傾けること」です。
例えばこのカメラが楽器だとすると、このように45度傾けます。

2本使うとこのようになります。

マイクをくっつけるレコーディング方法にはいくつか方法があり、それぞれに特徴があります。
・垂直XY
・Blumlein
・Mid-Side
マイクをくっつけるレコーディング方法:水平XY(Horizontal XY)

水平XY(Horizontal XY)は、マイクを縦に並べるようにしてくっつけてセッティングします。
このようにセッティングすると、はっきりとしたモノラルのサウンドをレコーディングしやすくなります。
逆に言えば、部屋鳴りなどの「広がり」も欲しいときはあまり向いていないでしょう。
マイクをくっつけるレコーディング方法:垂直XY(Vertical XY)

「垂直XY」は、90°の角度を作るようにマイク同士をくっつけてセッティングします。
水平XYよりも「部屋鳴り」「空間」を録りやすいので、音の広がりも一緒に録音したいときはおすすめの方法です。
マイクをくっつけるレコーディング方法:Blumlein

「Blumlein」は、マイクの置き方は通常のXYと変わりませんが、使うマイクの種類が異なります。
これまでご紹介した方法は単一指向性(Unidirectional)マイクを使用することを前提としていましたが、Blumleinでは双指向性(Bidirectional)マイクを使用します。
両方向から音をキャッチできるマイクを使うことで、クリアでリアリティのあるサウンドをレコーディングすることができます。
部屋鳴り・空間も意識してレコーディングしたい場合は、こちらの方法がおすすめです。
マイクをくっつけるレコーディング方法:Mid-Side

「Mid-Side」は、マイクの向きを完全に「90°」「180°」に傾けてセッティングする方法です。
見た目はXYやBlumleinと似ていますが、XYやBlumleinはマイクを110°傾けるのに対し、Mid-Sideは90°・180°傾けます。
つまり、マイクを真横と正面に向けてセッティングします。

上記の画像の通り、ギター(音源)に向けている「Mid」のマイクはギターから出た音をメインにキャッチします。
一方、横に向けている「Side」のマイクは、周りの反響音や部屋鳴りをメインにキャッチします。
Mid-Sideレコーディングを使うときの注意点(DAWでの処理の仕方)
Mid-Sideでレコーディングするときは、Sideのマイクで録った音を2チャンネルに分け、それぞれのPanを振る必要があります。
この処理を行わないと位相の打ち消しが起こり、モノラルで聞くと完全に音が消えてしまいますので注意です。
1.Sideで録ったオーディオデータを複製する
2.複製したオーディオデータの位相を反転させる
3.片方のオーディオデータのPanを右に、もう片方のPanを左に振る
こうすると、位相の問題なく部屋鳴り・空間の音を作ることができます。
これだけでとても広がりを出すことができますので、ぜひお試しください。
主なレコーディング方法3.2本のマイクを離して置く方法(Spaced)

3つ目の方法はマイクを離して置く方法で「スペース」と呼ばれるものです。
2本のマイクを17cm離し、それぞれ110°傾け、片方をギターのブリッジ、片方をフレットボードに向けてセッティングします。
水平XYのようにモノラルでしっかり録れますが、同時に部屋鳴り・広がりも少し録れます。
1本で非常に広がりのある音をレコーディングできますので、特にソロギターをレコーディングするときにはおすすめの方法です。
逆に言えば、がっつりクリアに近い音を録りたいときは、この方法ではなくXYがおすすめです。
スペースレコーディングのサウンドの特徴
「スペース」のやり方を使うと、マイクごとに全く異なるサウンドを録音することができます。
例えば、フレットボード側のマイクは非常に明るく、ブリッジ側のマイクは太く厚みのある中音域がメインになります。
この方法で録ったデータをPanで左右に振ると、非常に広がりのあるサウンドにすることができます。
スペースレコーディングの注意点
「スペース」のやり方を使うときに注意するべきことは、両方のマイクで音量が大きく異なる場合があることです。
全く同じ設定でレコーディングしていると、多くの場合はフレットボード側のマイクの音量が小さく、ブリッジ側のマイクの音量が大きくなりやすいです。
そのため、フレットボード側のマイクで録れる音の音量が極端に小さくなっていないか、バランスを聞きながら音量の設定をする必要があります。
マイクを肩の上にセッティングする方法もある(オーバーショルダー)

この「スペース」のやり方では、マイクをギターの前に置かず、肩の上にセッティングする方法もあります(オーバーショルダー)。
オーバーヘッドマイクを使う場合は、「ギター本体とギターの前に置いてあるマイクの距離」と同じ距離で肩の上にセッティングすることをおすすめします。
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主なレコーディング方法4.2本のマイクをクロスさせる方法(ORTF)

4つ目の方法は「ORTF(Office de Radiodiffusion Télévision Française)」と呼ばれる方法です。
2本のマイクを110°クロスさせて、マイクの端が17cm開くようにセッティングします。
ちょうどよく中音域が録ることができるのが特徴です。
アコースティックギターをキレイにレコーディングする4つのやり方まとめ
以上が「アコースティックギターをキレイにレコーディングする4つのやり方」でした。
一番簡単でシンプル。
近くてモノラルの音が欲しいときに最適。
ギターの音と空間の音をバランスよくレコーディングできる
水平XY、垂直XY、Blumlein、Mid-Sideなどの方法がある。
空間を感じられる広がりのあるサウンドが特徴。
オーバーショルダーもあり。
ソロギター向けの方法。
特に中音域をキレイに録ることができる。
最後にギターレコーディングに最適のマイクやアイテムを掲載しますので、これから宅録を始めてみたい方、宅録のクオリティをアップさせてみたい方はぜひチェックしてみてください↓
今回の解説で使われていたマイク
初心者におすすめのマイク1(とりあえずスタンダードなマイクが欲しい方向け)
初心者におすすめのマイク2(これから宅録をはじめてみたい方向け)
中級者におすすめのマイク(2本使ったステレオレコーディングをしてみたい方向け)
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